CMOSイメージセンサ(CIS)を用いたカメラモジュールは、中核となるCMOSイメージセンサのほか、レンズセット、アクアクチュエーターなどと、それらを組み立てる部材で構成されている。そうしたカメラモジュール市場は、2020年の240億ドル規模から、年平均成長率(CAGR)9.8%で成長を続け2026年には590億ドルに達するとの予測を仏Yole Développementが発表した。
CMOSイメージセンサ以上に成長するアクチュエーター
CMOSイメージセンサ市場は2020年に177億ドル規模だが、CAGR6.7%で成長を続け2026年には258億ドルまで成長することが見込まれている。しかし、アクチュエーターカメラモジュールアセンブリ市場は、技術の高度化・高付加価値化でCAGR14%台のよい高い成長が期待できるとしており、2026年時点でのCISカメラモジュール市場の内訳は、CISが43%、カメラモジュールアセンブリが32%、レンズセットが約 4%、アクチュエータが11%となると同社では予測している。
CMOSイメージセンサそのもののトップサプライヤはソニーだが、カメラモジュールアセンブリのトップは韓国LGグループのLG Innotekで、2020年の当該市場シェアは17%と見られている。同市場の2位は中Sunny Optical Technologyで13%となっている。また、近年ではスマートフォン(スマホ)の搭載カメラ数が増大しており、それに伴ってカメラモジュールの数も2019年の49億個から、2020年には前年同期比10.4%増の54億個まで増加。今後もしばらくはこの傾向が続くとみられるという。
CISカメラモジュールは、毎年のスマホの性能向上に対応するための機能向上を続けている。
そのもっとも重要なコンポーネントであるCMOSイメージセンサは、画素サイズの縮小による解像度向上が進んでいる。また、光学レンズセットは、OIS(Optical Image Stabilization:光学式手振れ防止)技術がレンズシフト式からセンサシフト式に移行しつつある。すでにAppleは、センサシフト式をiPhone 12 Proに導入している。Android系のスマホメーカーも積極的にセンサシフト式の開発を進めており、2022年には搭載モデルが発売される見通しだという。
レンズについても、ガラスレンズやフリーフォームレンズ、さらには液体レンズなどといった革新技術の活用が進みつつあり、トータルソリューションとしてスマホカメラの画質向上が進められている。