日本ソフト開発とクロイ電機は12月20日、京セラコミュニケーションシステム(以下、KCCS)が提供するグローバルIoTネットワーク「Sigfox」を活用し、京都・丹波ワイン協力のもと、ブドウ農園の栽培環境モニタリング実証実験を開始したことを発表した。実施期間は11月14日~2019年1月31日まで(予定)。

  • Sigfoxを活用した総合モニタリング環境

    Sigfoxを活用した総合モニタリング環境

高品質なブドウ収穫のためには、外気温湿度、日射量に加え、土壌温度、土壌水分値の適切な管理が必要であることから、センサやIoTを活用して栽培環境を総合的にモニタリングできる環境の整備が求められている。

近年、農業の環境計測においても3G・4G(LTE)などのモバイル回線、Wi-Fi・920MHz帯特定小電力無線などの無線技術を活用したIoT/ICT技術の導入が進んでいるが、導入・運用コストなどの費用対効果や通信距離の問題など、普及までにはさまざまな課題がある。

この実証実験は、Sigfox通信機能を搭載したセンサデバイスで温湿度を計測、Sigfox通信機に接続された日射計で日射量、土壌センサで土壌温度、土壌水分値を計測し、農業IoTクラウドサービスとの連携により、データの蓄積、可視化、予測、アラート等の検証を行うもの。

特別な環境を構築することなく低価格で利用できるSigfoxネットワークを活用することで、設置場所を選ばず、低消費電力かつランニングコスト低減を実現したブドウ農園の総合モニタリング環境を構築する。

今回通信に利用するSigfoxネットワークは、IoTに特化して開発・普及が進んでいるLPWAネットワークのひとつで、低コスト・低消費電力・長距離伝送が特長。

実証実験は、ブドウ農園やワイナリーを経営する丹波ワインの協力を受け実施し、Sigfoxネットワークを活用した京都府内初のブドウ農園栽培環境モニタリングの実証実験となる。

なお、同実験に協力する丹波ワインの農園で収穫されるブドウは、隣接するワイナリーでワインとして醸造されている。実際に課題を抱えている農家が利用しながら実証実験に取り組み、収量予測、施肥の最適化等、農業現場で具体的に効果を発揮するソリューションの実用化を目指すということだ。