新型コロナウイルスの感染拡大に対して厳重警戒のもと半導体の製造を行っているSamsung Electronicsの華城事業所で3月8日23時過ぎに火災が発生。発生から約2時間半後に鎮火されたと複数の韓国メディアが報じている。
火元となったのは半導体のファブからやや離れたところに設置された廃水処理施設で、悪臭を処理する脱臭装置周辺とみられるという。出火原因については現在、消防当局と同社が調査を行っているとしており、同社も、「無人の施設であったため、火災による人命被害や生産被害はなく、平常通り半導体生産は行われている」と説明しているが、韓国の半導体業界関係者からは、排水処理装置の復旧が遅れれば、生産にも問題が生じる可能性があるとの懸念もでている。
火災があった華城事業所は、新設されたEUVリソグラフィ専用棟V1ラインにて7nmプロセスを採用したモバイルプロセッサの生産を始めたばかりの基幹拠点であるものの、2019年末にも停電事故により生産ラインの稼動が中断し、生産や出荷に支障をきたしたことがある。