NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は10月9日、フィックスポイントと共同開発を進める、マルチクラウド・ハイブリッドクラウド環境におけるオペレーション品質の向上を実現する次世代運用基盤「X Managed Platform(クロスマネージドプラットフォーム)」の実証実験を2020年11月に開始すると発表した。この実験の結果を踏まえ、2021年1月に本格提供を開始予定だ。

  • 「X Managed Platform」のサービス提供イメージ

同プラットフォームは、オンプレミスのレガシーなシステムからクラウド上の最新システムまで、幅広いITリソースを統合的に監視・運用する。クラウド上に構築しているため拡張性に優れ、従来はシステム単位にサイロ化していたオペレーションを一元的に行えるため、継続的な品質改善と同時に、オペレーションの柔軟な効率化や自動化が可能になるとしている。

「X Managed Platform」の主な特徴は「統合管理による継続的な品質改善」「ユーザー企業のビジネス展開に合わせた拡張性の高い運用」「運用時の人為的なオペレーションミスの抑制」の3点。

統合管理による継続的な品質改善については、マルチクラウドやハイブリッドクラウドなど個々のリソースが複雑に絡み合うシステムにおいて、ネットワークも含めて全体の構成を把握し、一元的に対応できる。

このため、不具合時の影響範囲や発生原因の特定を素早く実施でき、トラブル対応の長時間化を防ぐことができるほか、運用状況を総合的に把握できるため、必要に応じてICT基盤を増強するなど、継続的な改善が可能。

ビジネス展開に合わせた拡張性の高い運用に関して、同プラットフォームは、環境の拡大や縮小が容易なパブリッククラウド上に構築しているため、ユーザー企業のビジネス展開に応じて迅速かつ柔軟な拡張が可能だ。

運用時の人為的なオペレーションミスの抑制については、故障発生時の通知や原因の一次切り分けなど、頻度の高いオペレーション作業を自動化でき、手作業に比べ人為的なオペレーションミスを抑制することができる。

  • 実験のイメージ

実証実験では、同プラットフォームを使用してマルチクラウド・ハイブリッドクラウド環境に構築した商用システムと通信機器を同社のオペレーターが運用することで、同プラットフォームの実用性と対応時間の評価を行う。期間は、2020年11月から2020年12月までの予定。実験項目は、複数システムの統合監視、トラブル発生時の自動通知、トラブル原因の自動切り分け、トラブル対応時間の評価の4項目。

同社は、10月14日から16日まで開催予定のオンラインイベントである「NTT Communications Digital Forum2020」において、同システムを紹介する予定だ。