Spectee(スペクティ)と日本気象協会および福井県の3者は11月24日、道路に設置されたカメラより得られた画像から、AIにより路面状態をリアルタイムに判別する実証実験を2020年12月~2021年8月にかけて実施すると発表した。

  • 同実証実験イメージ図

降雪や気温低下に伴う積雪路面や凍結路面の発生は、車両の事故やスタックを引き起こす誘因であり、道路管理において大きな課題だ。福井県では平成30年2月豪雪において、立ち往生車の発生により、国道8号に約1500台の車両が長時間にわたり滞留し、県民生活に支障をもたらしたという。このような背景の下、日本気象協会とスペクティは2019年からカメラ映像に着目し、最新のAI技術を駆使した冬季の各種防災情報の取得とリアルタイム提供サービスの開発を共同で進めている。

そこで今回、両者が共同開発したAIによる「路面状態判別技術」を福井県内にある路面状況確認カメラに応用し、精度検証を目的とした実証実験を開始する。今までは計測機器が設置されている部分の情報しか得られなかったが、広範囲に設置されたカメラ画像を用いてAIで判定することで、路面状態の面的な分布が得られるため、より網羅的な実況把握が可能になるとしている。

同実証実験により、リアルタイムに路面の凍結や積雪状態を判別することで、通行の安全や除雪作業・凍結防止剤散布作業の実施判断、作業効率の向上を目指す方針だ。