NECソリューションイノベータは4月15日、車両や歩行者の移動経路や停止時間などを分析する「FieldAnalyst for Vehicles」を提供開始した。価格は88万円。今後3年間で40社・団体への導入を目指す。

  • 交差点を通過する車両や横断歩道を渡る歩行者を検知する様子

  • 車両ごとに停車時間を計測する様子

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新製品は、カメラで撮影した映像から同社独自というAI(人工知能)技術を使用して移動中の車両や歩行者を自動でリアルタイムに認識し、認識率95%以上という精度で行動検知するという。これにより得た車両や歩行者の数、停止時間などの情報を、渋滞原因の分析や車両の入退管理に利用できる。

加えて、ナンバープレートの認識により車両や人の動きを考慮したイベントの運営を検討可能となり、混雑などの回避や来場者の属性に応じた企画にも役立てられるとしている。

同製品では、物体識別技術および移動体分析技術により道路などに設置したカメラから車両を検出し、普通車、バス、トラック、バイクなどの種別ごとに通過する車両台数の計測や、走行・停止の判別、車両の移動経路の分析を行う。同時に移動する人物を検出し、横断歩道を渡る歩行者などの人数を計測する。

ここで得た情報を基に、例えば自治体は、渋滞原因の分析やその解消に向けた施策の検討に役立てられる。また工事を請け負う建設業者は、工事の際の迂回路の設定・誘導を始め、効率的な工事計画の立案につなげるとしている。

ナンバープレート認識技術は、商業施設やイベント会場などの駐車場に設置したカメラ映像から、入退場する車両のナンバープレート情報を検出するもの。施設や会場の混雑緩和の他、レンタカーや県外車両などを識別することで、来場者の属性に合わせたイベントの立案に役立てられるとしている。

さらに、滞在時間の把握により長期間停車している違法駐車などの車両を認識できるという。加えて、企業や公共施設などに入退場する車両のナンバープレート情報から、事前登録車両のスムーズな入場、未登録車両の進入防止にも役立てられるとのこと。