「いつかは別荘を持ってみたい」。そう思っても、実際には購入費用や維持管理、利用頻度の問題から、ハードルを感じる人は少なくありません。一方で近年は、単に利回りや配当だけを追うのではなく、自分や家族が実際に使える資産、体験を伴う資産への関心も高まりつつあります。
そうした流れの中で注目されているのが、貸別荘ブランド「COCO VILLA」の施設を共同所有・シェア利用できるオーナーサービス「COCO VILLA Owners」です。
COCO VILLA Ownersが掲げるミッションは、「すべての人に、別荘のある暮らしを」。本記事では、COCO VILLA代表の安藤氏に、貸別荘ブランド「COCO VILLA」を舞台に展開する共同所有サービス「COCO VILLA Owners」がなぜ体験価値を重視するのか、なぜ共同所有という形を採用するのか、そして“使える実物資産”としてどのような可能性があるのかを聞きました。
プロフィール

ココザス株式会社 代表取締役 CEO
安藤 義人氏

専門家プロフィール
中島 宏明
1986年、埼玉県生まれ。2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の企業で顧問・アドバイザーを務める。新田信行氏との共著『働くこと、生きること、つながること―ダイコクさんが教えてくれた仕事と人生のヒント―』(マイナビ出版)が発売中。
なぜ今、「使える実物資産」が求められているのか
中島:最近は、“使える実物資産”という考え方に注目が集まっています。単に投資してリターンを得るだけでなく、実際に使えることや、家族や友人と体験を共有できることに価値を感じる人が増えている印象です。安藤さんは、この流れをどのように見ていますか?
安藤氏:ある意味、人々の暮らしや価値観が豊かになったからではないでしょうか。ただ、“使える資産”という考え方自体は、決して新しいものではありません。リゾート会員権のようなものは以前からありました。
一方で、特にコロナ禍以降、ワーケーションや2か所を行き来する「2拠点生活(デュアルライフ)」といったスタイルが広がりました。リモートワークが普及したことで、旅や自然の中で過ごす時間が改めて見直された面はあると思います。
中島:投資ではこれまで利回りや配当、家賃収入など、数字で見えるリターンが重視されがちでした。ただ、実際に自分や家族が使えるという価値は、数字だけでは測りきれない部分がありますね。
安藤氏:そうですね。COCO VILLAは、ただの宿泊サービスでも、単なる不動産投資でもありません。泊まる体験と、資産として持つこと。その両方をどう成立させるかが大事だと考えています。
なぜ「体験」から別荘を設計するのか
中島:貸別荘ブランド「COCO VILLA」では、「泊まる体験」を重視した別荘づくりをされています。なぜ、そこに力を入れているのでしょうか?
安藤氏:同じような貸別荘施設をつくるだけでは差別化ができないからです。サウナ、焚き火、BBQといった要素も、今ではそれだけで他社との差別化になるというより、土俵に立つための最低条件に近いと思っています。だからこそCOCO VILLAでは、川に隣接している、目の前にプライベートビーチがある、湖でSUPやカヤックができるといった、ロケーションそのものと一体になった体験を重視しています。
中島:単に設備を足していくのではなく、その場所だからこそできる体験を設計しているわけですね。
安藤氏:はい。たとえば、SUP体験は一般的にはツアーで1人数千円から1万円近くかかることもあります。それを施設に用意しており、宿泊体験の中で別途費用を払うことなくお楽しみいただけます(※一部施設を除く)。目指しているのは、「一生忘れられない宿」です。
中島:「COCO VILLA」というブランド全体でリピートしてもらう考え方もあるのでしょうか?
