アイ・ティ・アール(ITR)は7月25日、国内サービスデスク/インシデント管理市場規模推移および予測を発表した。これによると、2016年度の同市場は32.4%増と成長し、2021年度は99億円を予測している。

サービスデスク/インシデント管理市場規模推移および予測 資料:アイ・ティ・アール

サービスデスク/インシデント管理製品は、サービスデスク機能とインシデント管理の実行を支援する製品で、インシデント/問題の集約、記録、優先づけ、追跡、管理などの機能を備えている。2016年度は野村総合研究所による大口案件獲得などにより、前年度比32.4%増の成長となり、今回運用管理市場として調査した19分野の中で最も高い伸びを記録したという。

2017年度も高成長を示しているベンダーが多く、同15.1%増と拡大が予想されている。同市場の成長の背景には、ITシステムの複雑化に伴い、旧来のサービスデスク/インシデント・システムの見直しが迫られていることがあるほか、ZendeskやServiceNowなど、市場では後発ながらSaaS形式で提供するベンダーの躍進も市場の活性化をもたらしているという。

同市場の2016~2021年度のCAGR(年平均成長率)は8.8%の伸び率を見込んでおり、2021年度には市場は99億円となると予測している。

同社のプリンシパル・アナリストである金谷敏尊氏は「サービスデスク/インシデント管理市場は技術革新が起こりにくい分野と見られてきたが、ここへきて高度なUIとコラボレーション機能を備えたツールが台頭し、新たな需要層を開拓している。加えて、企業における大規模リプレースのニーズが顕在化したことが市場成長に寄与していると見られる」とコメントしている。