武藤工業は、高画像デジタルカメラで対象物の周辺を撮影し、ファトグラメトリー(写真測量)の技術を応用して撮影した写真画像から3Dデータを作成する3Dスキャナー「MS-600N/PX」の受注を開始した。標準本体価格は250万円(税別)。
「MS-600N/PX」は、同時シャッターユニットで撮影間隔や回数を任意に設定でき、回転速度が安定した回転テーブル(同梱)により、対象物を確実に撮影できる同社開発のスキャナーユニット。撮影に要する時間は60秒、撮影範囲は100mm角~400mm角だが、標準仕様では2台のカメラを増設すれば、最大600mm角まで対応可能となっている。また、撮影に必要な照明やブルーバックカーテンも標準でパッケージ化されている。
同製品は、カメラの視点を変えながら撮影した複数の画像から、そのシーンの3次元形状とカメラ位置を同時に復元するStructure from Motion方式で測定。精度はスキャン対象物と比較して±0.2%。大きさはW650×D300×H1,710mm(キャスター部分含む)、本体重量は約40kg(カメラは含まず)となっている。
工業用途におけるスキャナーは一般的に、図面の無い実在するものを3Dデジタルデータとして取り込み、CAD化する事に活用されているが、同製品の活用事例のひとつとして、貴重な文化財や美術・工芸品などを3Dデジタルデータとして記録・保存するという用途が挙げられるという。また、そのデータを利用して復元部品を製作し修復したり、欠損部位を支える治具部品製作などに活用したりすることもできるという。