NTTデータは11月10日、中国・吉林市において、吉林市と同市現地企業となる吉林市伯瑞信息技术有限公司と協力し、ビッグデータを活用した渋滞予測・信号制御シミュレーションの実証実験を開始した。

同実証実験は、2014年11月から12月の二カ月間、車載端末を通じて収集されたバス車両165台のプローブ情報と道路・交通量調査の統計情報を組み合わせて渋滞予測・制御シミュレーションを実施。吉林市の交通渋滞改善に向け、渋滞緩和につながる最適な信号パラメーターを生成し、吉林市中心部の信号機約100カ所に反映する。

交通シュミレーションによる信号パラメーター最適化イメージ

効果検証では、バス移動時間・運行時間間隔・交差点待時間などを信号制御最適化前後で比較することで、渋滞緩和とバス運行の円滑化効果を評価し、バス運行時間の遅れを約2割改善することを目指す。

本実証実験の成果は、2015年初旬に発表予定となり、実験で得た結果を基に交通管理ソリューションを実用化。日本国内および世界各国への展開など、スマートシティの実現に向けた取り組みを推進していく。

なお、同社はかねてより、吉林市と吉林市伯瑞信息技术有限公司と協力し、ビッグデータを活用した大規模交通シミュレーション技術の有効性を検討してきたという。その結果、渋滞予測結果に基づいた信号制御最適化による交通渋滞緩和の有効性が認められたため、吉林市中心部を対象エリアとした実証実験を行うことで、吉林市と合意に至った。