ヴイエムウェアは1月19日、公式ブログで、マルチクラウドへのシフト傾向が続くことを前提として、クラウド、セキュリティ、アプリケーション、Anywhere Workspaceという観点から、2022年のテクノロジーの展望について伝えた。以下、そのポイントを紹介しよう。

クラウド

従来のストレージシステムには、リソースの活用が固定のハードウェア内に制限されるため、データの滞留、キャパシティの不足、拡張性や柔軟性の制限、複雑な配置、導入から廃棄までの高額なコストなどの課題が発生することがある。

そこで、特定のクラウドに依存しない統合型データファブリックが今後2年以内に登場し、マルチクラウド・アーキテクチャの円滑な運用を大きく阻害するデータ グラビティを軽減することが可能になるという。

セキュリティ

2021年はKaseyaやColonial Pipelineなどに対する大規模なランサムウェア攻撃が実行されたが、2022年の攻撃者はさらに一歩進んで、盗んだ認証情報を悪用した二重脅迫型ランサムウェア攻撃が増えると同社は予測している。

しかし、この攻撃に対して、世界中のテクノロジー企業、オープンソース・コミュニティ、学界、サイバーセキュリティ機関、政府機関などが団結して取り組んでいくと考えられ、同社も引き続き、この取り組みに協力していくという。

アプリケーション

VMwareは、Kubernetes(K8s)のパターンを新たな領域に持ち込むツールの登場を予測している。これにより、新たな問題を解決できるほか、開発、セキュリティ、運用業務の関係性が変わっていくという。

具体的には、K8sによって普及したマニフェストベースのモデルを活用するシステム(ビルドシステム、インフラ管理、統合型アプリケーション制御プレーン)が増えると考えられるとのことだ。これにより、システムが実行中の項目を把握しようと試み、APIを提供して実行中の項目を変更するというやり方から、意図された状態を表すマニフェストを使用して実際の状態と意図された状態の調整を行う方法へと移行する。

その結果、企業はプラットフォームに多額の「フルスタック」投資をすることなく、AIや機械学習、ストリームベースの処理、アプリの統合およびその他の領域の課題にも取り組むことが可能になるという。

Anywhere Workspace

エンドユーザーコンピューティングの分野におけるトレンドとしては、パスワードレス認証が広く普及して一般に受け入れられるようになるだけでなく、必須アイテムになることが予測されている。

加えて、VPNの利用が大幅に減り始めるという。パンデミックの期間を通じて、VPNは企業にとって脆弱な領域の1つであることが明らかになった。VPNに代わるものとして、マイクロペリメータ、リアルタイムのセキュリティ状況チェック機能、SASEサービスの普及が考えられるという。