SAPジャパンは9日、同社のデータベース事業戦略についてのプレス向け説明会を開催。同社のインメモリソフトウェア「SAP HANAプラットフォーム」を、SAPのリアルタイム・データ・プラットフォームの核として、サイベース製品の融合を図り、データベース市場に本格参入するとした。

SAPジャパン 代表取締役社長 安斎富太郎氏

SAPジャパン 代表取締役社長 安斎富太郎氏は、同社が注力する5つの事業分野である「Application」「Analytics」「Mobile」「Database&Technology」「Cloud」を改めて列挙し(これらについてはこちらの記事を参照)、「現在、データベースそのものがビッグで複雑になっており、データベースを一元管理しないと、Analytics、Mobileはできない。簡素化しなければならなければならない一番の領域がデータベースだ」と述べた。

SAPがサイベースを買収したのは、2010年7月のことだ。これまでは、別会社として存在し、共存関係にあったが、4月1日付けでSAPジャパンのHAHAおよびTechnology営業部門とサイベースのアイエニウェア・ソリューションズの営業部門を統合し、SAPジャパン内にデータベース・テクノロジー営業統括本部を創設している。

サイベース 代表取締役社長 早川典之氏

これについて、サイベース 代表取締役社長 早川典之氏は「サイベースで10年以上、データベース事業を進めるなか、なかなか大きくならなかったが、SAPの買収によって大きな道を切り開くチャンスができた。昨年両社は共存していたが、今年は第二章として事業を統合していく。今後は製品統合を進めていくが、まずは営業部門を統合して販売を強化し、シナジー効果を出していく」と述べ、将来的には会社も統合する意向であることを明らかにした。

SAPジャパン内にデータベース・テクノロジー営業統括本部を創設

そして同氏は、Sybase ASEのTCOが他社DBに比べ28%程度低いことを強調し、「SAP Business Suiteの新しいバージョンが出るときに、他社製RDBMSをサイベースに切り替えてもらうことで、TCOを削減できる。今後、すべてのサイベース製品基盤をSAP HANAプラットフォームに実装していく。これによりユーザーは用途ごとにDBを購入することなく、HANAの基盤の上にすべての製品を実装でき、目的に応じたDBを自由に選択できる。とくに今年はビッグデータが大きなマーケットになっており、ここにシフトすることで大きな需要が期待できる」と述べ、当面はSAPおよびサイベース製品のインストールユーザーを対象に営業活動を展開していくとした。

SAP Business Suiteの既存ユーザーに対するDBの置き換えがターゲット

サイベース製品のSAP HANAプラットフォーム実装では、上図のことが計画されている

また、SAPでは、SAPデータベースの採用支援施策および投資施策として、SAP HANAの定価を切り下げ、初回発売時から半額以下に設定するほか、SAPデータベース採用支援として約270億円のファンドと、SAP HANAリアルタイムベンチャーファンド(約125億円)を創設する(なお、ファンドの金額はいずれもグローバルでの総額)。