ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)とノルウェーの衛星関連サービス会社であるコングスベルグ・サテライト・サービシズ(Kongsberg Satellite Services:KSAT)は10月7日、国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」に設置した小型光通信実験装置「SOLISS」(Small Optical Link for International Space Station)とギリシャの商用光地上局までの光ダウンリンク確立に成功したことを発表した。

SOLISSは宇宙航空研究開発機構(JAXA)とソニーCSLが軌道上技術実証のために共同開発した、長距離空間大容量データ通信を目的とする小型衛星光通信システム。今回、通信を行った光地上局はKSATが運営する宇宙での光通信サービスを提供することを目指したOptical Nucleus Networkの商用光地上局。通信形式には宇宙データシステム諮問委員会(CCSDS)の推奨規格(141.0-B-1 + pink sheets for O3K)を使用したという。

なお、今回の実験成功は、小型で汎用性の高いレーザー通信端末同士による宇宙-地上間での通信の実現に向けた重要な成果であるとソニーCSLでは説明しているほか、今後の宇宙空間における地球周回軌道をはじめとした衛星間や地上との超高速・低遅延データ通信や、大容量リアルタイムデータ通信の社会実装が期待されるともしている。

  • SOLISS

    「SOLISS」から光通信で伝送されたHD画像 (C)JAXA/ソニーCSL