仏Yole Développementは、車載イメージングの市場動向に関する最新の調査結果を公表した。それによると、車載CMOSイメージセンサは2018年に1億2400万個が出荷され、車載カメラモジュールの売上高は30億ドルに達したほか、年平均成長率11%で今後も成長を続け、2024年には57億ドルに達し、カメラモジュールを含む車載イメージングシステム全体も、同12.1%で成長し、2024年には2018年のほぼ倍増となる87億ドル規模にまで成長するという。
過去5年ほど車載イメージング市場は、「リアビュー(バックカメラ)」、「サラウンドビュー」、「ブラックボックス(ドライブレコーダー)」など、人の目が映像を確認する(viewing) アプリケーションが成長をけん引してきた。中でもADAS向けカメラは、現在の車載イメージングビジネスの40%を占めており、今後も採用率が高まるため、しばらくは成長が期待できるとYoleでは見ている。
イメージングシステムのサプライヤにとって、スマートフォン市場が好調であったこともあり、自動車産業はそれほど魅力的な市場ではなかった。しかし、スマートフォン市場にブレーキがかかった現在、安定的に成長が見込まれ、かつ売り上げの規模も出荷数量もスマートフォン市場とそん色ないほどのレベルが期待できる同市場は重要な市場へと変貌しつつある。特にADAS向けイメージング市場は、車外の状況把握に加え、キャビンの中での活用(ドライバーモニタやジェスチャ認識)に向けた用途開発も進められており、今後もさまざまなアプリケーションが生み出されていくことが期待されている。ただし、注意するべきは、そうした新たなアプリが生み出されたとしても、自動車メーカーが実際に新車として搭載するためには、少なくとも3~5年ほどかかるため、そうしたギャップを考慮する必要があるとYoleでは指摘している。