東京工業大学学術国際情報センターは7月1日、NEC、米NVIDIAなど内外各社の協力で開発したスーパーコンピュータ「TSUBAME-KFC」が、「The Green 500 List:スパコンの電力性能(速度性能値/消費電力)を半年ごとにランキングしているリスト」の6月版で、1ワット当たり4,389.82メガフロップスを記録し、6月30日(ニューヨーク現地時間)に再び世界最高の省電力スパコンとして認定されたと発表した。

2013年11月版に引き続き2期連続での1位となった。あわせて、ビッグデータ処理の省エネルギー性を競うために昨年から始まった「The Green Graph 500 List」のビックデータ部門でも世界第6位を獲得している。

また、昨年9月にアップグレードされた同センターのスパコン「TSUBAME2.5」も1ワット当たり2,951.95メガフロップスを記録し、「The Green500 List」で世界第8位にランキングされている。

「TSUBAME-KFC」

「TSUBAME2.5」

TSUBAME-KFCは、同センターが推進する文部科学省概算要求「スパコン・クラウド情報基盤におけるウルトラグリーン化技術」プロジェクトによって設計・開発されたもので、プロジェクトではスーパーコンピュータの消費電力とそれに係る冷却電力の双方の削減を目標として設計された。

具体的には、計算ノードを循環する油性冷却溶媒液の中に計算機システムを浸して冷却する油浸冷却技術及び冷却塔による大気冷却の組み合わせによって非常に少ない消費電力で冷却できる。

システムは40台の計算ノードとそれらを接続するFDR InfiniBandネットワークで構成され、各計算ノードは1UサイズのサーバにIntel Xeon E5-2620 v2プロセッサ(Ivy Bridge EP)を2基、NVIDIA Tesla K20X GPUを4基搭載し、非常に高密度となっている。

また40ノードを1つの油浸ラックに収容するコンパクトな設計で、システム全体の理論ピーク演算性能は217テラフロップス(倍精度)となる。