キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は4月13日、「全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)」に対応したSSL/TLS中継サーバ「EDI-Master B2B TLS-Accelerator」と、新オプション「EDI-Master B2B TLS-Accelerator Extension Pack」の販売を開始した。価格はEDI-Master B2B TLS-AcceleratorがWindows版で20万円~、Linux版が60万円~、EDI-Master B2B TLS-Accelerator Extension PackがWindows版が100万円~、Linux版が150万円~。

2024年のINSネット(ディジタル通信モード)提供終了に伴い、電話回線を使った従来型EDIを利用している企業は、インターネットEDIへの移行を余儀なくされており、全国銀行協会(全銀協)は「全銀手順」や「全銀TCP/IP手順」などの電話回線を使った従来型EDIに替わる通信手順として、インターネット対応の新たな通信手順「全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)」を2017年5月に制定し、移行促進を図っている。

このような中、インターネットEDIへの急速な移行拡大により、サービスベンダーやサーバ側の企業などの大規模EDIシステムを構築する企業においては、接続相手先が増大している傾向がある。また、金融業などのセキュリティに厳しい企業では、クライアントからの接続時にクライアント証明書だけではセキュリティ上に不安があるため、従来の全銀TCP/IPにおける電話番号認証のような多要素認証が求められていたという。

これらの課題を解決するため、EDI-Master B2B TLS-Acceleratorの新バージョンでは大規模なシステムへの対応、セキュリティ機能の強化に対応した。

これまでの32接続から最大128接続まで拡張することで、さらに大規模なシステムでの利用が可能になることに加え、新しいオプション製品であるEDI-Master B2B TLS-Accelerator Extension Packの導入により、全銀センターコードなどの複数のパラメータを条件として、不正な通信元からのアクセスを拒否するフィルタリング機能を利用でき、多要素認証を可能としている。

  • Extension Packのフィルタリング機能

    Extension Packのフィルタリング機能

今後、同社は「EDI-Masterシリーズ」を中核とするEDIソリューション事業で、2025年までに年間売上高25億円を目指す。製造業、金融業、小売・流通業、医薬品業、サービス業などさまざまな業界、業務における同シリーズの導入ノウハウをもとに、パッケージ販売に加え、システム構築から導入・運用支援にいたるまでEDIシステム全般をサポートし、インターネットEDIへの移行を支援していく考え。