Infobloxは6月12日、オープンソースのSDNスイッチ「LINCX」の提供開始を発表した。同日よりFlowForwading.orgプロジェクト公式Webサイトで無償ダウンロードできる。

LINCXは、専用のハードウェアを不要としており、市販の物理サーバーか仮想Linuxサーバー、Xenサーバーなどで利用できる。Erlangプログラミング言語で記述されており、柔軟で可用性が高く、拡張性が非常に高いシステムを構築できるように設計しているという。

ディープパケットインスペクション(DPI)やプロトコルのサポートはLINCXで完全にプログラム可能であるため、ネットワーク要件の変化に対応して動的にスイッチングを調整できる。

DDI製品を取り扱うInfoblox

Infoblox カントリーマネージャー 露木 正樹氏

創設者 兼 最高技術責任者(CTO) スチュアート・ベイリー氏

Infobloxは都内で記者会見を開き、カントリーマネージャーの露木 正樹氏、創設者で最高技術責任者(CTO)のスチュアート・ベイリー氏が同社の事業アップデートを行なった。

InfobloxはDDI(DHP DHCP IPアドレスマネジメント)市場で40%以上のシェアを持ち、米ガートナーが「マーケットリーダー」との評価を与えている。

「Infoblox Grid」では、これまで多くの企業がスプレッドシートで管理してきたIPアドレスをソリューションで管理することで、管理・運用が容易になるだけではなく、セキュリティ面でも大きな役割を果たす。

露木氏は、「DNS、DHCPが止まったら、メールが届かず、iPhoneがろくに使えない。デスクトップの仮想化など、オフィス環境下だけでも、一人が持つIPアドレスはどんどん増えている。これを一括管理していこうというのがInfobloxだ」と話す。

セキュリティ面でいえば、サポート切れのWindows XPが企業のリスク管理の中で排除したいデバイスだが、露木氏は「DHCPのフィンガープリントによって、OSバージョンを識別、IPアドレスの払い出しを止めることができる」と語る。これは、スマートフォンなどでも同じ話で、BYODなどで社員が会社に持ち込むスマートフォンの接続を排除することができるという。

青山学院大学や東北学院など、教育の場でも「Infoblox Gridの導入が進んでいると事例を紹介した上で「これからIPアドレスが減ることはない。DDI市場規模は今後も拡大するし、こうした製品を導入することでIT担当者の負担が軽減できる」と話していた。