ゴリラクリニックによる連載「男のアンチエイジング」では、ゴリラクリニック東銀座院の院長・酒井貴哉医師に取材。秋になると抜け毛が増えたと感じる人もいるが、季節的な変化とAGA(男性型脱毛症)はどう見分ければよいのだろうか。秋の抜け毛の原因や頭皮の乾燥、日常のケア、医療機関への相談の目安について聞いた。

秋は本当に抜け毛が増える?

――「秋になると抜け毛が増える」とよく聞きますが、本当でしょうか?

実際に、秋口になると「最近、抜け毛が増えた気がする」と相談される方はいらっしゃいます。

髪を含め、体毛にはすべて「成長期」「退行期」「休止期」というヘアサイクルが存在します。

生え変わりの周期は1本1本で異なるため、すべての髪が一気に抜けることはありません。

正常な状態でも全体の約1割は抜ける準備期間である「休止期」に入っており、1日50~100本ほど自然に抜け落ちる仕組みになっています。

季節による変化を調べた研究でも、8~9月ごろは抜け毛が多くなる傾向があると報告されており、秋に多少抜け毛が増えること自体はそこまで珍しいことではありません。

その理由は解明されていませんが、日照時間などの季節変化や、夏の紫外線による毛包へのダメージなどが一因として考えられています。

秋口に髪のボリュームが減り頭皮が乾燥する理由

――秋口に髪のボリュームが減ったり、頭皮がパサついたりするのはなぜですか?

前述のような季節的な抜け毛によって、一時的に髪のボリュームが減ったように感じることはあります。

夏から秋にかけて気温や湿度が下がるため、頭皮は顔や体と同じように乾燥しやすくなります。

そこに夏に蓄積された紫外線や汗、皮脂による蒸れなどの刺激も重なって、かゆみやフケが出てくる方もいらっしゃいます。

季節的な抜け毛とAGAの見分け方

――一時的な季節の抜け毛と、AGAなど注意した方がよい抜け毛を見分けるポイントはありますか?

季節的なものであれば、一時的に抜け毛が増えても、その後は落ち着いてくることが多いです。

AGAの場合は、髪が太く長く成長する前に抜けるようになり、徐々に細く短い毛が増えていきます。

以前と比べて、「生え際が後退してきた」「頭頂部が透けて見えるようになってきた」といった変化があれば、AGAの可能性も考えた方がよいでしょう。

秋の抜け毛に自宅でできる対策は?

――秋の抜け毛を防ぐために、自宅でできる頭皮・ヘアケアを教えてください。

まず、秋に増える季節的な抜け毛まで無理に防ぐ必要はありません。

抜け毛が増えると、育毛剤や育毛用シャンプーを使ったり、頭皮マッサージを始めたりする方もいますが、季節的な抜け毛はこうした方法で止められるわけではありません。

毎日、抜けた毛を数えるより、しばらく経過を見て落ち着くかを見てみてください。

気になる方は、月に一度、同じ場所、同じ角度で生え際や頭頂部の写真を撮っておくと、変化がわかりやすいと思います。

抜け毛で医療機関を受診する目安

――抜け毛が気になった場合、どの程度になったら医療機関に相談した方がよいでしょうか?

「何本抜けたら受診した方がいい」という明確な基準はありません。

秋口に増えた抜け毛が季節をまたいでも続く場合や、自分では季節的な抜け毛なのかAGAなのか判断できない場合は、一度相談してみてもよいでしょう。

また、円形に抜けている、短期間で急に抜け毛が増えた、頭皮に強い赤みやかゆみがある、といった場合には、AGA以外の病気も考えられます。

こういった場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。