Googleは4月18日に記者向けの説明会を開催し、Google Cloud のデータ分析基盤である「BigQuery」について、東京GCPリージョンでの提供を開始したと発表した。

「BigQuery」とは、クラウド上で提供される分析に特化したデータベース。SaaS型フルマネージドサービスなので、利用企業は構築や運用に人的リソースを割く必要がなく、分析に集中できるという。また、利用料金はデータ量に応じた従量課金制であるため、大きな初期投資を行う必要がなく、スモールスタートが可能だ。

Google Cloud Platformは、すでに世界中15カ所に拠点を設けており、現在も4カ所で建設が進められている。東京GCPリージョンは、2016年11月に開設された拠点だ。同拠点では、「Cloud Storage」や「Compute Engine」「Interconnect」など、さまざまなサービスを提供しているが、今回新たに「BigQuery」がラインアップに加わった。

  • Google Cloud Platformのグローバル拠点

    Google Cloud Platformのグローバル拠点

Google Cloud カスタマーエンジニアの寳野雄太氏は「企業のポリシーとして、機密データは国内だけで取り扱わなければならないと決められているケースも少なくありません。東京GCPリージョンにBigQueryが加わったことで、データの活用機会が拡大するでしょう」と利点を説明する。

そのほか、直近のアップデートと関連して、クラウドへの専用線接続「Innterconnect」やプライベートな通信スペース「VPC Service Control」と組み合わせることで、パブリックなネットワークを介さずに、オンプレミスの環境からクラウドと連携できるようになることもメリットだという。

  • Google Cloud カスタマーエンジニアの寳野雄太氏

    Google Cloud カスタマーエンジニアの寳野雄太氏

同社は、パブリックリリースを行う前に、一部の顧客へアルファテストを実施している。今回の説明会ではテストに参加したみずほ銀行の担当者が登壇し、実証実験の内容を紹介した。

みずほ銀行 個人マーケティング推進部 参事役 シニアマネージャーの黒須義一氏は「我々は、オンプレミスによる基盤を構築していましたが、データ分析業務の高度化・効率化が求められるようになってきたこともあり、今回、BigQueryのアルファテストユーザーとしてPoCを実施しました。従来のオンプレミスでは、計算リソースの上限が決まっていたため、1日に実行できるタスク量が限定的でしたが、BigQueryを使うことで上限が解放され、分析者の手を動かす時間を短縮できたのです」と参加の経緯とPoCの効果を語る。

  • みずほ銀行 個人マーケティング推進部 参事役 シニアマネージャーの黒須義一氏

    みずほ銀行 個人マーケティング推進部 参事役 シニアマネージャーの黒須義一氏

みずほ銀行 IT・システム統括第一部 戦略情報基盤システム推進チーム 調査役の家村育民氏は「通常は処理数を増やせば増やすほど、処理時間は比例して増加していくのですが、BigQueryは処理の多重度が上がっても、性能が維持された点が一番のストロングポイントだと感じました」とPoCを評価した。

  • みずほ銀行 IT・システム統括第一部 戦略情報基盤システム推進チーム 調査役の家村育民氏

    みずほ銀行 IT・システム統括第一部 戦略情報基盤システム推進チーム 調査役の家村育民氏

  • PoCの結果

    PoCの結果