大日本印刷は10日、クレジットカードや電子マネー等の複数の決済手段や共通ポイントなどが利用でき、その情報を一元管理できる「DNPマルチペイメントサービス」を同日より開始すると発表した。
「DNPマルチペイメントサービス」は、多様な決済手段にワンストップで対応可能、かつ決済情報と顧客情報をセキュアな環境下で統合管理するもの。国内外でクレジットカードや電子マネー、モバイル決済や仮想通貨等のキャッシュレス決済、共通ポイント等の顧客向けサービスの多様化によって、各種端末の設置負荷などが課題となっていることから、同サービスの開発・提供に至ったという。
複数の決済手段に対応する場合、決済サービス事業者ごとに回線を接続する必要がある。しかし同サービスを利用する企業は、各事業者と接続済みのゲートウェイを利用できる。これにより、企業が個別に複数の事業者と回線接続を行う必要はなくなり、店舗に各種決済サービスを短期間で導入できる。
また、売上集計、請求予定データの確認など、決済サービス事業者ごとに必要となる決済情報の処理を、一元管理して行える。取引実績のクラウドサーバーからの一括取得や、Webサイト上でリアルタイムに更新したデータの閲覧も可能で、店舗の決済処理業務の負荷を軽減する。
同サービスで扱う決済情報は、クレジットカード番号取り扱い事業者に求められるセキュリティ基準「PCIDSS(Payment Card Industry Data Security Standard)」に準拠したDNP柏データセンターで集約・管理する。サービス導入企業が独自にシステムを構築・運用する場合と比較して、PCIDSS対応に関わる業務負荷や費用の削減が可能だという。
なお、同サービスは、静岡鉄道が発行するIC乗車カード「LuLuCa」で先行導入され、電車やバスの利用に加えて、静鉄グループのショッピングセンター・食品スーパーで利用が可能となっている。静岡鉄道では、同サービスについて「今後は地域独自の決済手段として、他企業との連携や個人店舗への導入、シニア向けカード等の発行なども検討していきたい。開発の柔軟性や拡張性への対応などが魅力だ」とコメントしている。