矢野経済研究所は6月23日、国内の5Gおよび関連する産業の5G採用動向を調査し、MNO(移動体通信事業者)4社の5Gサービス契約数、および5G対応スマートフォン出荷台数の予測を公表した。

同調査は、移動体通信サービス事業者(MNO、MVNO他)、携帯電話端末メーカーなどを対象に2020年1月~4月の期間で調査した。調査方法は、同社専門研究員による直接面談、eメールやセミナーでの取材、ならびに文献調査併用だという。

  • 国内移動体通信サービス / 5Gサービス契約数予測

同調査によると、MNO(国内移動体通信事業者)4社の2020年度5Gサービス累計契約数は1,185万契約、また、2020年の5Gスマートフォンの国内出荷台数は1,333万台になると予測されている。この予測に新型コロナウイルスの影響は考慮されていない。

サービスエリアは特定地域での展開に限られ、5Gを体感できる機会は限られるものの、5Gスマートフォンへの買い替えに合わせて5G対応のデータ無制限プランへの加入が見込まれる。しかし、2020年度下期以降に需要の回復は期待できるが、新型コロナウイルスの影響による上期の落ち込みをカバーするには至らない見込みで、サービス初年度の契約数は当初の予測を2割強下回る事も考えられるという。

  • 国内5Gスマートフォン出荷台数予測

2021年度には、サービスエリア拡大がさらに進むと同時に、MVNO(仮想移動体通信事業者:Mobile Virtual Network Operator)事業者による5G商用サービスの開始も期待ができという。また、延期となった東京オリンピック・パラリンピック開催も控えており、通信事業者各社のサービス競争の盛り上がりも考えられ、2021年度の5Gサービス契約数は3,210万契約、2021年の5Gスマートフォン国内出荷台数は2,230万台と予測された。

5Gの特性を有効活用できる映像配信系は、コンシューマ向けサービスに加え、法人向けに於いて教育・研修分野など活用できる領域が広く、需要が大きい。新型コロナウイルスの影響拡大以降、スマートフォンでの動画利用はさらに根付いて来ており、5G環境下での映像体験は5Gサービス普及において充分な訴求力を持つと考えられる。