12月7~9日にかけて米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催されたSEMICON West 2021 HYBRIDにおいて、SEMIのプレジデント兼CEOであるAjit Manocha氏が記者会見の席上、「半導体市場は、2020年に前年比10.8%増の4640億ドルに達した後、2021年も同20%超で成長すると予想されており、新型コロナウィルスのパンデミックにもかかわらず、半導体業界は好調である」と述べた。

また、2021年の半導体製造装置市場(前工程+後工程の合算)についても、「前年比4割以上の成長を遂げ、史上初めて1000億ドルを超える見込みである。このうち、ウェハファブ(前工程)向け製造装置市場規模は800億ドルから900億ドルの範囲だと予測している」と述べたほか、2021年の材料市場についても、同約11%の成長の約620億ドルという史上最高額を更新することが予想されるともした。

  • SEMICON West 2021

    半導体製造装置市場の過去の推移と2021年および2022年の予測 (出所:SEMI, 2021年12月)

2024年までに新たに60の300mmファブが稼働するの見通し

また同氏は、新しい200mmおよび300mmファブに関して、「2021年9月時点の調査で、25の8インチ(200mm)ファブが、現在から2024年までに稼働を始める。そのうち5つは米州、1つは欧州/中東、19はアジア(中国で14、日本で3、台湾で2)である。生産能力は、200mmウェハの生産能力は、2020年から2024年にかけて18%増加すると予測されている」と述べたほか、300mmファブの新設/増設に関しても60ほど計画されており、内訳は米州6、欧州10、アジア44(中国・台湾がそれぞれ15、日本5、韓国8、シンガポール1)としている。

この結果、世界の300mmウェハによる生産能力は2020年から2024年にかけて48%成長するという。「これらすべてのファブが2024/2025年までに稼働したならば、半導体市場は2030年の前に少なくとも1兆ドル規模に達し、2030年には1兆2000億ドルに達する可能性が高い」とManocha氏は期待を込めて語っている。また、「これらのファブのいくつかは、地理経済的な問題やその他の理由で計画取りやめになる可能性や計画遅延の可能性はあるものの、これ程までの多くのファブの新設計画は見たことがない。これらのファブを稼働させるためには、さらに多くの人材が必要となる」とし、今後、半導体業界における人材不足が懸念されるようになるともしていた。