米Pure Storage(ピュア・ストレージ)は6月10日、同11日に開催予定のオンラインイベント「Pure//Accelerate Digital」で発表する内容についてメディア向けに事前ブリーフィングを行い、FlashArrayシリーズ搭載のOS「Purity」の最新版「6.0」について説明し、米Pure Storage 戦略部門副社長のマット・キックスモーラー氏が参加した。

Pure//Accelerate Digitalは6月11日の午前10~正午(日本時間)に開催し、すでに世界中で6000人を超える参加者が登録しており、テーマは「モダン・データ・エクスペリエンスを届ける」だ。

キックスモーラー氏は同イベントで発表されるPurityについて「ソフトウェアデザインは、データセンターにおけるハードウェアソリューションやパブリッククラウドに展開でき、エッジ、コア、クラウドにまたがり統合されたストレージ管理を可能としている。これにより、一貫してデータの格納・保護・管理・アクセス・移動をオンプレミス、クラウド、ハイブリッド環境でも実現できる」と説明する。

  • 米Pure Storage 戦略部門副社長のマット・キックスモーラー氏

    米Pure Storage 戦略部門副社長のマット・キックスモーラー氏

今回のメジャーアップデートに関して、同氏は「ActiveDR」と「//FA(FlashArray) Files」について重点的に説明した。

これまで、同社ではローカルプロテクションとしてスナップショットを提供していたほか、同期レプリケーションとしてActiveClusterを提供し、地理的に近い2カ所のデータセンター間のリアルタイムのレプリケーションを可能にしていた。ActiveDRは、地理的に遠い場所でもグローバルにおいて継続的なレプリケーションやゼロに近いRPOを実現しているという。

  • 「ActiveDR」の概要

    「ActiveDR」の概要

キックスモーラー氏は「例えば2カ所のDCに導入すれば双方向のレプリケーションを可能とし、RPOを失うことなくフェイルオーバーをテストでき、追加のコストは発生しない」と、説明する。

一方、//FA Filesはブロック/ファイルのユニファイド対応であり、昨年4月に買収したファイルベースのソフトウェアソリューション開発を手がけるスウェーデンのCompuverdeの技術をベースとし、Purityに統合した。

これにより、マルチプロトコルアクセスに対応したほか、グローバルの重複排除・圧縮、ディレクトリのスナップショット、ディレクトリレベルのメトリクス、保持ポリシー、ブロックとファイルでストレージプールの共有などを可能としている。

  • 「//FA(FlashArray) Files」の概要

    「//FA(FlashArray) Files」の概要

グローバルにおける第1Qの業績

グローバルの業績に関しては、ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長の田中良幸氏が説明した。グローバルにおける2021年度第1四半期の売上高は前年同期比12%増の3億6710万米ドルとなり、うち柔軟なマルチクラウドモデルを含めたサブスクリプションサービスの採用が増加し、売上高は同37%増の1億2020万米ドル、顧客数は7800社に達するという。

  • ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長の田中良幸氏

    ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長の田中良幸氏

  • 2021年度第1四半期の業績ハイライト

    2021年度第1四半期の業績ハイライト

田中氏は「われわれが軸に置いているモダンデータエクスペリエンス戦略に基づく、製品・サービス戦略、差別化、イノベーションへの投資が功を奏している」と話す。

  • モダンデータエクスペリエンス戦略の概要

    モダンデータエクスペリエンス戦略の概要

新型コロナウイルスに伴い、同社では変化するリソースの需要と新しい仕事環境の構築を支援するため、複数のプログラムを発表している。具体的にはPure as a Serviceを50TiB以上、1年契約の新規ユーザーには最初の3カ月間、または2年契約では同6カ月間、無償提供している。

また、シスコと連携し、事前設定したVDIソリューションバンドルをデスクトップ1000台から提供し、FlashArrayとFlashBladeのリモートでのインストールサービス、Pure1モバイルアプリを使用したモバイルシステムの管理と支援などを行っているという。