オン・セミコンダクターは、4月17日~19日にかけて、千葉県・幕張メッセにて開催されているものづくりエンジニアのための展示会「TECHNO-FRONTIER 2019(テクノフロンティア2019)」において、エンジニアの開発負担を軽減する共通評価プラットフォーム「Strata Developer Studio」のデモなどを行っている。
Strataは同社製品の評価や、それを用いた開発の初期段階をサポートすることを目的としたクラウドベースの開発プラットフォーム。同社Webサイトより無償のソフトウェアをダウンロード/インストールすることで利用が可能となるもので、今後、同社から提供される評価ボードはすべて、対応していく予定だという(2019年内に100品種程度に対応する計画)。
使い方は簡単で、ソフトウェアを起動した状態で対応評価ボードを接続すると、自動的にプラグアンドプレイで何の評価ボードかを判断。それにあった開発画面を表示してくれる。また、クラウドベースであるため、ドキュメント類などは常に自動的に最新のものにアップデートされたものを確認できるという利点もある。
会場にて披露されていたデモとしては、「LED電源ソリューション評価ボード」、「デュアル100W USB-PD 車載用充電システム評価ボード」、「GUI制御付 多機能ロジックゲート評価ボード」、そして「USB AC-DC 4ポート 200W電源 評価ボード」となっている。
擬似グローバルシャッターなイメージセンサ
このほか、同社ブースでは自動車分野や産業分野で強みを見せているイメージセンサや、超低消費電力が売りのBluetooth Low Energy(BLE)マルチセンサプラットフォームの紹介なども行われている。
イメージセンサとしては、主に2種類がデモを披露している。1種類目は、IIoT用マシンビジョン向けイメージセンサ「XGSファミリ(X-Class CMOS image sensor platform)」で、20mm×20mmのイメージセンサを29mm×29mmのカメラヘッドボードと組み合わせたモジュールによる実機デモが行われている。XGSファミリは、5M/8M/9M/12M/16Mピクセルの5製品が用意されている。
もう一方のイメージセンサは開発途中のもので、ハイスピード・ローパワーを提供する「ARX3A0」。最大360fpsの撮像が可能であるため、ローリングシャッター方式ながら、擬似グローバルシャッター方式とでも言うような撮像が可能なほか、最大有効撮像領域から任意の箇所を切り出すマルチROIといった機能に対応。また、フォーカスエリアを指定し、その範囲内に何か動くものを検知した場合、後段のロジック部にウェイクアップ信号を送り、画像の処理を行わせるといったことも可能であり、120fpsで64mWという低消費電力性と組み合わせることで、監視カメラなどでの低消費電力化の実現を図ることを可能にするとしている。製品自体は2019年中に正式なアナウンスが行われる予定だという。
BLEとしては、Bluetooth 5認証済みの無線SiP「RSL10 SiP」を搭載したセンサ開発キットのデモが行われている。RSL10 SiPは太陽電池のみで動作することが可能な低消費電力性が売りで、会場では、加速度、角速度、磁気、温湿度の各センサが取得したデータをスマートフォンに送信。さらにスマートフォンからクラウドへ送り、そこで各種データを見える化する形でモニタに表示する、といったことを行っていた。
その超低消費電力性能からエナジーハーベストによる機器のトランシーバとしても活用が期待されていることから、太陽電池のみならず、低リークな小型蓄電池などと組み合わせることで、さまざまな用途が期待できるようになるとしていた。