米国の半導体市場動向調査会社IC Insightsによると、世界半導体市場統計(WSTS)による半導体分類上で非ICとして分類されるオプトエレクトロニクス、センサ/アクチュエータ、およびディスクリート(個別)半導体(O-S-D)市場の2020年の売上高は前年比3%増の883億ドルとなり、過去最高を更新したという。
それぞれ個別に見ると、2020年のオプトエレクトロニクスは横ばいの440億ドル、センサ/アクチュエータは同11%増の165億ドル、ディスクリートが同3%増の278億ドルとなったという。各市場を製品別で見ると、オプトエレクトロニクスではレーザートランスミッタが同10%増と高い伸びを示したが、LEDを中心とした照明デバイスが同6%減、赤外線デバイスが同4%減、光センサが同3%減となった。センサは、CMOSイメージセンサが同4%増となったほか、スマートフォンやワイヤレスシステムにおけるMEMSベースのRFフィルターの需要が高いこともあり、総売上高は同8%増、アクチュエータも同15%増となったという。中でもMEMSを用いたセンサならびにアクチュエータは同11.4%増の138億ドルで、過去最高を記録したという。そしてディスクリートは第2四半期までの間、搭載アプリケーションが新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、第3四半期以降、在庫の補充が進んだことで、通年としてはプラス成長に落ち着いたとする。
また2021年のO-S-D市場については、多くの国・地域で新型コロナ向けワクチンの投与が進むことから、下半期までに大幅な景気回復が見込まれるため、それに併せてさまざまなシステムで売り上げが伸び、その結果、半導体市場も成長が見込まれ、オプトエレクトロニクス市場では同14%増の501億ドルとなり、過去最高を更新すると予測されるほか、センサ/アクチュエータ市場も同16%増の191億ドルと、12連続で過去最高を更新する見通しだとする。ディスクリート市場も同9%増の302億ドルと、こちらも過去最高を更新する見通しで、O-S-D市場全体としても同13%増の994億ドルへと成長することが期待されるとしている。
なお、IC Insightsでは、2022年にはさらに同10%増の1091億ドルに達するものと見ており、初めて1000億ドルを突破する可能性があるとしている。ちなみに2020年から2025年の年平均成長率(CAGR)は8.5%としており、それによると2025年には1326億ドルに達するとしている。