毎年2月に韓国ソウルで開催されている半導体製造装置および材料の展示会・講演会「SEMICON Korea」。2020年は新型コロナウィルスの感染拡大を受け、開催直前に急遽中止となった。2021年も当初は展示会をソウル市内の国際展示会場で、講演会をバーチャル形式で開催することを予定していたが、新型コロナウィルス感染症が終息しなかったため、展示会を急遽中止とし、講演会のみは予定通り、2月3~12日にかけてオンラインイベントとして開催された。

2021年の半導体製造装置市場の見通しを上方修正

SEMICON Korea 2021のバーチャルコンファレンスとして開催された「SEMIマーケットトレンドフォーラム」において、SEMI米国本部で市場調査統計担当ディレクターを務めるClark Tseng氏が2021年1月末時点での半導体製造装置材料市場予測に関して講演し、2020年12月に公表した予測数値のアップデートを行った。

それによると、2020年の前工程製造装置(Wafer Fab Equipment:WFE)市場は594億ドルと過去最高を記録した。2020年12月に開催されたSEMICON Japan 2020以降、車載半導体はじめ半導体チップの需給ひっ迫が顕在化し、主要半導体各社がライン増設を検討しており、特にTSMCが250~280億ドル規模の巨額設備投資を計画していることを受け、SEMIでは2021年以降のWFE市場予想の上方修正を行った。

具体的には、2021年の市場見通しを従来の前年比4%増の618億ドルから同11%増の約660億ドルに、そして2022年も同6%増の656億ドルから同7%増の約700億ドルに、2023年も従来の680億ドルから約720億ドルへとそれぞれ上方修正している。

デバイス別では、ファウンドリ /ロジック向け装置が2022年、2023年ともに前回予想の300億ドル超から350億ドル超に上方修正されている。また、2021年の国・地域別の製造装置市場(前工程と後工程の合計額)のうち、TSMCが巨額投資を計画していることを受けて、台湾での販売高を上方修正した。一方、中国については米中経済紛争が不透明で予測が難しいとし、2022年は前年比マイナス成長のままとしている。

  • SEMICON Korea 2021

    2021年および2022年の地域・国別半導体製造装置市場規模(単位:億ドル)。矢印は2020年12月のSEMICON Japanでの市場予測から今回開催されたSEMICON Koreaでの修正予測値 (SEMICON Korea 2021発表データをもとに著者作成)