日立製作所は20日、メインフレームの後継機として、さらなる業務拡大や処理量増加への対応など、高信頼、高性能基盤の強化を図ったエンタープライズサーバ「AP8800」ならびにOS「VOS3/US」を発表した。2月22日より販売を開始する。価格はAP8800が月額542万3,250円から、VOS3/USが同300万9,300円からとなっており、いずれも2008年7月より出荷される。

AP8800は、1プロセッサ搭載のレギュラータイプから最大8プロセッサ搭載可能なハイエンドタイプまで全52モデルがラインナップされている。また、仮想テープ機能やバックアップ機能などの特定処理を実行する”アクセラレートプロセッサ”の対象モデルを、従来の2プロセッサモデルから7プロセッサモデルまで拡大。これにより、上位モデルへのアップグレード時にアクセラレートプロセッサを継続して使用することが可能となった。

また、業務の追加や予想を超す処理量の増加といった緊急時にプロセッサ性能のアップグレードを可能にする「キャパシティオンデマンド機能」を搭載。これにより、ユーザーがGUI画面からプロセッサ性能のアップグレードを行うことができるようになり、従来必要であった保守員によるアップグレード操作を不要にしている。

一方のVOS3/USは、OS基本制御、日本語処理、ストレージ管理などの基本機能を提供するソフトウェア製品および内部統制支援やジョブ連携などの付加価値機能を提供するソフトウェア製品をセット化した「VOS3/US標準パッケージ」として提供される。同パッケージでは、内部統制支援や統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」などオープンシステムとの連携機能が標準提供されている。

また、監査証跡管理製品「JP1/NETM/Audit」との連携によるアクセスログなど監査証跡情報の一元管理が実現できるほか、日本語文字コードの新規格「JIS2004」に対応。JIS2004対応のPCやプリンタなどオープンシステムと組み合わせることで、データの入力、表示、印刷などが可能である。

データコミュニケーションマネジメントシステム「XDM/DCCM3」では、「総合利用者管理機能」との連携により、オンライン業務システムにおいて、端末起動時のユーザー認証に加え、業務アプリケーションからユーザー認証を行う機能が追加された。これにより、ユーザー認証処理のカスタマイズが可能となり、ユーザー運用に合わせた対応が可能となる。また、ユーザーID桁数の拡張や一定時間内に端末操作がない場合にユーザー認証を無効とする機能も提供される。

このほか、大容量高速テープ規格LTO(Linear Tape Open)の1つ「Ultrium4」規格に準拠したLTOライブラリ装置「L18/500」をサポートしたほか、搭載可能なモジュール数を拡張。従来180.8TB(Ultrium3圧縮時)であったデータの最大記憶容量を846.4TB(Ultrium4圧縮時)にしたほか、1台のLTOライブラリ装置を論理的に2つに分ける論理分割機能をサポートし、複数のシステム間で共用することが可能となっている。

各製品および機能の価格と出荷時期は以下の通り。

製品名・機能名 月額価格 出荷時期
AP8800 542万3,250円~ 2008年7月初旬
VOS3/US標準パッケージ 300万9,300円~
XDM/DCCM3 27万7,200円~ 2008年10月初旬
XDM/BASE E2 20万7,900円~