Samsung ElectronicsのシステムLSI事業部が、UMCとの間でスマートフォン(スマホ)のカメラなどに使われるCMOSイメージセンサの生産委託契約を取り交わしたと韓国経済紙である毎日経済新聞が報じている。

韓国の半導体業界関係者からの情報としているが、それによると、SamsungのシステムLSI事業部は半導体製造装置の供給不足が長期にわたって解消されないと判断し、2020年よりUMCとの間で製品開発に向けた協力を進めてきたという。具体的にはテレビ向けディスプレイドライバICのような、汎用半導体の生産委託が増える見通しだという。

モバイルアプリケーションプロセッサ(AP)のような最先端プロセス品は自社で製造を行う一方で、汎用半導体の多くを外注に回す模様で、UMCに続き、TSMCやGLOBALFOUNDRIES(GF)にも生産委託を行う方向で検討が進められているという。中でもGFは2014年、Samsungと14nmプロセスのラインセンス契約を締結し、Samsungから技術の移管を受けるなど、協業してきた過去もある。

同社のシステムLSI事業部/ファウンドリ事業部(Samsung Foundry)は、韓国の器興にS1ライン、米テキサス州オースチンにS2ライン。韓国の華城にS3ラインという3つの生産拠点を有しているほか、米国政府の要請を受ける形で、米国内に新たな先端ファウンドリを建設することを計画しているが、そちらはまだ正式な発表も着工もしておらず、システムLSIの生産能力をすぐには増やすのが難しい状況にあり、今回の動きに至ったとみられる。