Josh Berkus氏。セッションでは「小さなゾウだったPostgreSQLコミュニティが、11年経ってこんなに大きなゾウに成長した」と冒頭で語った。ゾウ(マンモス)は本家PostgreSQL開発チームのマスコットキャラ

5日に秋葉原UDXにおいて開催された「PostgreSQLカンファレンス2007」(主催: PostgreSQLユーザ会)には、主催者側の予想を上回る150名もの参加者が訪れ、関係者を喜ばせた。いまだ、オープンソース系RDBMSとして国内No.1の人気を保っていることを証明したと言っていい。

ここでは、PostgreSQLコアチームメンバー Josh Berkus氏による「PostgreSQL: Today and Tomorrow」と題された基調講演を紹介する。話題はもうまもなくのリリースと言われている新バージョンの8.3、その次の8.4にまで渡り、参加者の関心が最も高いセッションでもあった。

ユーザ層の国際的な拡がり

"LAMP"などの言葉に代表されるように、世界的に見れば"オープンソースのRDBMS=MySQL"という認識がたしかにある。だが日本ではコアチームメンバーの一人でもある石井達夫氏(SRA OSS Inc. 日本支社長)など熱心なPostgreSQLコミッターが初期のころから数多く存在し、メーリングリストベースで活発な意見交換が行われてきた。ユーザ会も世界に先駆けて結成され、オープンソースプロダクツの中では知名度、普及度ともに頭抜けている。企業への導入事例も多い。

Berkus氏は冒頭で「PostgreSQLの開発者の半分は日本人。ユーザ会も北米よりずっとアクティブでうらやましい」としながらも、今年5月に2回目の北米ユーザカンファレンスがカナダで開催されたことを報告、「日本の皆さんから見れば"たった2回?"だろうが、我々にとっては大きな進歩」とし、さらに今年後半には欧州や南米でもユーザカンファレンスが開催される予定だという。ようやく国際的な普及を図るための下地が整ってきたのだろう。

またBerkus氏は「5年前はユーザカンファレンスの企業スポンサーはたった2社 - SRAとPostgrSQL, Inc.だけだった。それが今では富士通やNTTデータ、UNISYSなど誰もが知っている企業が数多くスポンサーとなっている」と、企業ユーザの認知度も高まってきている現状を紹介した。

北米や日本だけでなく、欧州や南米にもコミュニティが広がりつつある

PostgreSQLをサポートする企業。よく知っている名前がずらりと並ぶ

Solaris 10にPostgreSQLを完全統合

Sun MicrosystemsはBerkus氏を中心にSolarisにPostgreSQLを統合する作業を行っている

Berkus氏は米Sun Microsystems氏に勤務しており、これまで同社においてPostgreSQLをSolaris 10に統合する作業を行ってきた。今年8月には現行バージョンの8.2を統合したSolaris 10をリリースできる予定だ。「リリース時にはベンチマークの結果もパブリッシュできると思う。今まで"本当にベンチマークを取ってるの?"などと疑われることもあったけど(笑)、これで事実だということを証明できる」(Berks氏)そうで、ベンチマークはTPCC、SpecJAppserver、TPCEの3つで行われたという。

Solarisに完全統合されたオープンソースのデータベースとしては、MySQLに引き続き2番目となる。

またBerkus氏が最も力を入れて取り組んでいるのがSolaris 10に搭載されている動的トレース機能"DTrace"とPostgreSQLの連携だ。システムの挙動を徹底的に追跡できるDTraceをPostgreSQLから利用できれば、管理者はSolaris←→PostgreSQLでどのようにやりとりが行われているかを確認することができるようになる。なお、SunはこのためのGUI "Cham"を開発している。