トヨタ自動車(以下、トヨタ)は5月21日、米テスラモーターズ(以下、テスラ)に対して総額5000万ドルの出資を行うとともに、電気自動車とその部品開発や生産システム、関連技術について業務提携すると発表した。
テスラは米国市場において、唯一高速道路走行に対応するとされる電気自動車「ロードスター」を生産、販売しており、すでにヨーロッパやアジア地域も含めて1,000台以上を販売しているという。また、テスラは全世界をカバーするサービス網も有している。
トヨタはすでに家庭での充電も可能なPHV(プラグイン・ハイブリッド車)の販売を開始しており、2012年には電気自動車を発売する予定だが、両社の具体的な提携業務の内容や対象範囲などについては、今後専門のチームを組織した上で検討されることになる。
今回の提携に際してトヨタの豊田社長はテスラについて、「高い技術力、モノづくりにかける強い思いやひたむきな姿勢に、テスラの無限の可能性を感じた。ベンチャー企業であるテスラから、チャレンジ精神や意思決定のスピード、柔軟性を学び、かつてベンチャー企業として生まれたトヨタにあった精神を思い起こし、新たな未来に向けチャレンジしていきたい」というコメントを発表している。
またテスラのCEO イーロン・マスク氏はトヨタについて、「サスティナブルモビリティの実現に向けたコミットメント、たゆまぬ技術革新、品質向上を実践する会社である。その会社がテスラとの提携・出資を選んだことは、テスラにとって大変光栄であり、我々の技術力に対する力強い後押しになるものと考えている。またトヨタのもつ車両の開発・生産に関する見識を学び、そして是非取り入れていきたい」と語っている。
なおテスラは、カリフォルニア州北部にあるトヨタとGMの合弁企業「NUMMI」の跡地の一部を購入し、今後はこの土地で電気自動車の生産を行う。