シスコシステムズ 副社長 平井康文氏

シスコシステムズは3月18日、同社の新ソリューション「Cisco Borderless Access」を発表。それを構成する新製品/サービス/技術を紹介した。

Cisco Borderless Accessは、同社が昨年10月に発表したコンセプト「Cisco Borderless Networks」を構成するソリューションの1つとして位置付けられている。

同ソリューションに含まれる主なサービスは、次の3つ。

  • Cisco medianet
  • Cisco EnergyWise
  • Cisco TrustSec

これらのうちmedianetは、「今後、ビデオ会議などの普及により、企業内においてもトラフィック量が増える」(シスコシステムズ 副社長 平井康文氏)と予測されているビデオデータを円滑に配信/管理するためのサービス。ビデオストリーミングに必要な帯域があることを確認したうえでその帯域を確保する機能や、メタデータなどを読み取って優先度や配信可否を決定する機能、ビデオ品質劣化時に問題を分析して対処する機能、Wi-Fiでのビデオ配信を最適化する機能などが搭載される。

medianetの概要

また、EnergyWiseに関しては、新たに「Cisco EnergyWise Orchestrator」と呼ばれるサービスを発表。従来から対応しているPower over Ethernetデバイスだけでなく、新たにPCの電力も管理/監視できるようになっている。PCをサポートしたことで「企業内の60%以上の電力消費装置が管理可能になった」(シスコシステムズ プロダクトマネージメント シニアマネージャ 大木聡氏)と言い、これまで以上の消費電力削減が期待できる。

なお、シスコでは、他社製品をEnergyWiseに対応させることができる「EnergyWise SDK」も発表。Cisco Developer Networkで提供される予定だ。

Cisco EnergyWise Orchestratorの画面

シスコシステムズ プロダクトマネージメント シニアマネージャ 大木聡氏

一方、TrustSecについては、ネットワークレベルでのアクセス制御を実現する新技術になる。IEEE 802.1xやMAB(MAC Authentication Bypass)、Web認証などによる認証処理と、ポリシーベースのアクセス制御を行う「Cisco Secure Access Control Server」(以下、ACS)を連携させたソリューションで、職位や所属部署に応じてユーザーを分類したうえで、それを基に各サーバへのアクセス可否などを決められる。グループごとにアクセスの優先度も設定できるため、例えば、「平日の午前中は役員のモバイル端末からのアクセスを優先させる」といったことも可能になるという。

大木氏は、同技術の効果について、「現在は、"ユーザー数×サーバ台数"の大量のアクセスリストを作成したり、VLANを使ってアイソレーションしたり、といったかたちで管理している企業が多いが、その手間が大幅に減らせる。例えば、46ユーザーで60台のサーバを設置している環境では、アクセスリストの設定が46×60で2760になるが、ユーザーとサーバをそれぞれ4グループに分類すると仮定すると4×4で16の設定で済むことになる」と説明した。

なお、TrustSecでは、ACSをActive Directoryと連携させることも可能。また、MACSecにも対応しており、対応端末と非対応端末が混在する環境でも、対応端末との通信のみを暗号化するといった運用が可能になっている。

TrustSecの動作概要

TrustSecの効果

これらの新サービス/技術に加えて、シスコシステムズは、ネットワークスイッチ「Cisco Catalyst 3750-X」、「同 3650-X」、「同 2960-S」の3製品を投入することも発表した。

3750/3650-Xの特徴(クリックで拡大)

2960-Sの特徴(クリックで拡大)

3750/3650-Xは、TrustSecを搭載し、MACSecも実装したスイッチになる。また、StackWise Plusに対応しており、最大9台までのスタックが可能。高い可用性を実現している。さらに、「Cisco StackPower」と呼ばれる新テクノロジーを採用しており、最大4台のスイッチで電源機構を共有できる。

3750-X(2台)の前面

3750-X(2台)の背面。2台がStackWise Plus(左端のケーブル接続部分)とStackPower(中央のケーブル接続部分)でつながれている。電源装置はStackPowerケーブルの右側に各台2つずつ搭載できる構造で、この写真では下段の3750-Xにのみ設置している

また、2960-Sに関しては、FlaxStackと呼ばれるスタック機構を搭載。FlaxStackは、10G×2ポートモジュールでスタック最大数4台と、StackWise Plusよりも簡易的だが、「リーズナブルな可用性を求める企業向け」(大木氏)になっている。

2960-S(2台)の前面

2960-S(2台)の背面。2台がFlaxStackでつながれている(左端のケーブル接続部分)