日立製作所と日立ビルシステムは9月24日、LINEとの連携により、日立ビルシステムのエレベーターのLINE公式アカウントと友だちになることで、利用者個人のスマートフォンでエレベーターの呼び出しと行先階登録が可能な「LINE連携タッチレスエレベーター呼びサービス」を開発し、10月16日から受付を開始すると発表した。

新サービスは、日立ビルシステムと保全契約を結び遠隔監視を実施している、国内約1.5万台の標準型エレベーターが対象であり、保全契約に含むサービスとして提供する。

行先階の選択画面

両社は2020年4月に、建物内の非接触での移動・生活を実現するタッチレスソリューションを体系化した。具体的には、防犯カメラなどでの顔認証・人流解析や、ハンズフリータグの利用による、建物エントランスからエレベーター、執務室などの専有部までの非接触での建物内移動、コミュニケーションロボットである「EMIEW」による対面業務の代替、サーマルカメラによる発熱者検知などのソリューションを提案している。

今回発表したサービスは、建物内の非接触での移動・生活を実現するというタッチレスソリューションのラインアップを強化するものであり、主に既設エレベーター向けとして、コストをかけずに非接触での利用を実現するソリューション。新設エレベーター向けには、よりシンプルかつスムーズな利用を可能にする非接触登録装置の開発を進めているといい、2020年11月にラインアップへ追加する予定だ。

  • QRコードの読み込みイメージ

同サービスの特徴として両社は、LINEアプリによりエレベーターを呼び出してタッチレスで利用可能、ビルオーナーも利用者も利用しやすいサービス提供形態の2点を挙げる。

エレベーターとのトーク画面

LINEアプリによる呼び出しについて、利用者はまず、エレベーターホールなどに用意したQRコードを読み込み、利用したいエレベーターのLINE公式アカウントを友だち登録する。 実際の利用時には、トーク(メッセージのやり取り)でエレベーターの呼び出しと行先階の登録を行うことで、ボタンに触れずにエレベーターを利用可能。自宅や職場など、利用機会が多い建物のエレベーターのLINE公式アカウントをあらかじめ友だち登録することで、よりスムーズな利用ができる。

サービス提供形態に関して、同サービスは日立ビルシステムと保全契約を結び遠隔監視を行っている標準型エレベーターが対象であり、保全契約に含むサービスとして提供する。 また、日本国内で8400万人以上の月間アクティブユーザーを持つというLINEアプリをサービス基盤としたことで、高いユーザビリティおよび利便性を実現したという。

また、現在開発中の非接触登録装置は、エレベーターホールの乗り場ボタン(上下ボタン)や乗りかご内の行先階ボタンとセンサーを併設し、直接ボタンに触れることなくセンサーに手をかざすことで、エレベーターを呼び出して行先階を登録できるというもの。新設エレベーター向けの有償オプションとして提供する予定であり、既設エレベーターへの設置については個別に対応を検討するとのことだ。