日立システムズ、キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)、EPクロア、JSOL、ビジネスエンジニアリング、フィラーシステムズの6社は1月17日、アマゾン ウェブ サービス(AWS)の環境で、製薬・医療機器業界特有のシステム利用のためのコンピュータ化システム・バリデーション(CSV)に適用するためのリファレンス文書(利用手引き)を共同で更新し、ユーザーへ無償提供を開始した。

  • 新リファレンスの概要

CSVは要件や監査事項が複雑なためAWS環境の利用方法も含めて整理する必要があるといい、AWSパートナーベンダーがCSV適用の考慮に必要となる「医薬品医療機器等法対象企業様向けAWS利用リファレンス」および「AWS供給者アセスメント・監査適用リファレンス」の2文書を作成し、2016年1月から提供してきたとのこと。

それ以降、クラウドサービスの利用者が増え続け、より安全性の高いサービスが求められるようになっており、AWSはインテリジェントな脅威検出でAWS環境を保護できるサービス提供や、参照すべきホワイトペーパーの更新をしているという。

こうした変化に対応するため、6社が共同で上記の2文書を更新した。特に、CSV対象システムやAWSにおける環境構築に携わってきたというキヤノンITソリューションズとEPクロアが今回加わったことで、より実践的なリファレンスになったとしている。

新リファレンスのうちAWS CSV利用リファレンス Ver2は、厚労省の「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」に従い、自社のコンピュータ化システム管理規定に基づいてシステムの検証を必要とするユーザー企業向けに、AWS環境における要件整理の考え方や回答を網羅したもの。

同リファレンスでは、AWSの担当範囲、システムインテグレーターやユーザー企業の担当範囲を明確化し、CSV適用にあたっての考慮点のポイントを解説している。またAWS供給者アセスメント・監査適用リファレンスは、AWS環境におけるサプライヤー・チェックリストの考慮点と要点を整理したものという。

これらによりAWSの利用をさらに促進すると共に、AWSを使用する製薬・医療機器企業向けITソリューションの拡販を図るとのことだ。