米Salesforce.comの会長兼CEOのマーク・ベニオフ氏

セールスフォース・ドットコムは10月5日・6日の2日間にわたり、東京都内でプライベートカンファレンス「Cloudforce 2010 Japan」を開催する。今年は両日、米Salesforce.comの会長兼CEOのマーク・ベニオフ氏が基調講演を行う。テーマは「Welcome to Real Cloud Success!」。以下、5日に行われた基調講演の模様をお届けしよう。

ベンダーがプライベートカンファレンスを開催する場合、それに合わせて大きな発表を行うのが定番である。昨年のCloudforceでは、mixiの「mixiアプリ」と「Salesforce CRM」を連携した企業向けサービスの提供開始が発表された。

今回の目玉は東京にデータセンターを設立するという話だ。新データセンターの構築はNTTコミュニケーションズと協業の下で行われ、2011年中に稼働が開始される予定となっている。両社はこれまでにVPN経由でSalesforceを提供する「Salesforce over VPN」において提携している。

NTTコミュニケーションズ 代表取締役副社長 海野忍氏

基調講演にはNTTコムの代表取締役副社長の海野忍氏がゲストとして招かれた。海野氏はセールスフォースとデータセンターの契約を締結するにあたり、「セキュリティの要件が厳しかった」と説明した。

NTTコムを選んだ理由については、「データセンターを構築するにあたり、日本に限らず、アジア諸国の業者も対象に検討を重ねた。その結果、能力やセキュリティからNTTコミュニケーションズを選んだ」と、ベニオフ氏は述べた。

ベニオフ氏はこの時期に日本国内にデータセンターを設立することにした理由について、「郵便局、数日前に発表したばかりのファーストリテイリングなど、日本でも大規模なユーザーを抱える顧客企業が増えているほか、エコポイントのシステム構築など、政府関連の仕事も多い。こうした状況を踏まえ、ローカルにデータセンターを持つことの必要性を感じた」と説明。

もともとデータを手元に置いておきたいという気持ちが強い日本企業は欧米の企業と異なり、データセンターを利用する場合に所在地が国内であることにこだわる傾向がある。例えば、災害発生時、データセンターが国内にあれば駆けつけることができる。

クラウドベンダーの代表格であるGoogleとAmazon.comは日本国内にデータセンターを持っておらず、国内ベンダーに対し「われわれは国内にデータセンターを持っていますから」というセールストークを与えてしまっている状況だ。

こうした状況を考えると、顧客層が異なるとはいえ、クラウドベンダーという括りではライバルであるGoogleとAmazon.comに対し、セールスフォースは日本において一歩差をつけたと言ってもよいだろう。

衆議院議員 原口一博氏

政府の関係者として、元総務大臣で民主党衆議院議員の原口一博氏が壇上に招かれた。同氏は同社のデータセンターを見学したこともあるという。ベニオフ氏によると、今年5月に原口氏と対談し、「真のクラウドベンダーとして日本にデータセンターを構築してほしい」と言われたことも、今回のデータセンター構築のきっかけだったという。

原口氏は「2015年までに光の道を作ろうとしている。そして、ICTによってイノベーションを起こし、すべての産業の生産性を3倍に向上する。その中心となるのが、情報を結び付け、共有することを可能にするクラウドだ」と、日本政府のICTへの取り組みについて語った。