ソフトバンクとみずほフィナンシャルグループ(みずほFG)は6月19日、新たなライフスタイルに対応した次世代型金融事業における戦略的提携を行うことで合意したと発表した。今回の提携に基づき両社は、レンディング分野、スマートフォン証券分野及び決済代行分野において連携強化の協議を行い、実現を目指す。さらに両社の強みやノウハウを生かして、これら以外のより幅広い分野での協業を検討していく。

これまで両社は、みずほ銀行とソフトバンクによる、国内初というAI(人工知能)スコアレンディング会社であるJ.Scoreの共同設立や、スマホ証券会社の先駆けというOne Tap BUYへソフトバンクとみずほ証券がそれぞれ出資するなど、金融事業において多様な連携・協業を行ってきた。

両社はグループ各社と連携しながら、これまで行ってきた領域について一段と強化すると共に、互いの強みを生かせる分野において協業領域をさらに拡大することで、スマートフォンを軸とした生活シーンと金融事業を融合した次世代型金融事業を創出し、利便性の高い新たなオンラインサービスを通じて、利用客の新たなライフスタイルの実現をサポートしていくとしている。

レンディング分野では、従来の取り組みに加えてより幅広い利用者の生活シーンにおける利便性を高めるという観点から、ソフトバンクのグループ会社であるPayPayと協力し、2020年度内の新サービス提供を目指して検討を進めていく。

具体的には、PayPayユーザーに対してJ.Scoreのレンディングサービスの提供を予定している。

またJ.Scoreは、インドの金融サービス事業者であるPaytmの研究開発部門であるPaytm Labsによる技術協力を受け、サービスのさらなる高度化の実現を目指す。

Paytmは最先端技術を使用した決済サービスを展開しているといい、PayPayへの技術協力も行っているとのこと。

スマホ証券分野では、ソフトバンクの子会社であるOne Tap BUYをソフトバンクとみずほ証券の共同経営体制へと移行し、「身近で親しみやすい」「分かりやすい」というコンセプトの下、これまでの株式売買サービスに加えて投資信託による積み立て投資サービス等のサービスの拡充を行うことで、従来以上に投資未経験者や初心者にも利用しやすい資産形成の場を提供していくとしている。

決済代行分野では、ソフトバンクの子会社であるSBペイメントサービス(SBPS)が展開するネット決済代行機能をみずほグループに提供し、リアル加盟店のEC進出ニーズや法人顧客のEC決済ニーズ・決済手段の多様化に対応して販売機会の拡大を支援できるよう、共同で検討を進めていく。

また、SBPSが保有するAI不正検知ノウハウと、みずほグループが保有する多様な決済・金融データを利用したAI不正検知ソリューションや、安全・簡単な認証サービスの展開などを検討すると共に、それぞれが保有するオンライン及びリアル領域の事業基盤やノウハウを融合した新たなソリューションの開発についても検討を進めていくとのことだ。