年頭所感

マイクロソフト 代表執行役 社長 樋口泰行

新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

当社にとっての 2010年は、ご好評をいただいたWindows(R) 7の企業導入が進んだほか、Office 2010を市場投入するなど、おかげさまで製品に恵まれ、充実した一年となりました。日本全体としては、景気が回復局面に入り、小惑星探査機はやぶさの帰還や日本人科学者のノーベル賞受賞など、引き続き日本の科学技術が優れている事を証明する明るいニュースがあった一方で、日本が世界に伍していくために、経済だけでなく、人材や政治の面などでは、一層情熱を持って真剣に取り組んでいかなければならないことが顕在化した年でもあったと感じています。

各企業では、内需が伸びない中で、海外市場へ活路を見いだす動きが増えています。各国市場にまたがるグローバル経営を実現するには、ビジネスプロトコルの共通化や、異なる文化を超えたコラボレーションが不可欠ですが、当社は幅広いIT製品群により、引き続き共通の情報共有基盤の整備を支援していきたいと考えています。

クラウドコンピューティングは、柔軟な事業運営が求められる現在の経済環境における実効的なソリューションとして引き続き注目を集めるものと見ています。当社が提供するクラウドサービスは、現在利用中の既存システムとの連携や、既存資産の移行性に優れる事に加え、オンプレミスから、プライベートクラウド、パートナークラウドおよびパブリッククラウドと、クラウドの価値を多様な形態で提供できるという他社に無い強みを備えており、お客様、パートナー様の多様なニーズに応えていくことができるものと自負しています。昨年は、クラウドOSであるWindows Azure(TM)を提供開始した他、合計650社が当社のクラウドパートナーとなった事に加え、日本のお客様向けに24時間×7の無償サポートを提供開始するなど、まさに「クラウド元年」になったと手応えを感じています。本年も、Office365の提供をはじめ、クラウドのパワーを引き出すデバイスとしてのWindows PhoneやスレートPCなどの取り組みを含め、パートナー様との連携を基軸に、クラウドに一層注力していきます。

また、身振り手振りでゲームを楽しむことができる新たな操作デバイスとして、Xbox 360(R)向けにKinect(TM)を昨年発売しました。この技術は、ビジネスや手話通訳など、幅広く活用できる可能性を秘めており、個人的に期待もしています。是非、皆様にも試していただきたいと考えています。

当社は、設立25周年を迎える本年2月1日より、都内オフィスを品川へ統合移転するとともに「日本マイクロソフト株式会社」として新たなスタートを切ります。日本に根付き、社会に貢献できる企業を目指し、社員一同なお一層努力していく所存ですので、本年も、一層のご支援、ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。