「いったんネットワークを構築したらトラブルなく安定的に稼働して欲しい」――システム関係者ならだれもが描く理想だが、これはやはりファンタジーである。ネットワークが稼動していくうちに、何らかのトラブルが発生することは不可避。ネットワークを構成するネットワーク機器は、故障が発生する可能性をゼロにすることはできない。どんなに高価な機器を導入しても、故障するときは故障する。

ネットギアジャパン社長 杉田哲也氏

ネットワークを安定的に稼働させるためには、ハードウェア故障などのトラブルのときにどのような対応を取るかをきちんと考えておくことだ。そのためには、いざ機器が故障した時に、代替機の手配などネットワーク機器メーカのサポートが重要になる。

ネットギア製品の導入を考えているネットワーク管理者は、機器の特徴や機能だけではなくサポート体制にも大いに興味があるだろう。今回は、ネットギアジャパン社長 杉田哲也氏に伺ったサポート体制について紹介しよう。

ネットギア製品のサポート体制

まずは、ネットギア製品のサポート体制の概要を見ていこう。ネットギア製品のサポートは、追加の料金が必要ない標準のサポートと有償サポートがある。

  • 標準サポート
  • ライフタイム保証
  • 有償サポート
  • クイックデリバリー
  • オンサイトサポート

このようなサポート体制の理由は、「どの程度のサポートが必要かはユーザによって異なるので、標準のサポートと有償サポートをユーザが選択できるようにしている」(杉田氏)とのことだ。

ネットワーク機器が故障しても、その故障がネットワークの稼働にそれほどクリティカルな影響がなければ標準サポートで十分。しかし、ネットワークの稼働にクリティカルな機器であれば有償サポートを検討することも必要になるだろう。

では、標準サポートと有償サポートで具体的にどのような違いがあるのか。詳しく見ていこう。

標準で無期限保証

ネットギア製品の標準サポートは「ライフタイム保証」になっている。2007年11月1日以降に購入した製品であれば、ネットギアで故障を確認した後、交換してもらえる。

一般的なメーカのサポート契約は3~5年の制約があるのに対し、ネットギアのライフタイム保証には「期限も回数制限もない」(杉田氏) という。一度、ネットギア製品を購入すれば、文字通りずっと使い続けられるというわけだ。

ただし、機器の交換にはある程度の時間は必要だ。「故障した製品を送っていただいて故障を確認してから代替機の配送なので、1週間程度かかる」というサポート内容になっている。

もっとも、「それでは困る、故障したらすぐに代替機を送ってもらいたい」というユーザもいるはずだ。そんなユーザに対しては、「有償のクイックデリバリーサービスやオンサイトサポートを用意」(杉田氏) し、ユーザの選択肢を増やしている(詳細は後述)。

したがって、1週間程度であれば、他の機器を代用できるようなネットワークであれば標準のライフタイム保証で、すぐに代替機が必要なネットワークであれば有償のクイックデリバリーサービスやオンサイトサポートを利用することになるだろう。

ライフタイム保証はユーザにとって安心できるものでありがたい。しかし、立場を変えて考えてみると、「もし、故障が頻発してしまったら、ネットギアは大丈夫なのだろうか」と心配にもなった。その点について話を振ると、杉田氏は次のように答える。

「ネットギア製品では共通化されたハードウェアを利用しているので、ハードウェア的なトラブルというのは実はそれほど多くないんです。ハードウェア制御のシンプルな機能だけのローエンド製品でトラブルが発生するのは非常にレアなケース。どちらかというと、問い合わせがあるのは、複雑な機能を有するハイエンド製品のソフトウェアトラブルですね。そういったソフトウェアのトラブルもファームウェアのアップデートで解消できます」

機械なので、ある一定確率の故障はさけられないものの、ライフタイム保証の提供は、製品品質に対する自信の表れだろう。

※ ライフタイム保証の対象製品の詳細は下記URLを参照
http://www.netgear.jp/support/info/lifetimewarranty.html#products