ゴリラクリニックによる連載「男のアンチエイジング」では、ゴリラクリニック銀座ANNEX院の院長・太田博之医師に取材。40代から気になり始める顔のたるみは、皮膚だけでなく脂肪や骨格などの変化も関係するという。顔・頭皮・身体に起こる変化や、日常生活での対策、美容医療の選択肢について聞いた。
40代から顔がたるんで見える理由
――40代になると「顔がたるんできた」と感じる男性が増えるのはなぜでしょうか?
顔のたるみは、単純に「皮膚が伸びる」ことが原因で起こるわけではありません。加齢に伴う皮膚のコラーゲンやエラスチンの減少で、肌のハリや弾力は失われてしまいます。
さらに、皮下脂肪の量や位置、顔を支える靱帯(支持組織)のゆるみ、骨格の変化といった複数の要因が重なることで、顔の輪郭が変化していきます。
特に40代になると、頬の位置が下がったように見える、ほうれい線が深くなる、フェイスラインがぼやける、といった変化を実感しやすくなります。
また、紫外線による「光老化」も大きな要因です。長年にわたり紫外線を浴びることで、皮膚の老化が進むため、日焼けする機会が多かった人ほど、年齢とともに肌の変化を感じやすくなります。
たるみは顔だけでなく頭皮や身体にも
――顔だけでなく、頭皮や身体にも加齢による「たるみ」は起こるのでしょうか?
加齢による変化は、決して顔だけに起こるものではありません。頭皮も皮膚の一部のため、加齢によって弾力などが低下していきます。
ただし、「頭皮がたるむと顔も引っ張られてたるむ」といった単純な構造ではないため、「頭皮をケアすれば顔のたるみを防げる」というわけではありません。
また身体においても、特に二の腕、お腹、お尻、太もも、膝周囲などは、加齢に伴う皮膚の弾力低下が目立ちやすい部位です。そこに筋肉量の低下や皮下脂肪の変化、体重の増減などが加わることで、身体全体の輪郭が以前とは違って見えることがあります。
このように「たるみ」という言葉で一括りにされがちですが、実際には皮膚・脂肪・筋肉などの複数の組織が、加齢とともに変化を起こすことで生じているのです。
日常生活でできるたるみ対策
――たるみを予防するために、日常生活でできることを教えてください。
まずは、紫外線対策が最も基本となります。紫外線は皮膚のコラーゲンやエラスチンなどに影響を与え、光老化を進める大きな要因になります。そのため、日焼け止めは顔だけでなく、首や手などの露出する部分にも使用する習慣をつけることが大切です。
また、適度な運動や筋力トレーニングによって筋肉量を維持することも、身体のシルエットを保つうえでは重要です。
食生活では、極端な食事制限を避け、タンパク質を含めてバランスよく栄養を摂ることを意識しましょう。特に注意したいのが、急激なダイエットや体重の増減を繰り返すことです。大幅な体重減少によって皮膚の余りが目立つ場合もあるため、体重管理はできるだけ無理なく行うことをおすすめします。
「日焼けを避ける」「筋肉を維持する」「バランスの良い食事をとる」「適正体重を保つ」といった基本的な生活習慣が、長期的なたるみ対策として重要です。
たるみの原因によって異なる美容医療の選択肢
――すでに気になるたるみに対して、美容医療ではどのような施術が選択肢になりますか?
美容医療では、「何が原因でたるんで見えているのか」によって適した治療が変わります。
軽度のたるみや肌のハリ低下であれば、高周波(RF)やHIFUなど、皮膚や皮下組織に熱エネルギーを加える治療を、頬などのボリューム減少によって老けて見えている場合には、ヒアルロン酸などの注入治療によってボリュームを補う方法があります。
一方で、皮膚の余りや組織の下垂が強い場合には、糸リフトやフェイスリフトなども検討の対象となります。
身体については、医療機器による治療のほか、脂肪量や皮膚の余り具合などによって治療方法が異なります。
大切なのは、「たるみ=とにかく引き上げる」と一括りに考えないことです。
例えば、脂肪が多い方、皮膚の余りが強い方、ボリュームが減って老けて見えている方では、同じ施術を行っても結果は異なります。
むしろ必要以上に脂肪を減らしたり、ボリュームを減らしたりすると、かえって老けた印象になる場合もあります。
まずは自分のたるみの原因が「皮膚」「脂肪」「ボリューム」「支持組織」など、どこにあるのかを診察してもらい、その状態に合った治療を選択することが重要です。

