デル・テクノロジーズは9月22日、「2021 Global Data Protection Index(以下 GDPI):グローバル データ保護インデックス2021年)」の結果を発表。記者説明会では、分析を交えて解説した。

GDPIは、日本のIT意思決定者50名を含む世界15カ国の250人以上の従業員がいる企業を対象に行った調査で、1,000名のIT意思決定者から回答を得た。調査はVanson Bourne社に委託し、今年の2月-4月に実施されたという。

  • デル・テクノロジーズは9月22日、「2021 Global Data Protection Index(以下 GDPI):グローバル データ保護インデックス2021年)」の調査対象

デル・テクノロジーズ DPS事業本部 本部長 芳澤邦彦氏は、「これらのデータを公開することで、データ保護を考える上でのベンチマークになればと思っている」と語った。

  • デル・テクノロジーズ DPS事業本部 本部長 芳澤邦彦氏

調査では、増え続けるデータ量と高まるデータ保護の複雑さに苦慮している企業の姿が浮き彫りになったという。

全世界の企業が管理しているデータ量は、14.6PB(ペタバイト)と、前回の調査(2018年9月~11月)の比較では11%の増加だが、2016年の調査の1.45PB(ペタバイト)に比べると10倍以上に増えているという。

データの保存場所は、既存システムの場合はオンプレミスやパブリッククラウドが多いが、新たに立ち上げるシステムでは、クラウトファーストという選択を行っていることがわかったという。

  • データ「量」とデータ「場所」の膨張が引き続き加速傾向

過去12カ月に経験した障害インシデントは、予期せぬダウンタイムがトップで従来と変わらないが、データロスやサイバー攻撃、サイバーインシデントによるデータアクセス阻害が前回調査よりも大きくなっている。

ダウンタイム/データロスの原因としては、ハードウェア障害(38%)が初めて2位に落ち、ソフトウェアエラー(41%)がトップになった。

芳澤氏はSoftware Definedや仮想化といったものを導入している点が要因ではないかと語った。

そのほか、外部からのセキュリティー侵害(34%)やサービス/クラウド プロバイダーのエラー(21%)が増えているのが今回の調査の特徴だという。

  • ダウンタイム/データロスの原因と影響

また、サイバー脅威 によるデータ損失のリスクを不安視する企業が多かったという。

  • 企業・組織がデータ保護の向上が必要と考えるクリティカルな領域

新たなデータ保護のソフトウェア

また、同社は同日、仮想マシン(VM)のバックアップデータの可用性の促進、大規模データセットの管理の簡素化などを実現する新しいデータ保護のソフトウェア2つを発表した。

1つ目は、「PowerProtect Data Manager」にアップデート(PowerProtect Data Manager v19.9)が行われ、重要データ(ワークロード)を保護する2つの新機能が提供される。

新機能の1つは、「PowerProtect Data Manager with Transparent Snapshots」で、大規模VMware環境(重要な仮想マシンのデータ)を保護する新しい独自の環境を提供。VMwareと共同開発したもので、本番への影響を極小化し、VMのイメージレベルのバックアップを簡素化および自動化するという。これにより、最大5倍の高速バックアップと5分の1のVMレイテンシーを実現するという(「Dell EMC PowerProtect Data Manager 19.9 with Transparent Snapshots」のバックアップパフォーマンスおよびVMレイテンシー パフォーマンスと「 Dell EMC PowerProtect Data Manger with VADP」のパック アップ パフォーマンスおよびVMレイテンシーパフォーマンスを比較)。

  • Transparent Snapshot

もう1つの新機能は、Dynamic NAS Protectionで、これは大容量の非構造化データの保護を効率的に行うもの。コンテナ技術を活用(コンテナを複数立ち上げ多重化処理)し、NAS ストレージに格納された数100TBクラスのデータ保護を実現するという。新開発の動的な“スライシング”技術により、ファイルを小さく分割し、重複排除をより効率的に行い負荷分散するという。従来のNDMP方式に比べ、バックアップを最大3倍、リストアを最大2倍高速化するという。

  • Dynamic NAS Protection

さらに、新たなソフトウェアとして「PowerProtect DD Smart Scale」を提供する。これは複数の物理アプライアンスをプール化でき、管理コンソールとなるPowerProtect DD Management Center経由でSmart Scaleサービスを適用することで、適用された(プール化された)アプライアンスに対して、クライアント向けのシングル ネームスペースの提供や容量の性能分析機能、利用量の将来予測や再配置レコメンド提示、データ格納先の移動・再配置を実施できる。

現在テクノロジープレビューの状態で、同社の年度末から年度明け(来年の1月から2月くらい)に提供される予定だという。