日本リージャスは3月3日、最新の設備を備えた次世代型テレプレゼンス専用会議室を、東京/シドニー/シンガポールの3カ所に導入することを発表した。ビデオ会議通信ソリューションにはケーブル・アンド・ワイヤレス、テレプレゼンス機器はポリコムのソリューションをそれぞれ採用している。同社のアジア太平洋地区担当 最高経営責任者のフィリッポ・サルティ氏は「人びとのワークスタイルが多様化する現在、最新鋭のテレプレゼンス環境でもって、大企業から中小および個人事業主まで、あらゆる顧客の業務効率改善に貢献したい」と語る。

リーマンショック以来の不況、さらにはCO2削減への世界的な潮流で、多くの企業が出張費の削減に取り組んでいるのは周知の通り。また、ワークライフバランスの普及や高速ネットワークが一般化したこともあり、企業規模を問わずに働き方の多様化が拡がっている。そういった流れにあって、ここ最近、とみに注目度が高いITソリューションがテレプレゼンスだ。

企業にワークスペースソリューションを提供するリージャスは、東京・大手町のビジネスセンターに今回発表のテレプレゼンス専用会議室を導入、顧客に対してサービス提供を行う。「テレプレゼンス=大企業向けというイメージを取り払い、これからは中小企業やベンチャー企業に対しても、高品質なテレプレゼンス環境を提供していきたい」(サルティ氏)とする。

サルティ氏はテレプレゼンスのメリットについて「出張旅費の大幅な削減ができること、CO2の削減に貢献できること、会議のために生じる時間を節約し経営効率をアップさせられること」の3点をあげ、さらに「今回、我々3社が提供するソリューションは、旧来のテレプレゼンス環境のイメージとは異なり、画像の乱れや音声の途切れ、ノイズといったマイナスの要因を可能な限り取り去っている」と自信を見せている。実際、同センターにて東京と香港を結んだデモンストレーションにおいても、スムースなフェイストゥフェイスのコミュニケーションが体感できた。

東京と香港とシドニー(右側)をつないで行われたデモンストレーション。論理的には「何拠点でも接続することが可能」だという

ある拠点だけの画像を拡大させることもできる。右から、リージャスのサルティ氏、ポリコムのニューウェル氏、ケーブル・アンド・ワイヤレスのコナーズ氏

ケーブル・アンド・ワイヤレスのインターナショナル・プロダクト・マネジメント 担当主任 アレックス・コナーズ氏は「高解像で信頼性のあるネットワークインフラがあるからこそ、今回のソリューションが実現した。さらに、会議中に何かトラブルが生じた場合でも、問題に迅速に対応できるバックアップ体制も整っている。インフラとサービスの両面において、高度なテレプレゼンス環境を実現することができた」と語る。「多様なワークスタイルが拡がる中、企業が抱える多くの課題をテレプレゼンスが解決できると信じている」(コナーズ氏)

また、テレプレゼンスソリューションで世界的にも導入事例の多いポリコムのアジア太平洋地区 ユニファイド・コミュニケーションズ・ストラテジーシニアディレクターのポール・ニューウェル氏は「どんな時代にあってもビジュアルでリアルなコミュニケーションは必要だ。時間とコストを大幅に削減できるテレプレゼンスは、これから2、3年のうち、企業コミュニケーションの主流になるだろう。ビデオ会議が普及したように、テレプレゼンスも間違いなく普及することを確信している」としている。

東京・大手町のファーストスクエアにあるリージャスのビジネスセンター。壁面に見えるまるい凹みは、音響効果を考慮しての設計。マイクは天井から2本、目立たないように下げられている。画面に映ったとき、不要な陰ができないよう照明にも工夫が凝らされている。PCを接続して画面を共有することももちろん可能。デモ中は、画像の乱れや音声の途切れなどはいっさい起こらなかった