Samsung Electronicsは、人工知能(AI)処理能力を備えた高帯域幅メモリ(HBM)を活用したProcessing-in-Memory(HBM-PIM)を開発し、2月13日~22日にかけてオンラインで開催された「国際固体素子回路会議(ISSCC 2021:International Solid-State Circuits Conference 2021)」にて発表した。

従来、コンピューティングシステムのほとんどは、フォンノイマンアーキテクチャに基づいており、プロセッサとメモリを活用して、何百万もの複雑なデータ処理タスクを実行している。この処理アプローチでは、データが絶えずプロセッサとメモリの間を移動する必要があるため、データ量が増えれば、処理に時間が必要となってくるほか、データの移動のたびに電力を消費してしまうという課題がある。

Processing-in-Memory(PIM)は、メモリ内にプロセッサ機能を持たせることで、処理時間の短縮とデータ移動を抑えての低消費電力化を図ることを可能とする技術。今回のSamsungのHBM-PIMは、HBM2に最適化されたAIエンジンを各メモリバンク(ストレージサブユニット)内に配置することにより、従来ソリューション比でエネルギー消費を70%以上削減しながら、システムパフォーマンスを2倍以上ひきあげることを可能とするという。また、HBM-PIMはハードウェアやソフトウェアの変更を必要としないため、既存のシステムへの統合も容易に行うことができるとしている。

なお、同社のメモリ製品計画担当シニアバイスプレジデントであるKwangil Park(クァンギル・パーク)氏は、「より高度なPIMを利用したアプリケーションについて、AIソリューションプロバイダーと協力することで、ブレークスルーをさらに強固なものにしていく予定である」と述べ、すでに主要なAIソリューションパートナーのAIアクセラレータ内でテストされていることを明らかにしており、その検証も2021年上半期中に完了する予定だとしている。