IDC Japanは10月8日、国内データセンターネットワーク機器市場動向を発表した。

発表によると、データセンターに導入されたイーサネットスイッチ、レイヤー4-7スイッチ、WANアプリケーション配信、InfiniBandからなる国内データセンターネットワーク機器市場は、2012年も前年比成長率20.8%と高い成長を続け、市場規模は668億3900万円になった。

2012年のデータセンターネットワーク機器市場は、いずれの製品分野も前年を上回る売上額になったが、主要な製品分野の1つであるデータセンター向けイーサネットスイッチ市場は大きく成長した。同市場で高いシェアを有するシスコシステムズが、高い成長率で売上を伸ばし、同市場2位のブロケード コミュニケーションズ システムズもファブリックソリューションの好調な販売を背景にして、非常に高い成長率で売上を拡大しシェアを伸ばした。

IDCでは、今後もコンテンツ事業者やクラウド事業者、データセンター事業者による継続的なサービス設備への投資が、データセンターネットワーク機器市場の成長を主導するとみており、2012年~2017年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は、4.7%と予測している。

また、データセンターネットワーク機器ベンダーは、ITプラットフォームやデータセンターネットワークに応じた機器や技術、機能の進化に対して、単一の方向だけでなく、複線的なアプローチによる変化を続ける必要があるとし、そのような変化において、IDC Japanコミュニケーションズ シニアマーケットアナリストの草野賢一氏は、「新たなITプラットフォームのアーキテクチャに対応するだけではなく、従来型のデータセンターネットワークアーキテクチャやITリソース環境に対してもより効率的で容易な運用管理性を提供できる従来型ネットワーク機器を進化させることも、ネットワーク機器ベンダーの重要な役割である」とコメントしている。