安藤氏:あります。長瀞に泊まった方には、次はニセコや沖縄にも行ってほしい。来年には施設数もさらに増えていく予定ですので、COCO VILLAの中で全国を巡るような体験をつくっていきたいです。
施設づくりでこだわるのは「ずっといたい空間」
中島:施設づくりで特にこだわっているポイントを教えてください。
安藤氏:一番は、眺望です。ただ、眺望というと「景色がよい」という意味に捉えられがちですが、私たちが大事にしているのは空間です。その場に立ったときに、何もせず、ずっとここにいたいと思えるかどうかを重視しています。
中島:安藤さんは、ご自身を「眺望オタク」ともおっしゃっていましたね。
安藤氏:そうですね。たとえば河口湖であれば、どこでもよいわけではありません。湖面と富士山が同時に見える場所を考えると、北側の大石公園側でなければならない。那須であれば茶臼岳がどう見えるか、福島であれば磐梯山がどの角度から美しいか。そうした細部にはかなりこだわっています。
中島:窓から見える景色も、施設設計の一部なのですね。
安藤氏:はい。窓枠に山や森の景色が、「変化する絵画」のように収まることを意識しています。また、電柱や電波塔、テトラポッドなど、人工物が視界に入らないことも大切です。もう一つ重視しているのは、施設に着くまでの道のりです。車でお越しいただくことがほとんどですので、インターを降りてから、森のアーチをくぐるような非日常感があるか。到着前から旅のスイッチが入るかどうかも見ています。
中島:地域には、地元の方が気づいていない魅力がありますよね。「この辺りは、なにもないから」と地元の方はおっしゃるわけですけど、そうではない。
安藤氏:まさにそうです。私は「隠れた地域資産」「知られざる魅力」という言葉が好きです。たとえば川沿いの土地は、地元の方からすると氾濫リスクもあって価値が低いと見られることがあります。でも、サウナに入ったあとに川へ飛び込める場所だと考えると、観光資源としては非常に魅力的です。外部の視点が入ることで、地域の資産は新しい価値を持ち始めます。
なぜ「共同所有」という形を採用しているのか
中島:COCO VILLA Ownersでは、共同所有という形を採用されていますね。会員権ではなく、なぜこの仕組みなのでしょうか?
安藤氏:最初のコンセプトが、「すべての人に、別荘のある暮らしを」だからです。5,000万円の別荘を現金で買える人は限られます。それでは、別荘はお金持ちのものという世界は変わりません。
そこで、複数人で費用を出し合って持つことで、一人あたりの負担を下げる。これにより、より多くの人に別荘のある暮らしを届けられるのではないかと考えました。
中島:安藤さんは、モンゴルでの体験もCOCO VILLAの原点になっているとお話しされていましたね。
安藤氏:はい。以前、海外不動産の仕事でモンゴルに行っていました。モンゴルでは、決して所得が高いわけではない家庭でも、代々受け継いだ「サマーハウス」を持つ文化があります。それを見て、自然の中に家族で過ごせる場所があることは、人の心を豊かにするのだと感じました。この文化を日本にも広げたいと思ったことが、COCO VILLAの原点の一つです。
中島:共同所有でありながら、所有権にこだわっている点も特徴ですね。
安藤氏:会員権や期間限定の利用権は、資産とは少し違うと考えています。時間が経つごとに価値が減っていくものもあります。一方でCOCO VILLA Ownersでは、土地を含めて所有する形にこだわっています。不動産である以上、天災などのリスクはありますが、土地があることで一定の資産性を持たせやすいと考えています。
中島:オーナー自身が管理や清掃の手配を行う必要がなく、運営面も仕組み化されているため、「別荘を持つ負担」を軽減できる点も特徴ですよね。別荘を持ちたいと思っていても維持管理がネックになっていた方にとっては、共同所有という仕組みが現実的な選択肢になりそうですね。
ハイシーズンは泊まらない? 収益性を考えた予約設計
中島:シェア型別荘で気になるのが、「使いたいときに使えるのか」という点です。特に夏休みや年末年始は、利用希望が重なりやすいと思います。
安藤氏:その懸念に関しては、最初から設計しています。 COCO VILLA Ownersで共同所有する貸別荘は、宿泊施設「COCO VILLA」として運営され、収益を生み出す仕組みになっています。そのため、最も稼げるハイシーズンは、オーナー様が泊まるのではなく、外部ゲストに貸し出す設計にしています。外部からの収益を上げることで、管理費などをまかなう考え方です。
中島:一般的な別荘所有では、管理費や維持費が出ていく一方になりがちですが、そこに収益を組み合わせているわけですね。
安藤氏:はい。もちろん、オーナー様は自分が所有する物件について、一般公開より早い段階で先々の予約を取れます。また、他のCOCO VILLA拠点も相互利用できます。拠点が増えるほど、選択肢も広がっていきます。
中島:直前に土日だけ泊まりたい人より、早めに予定を立てる人に向いているサービスですね。
安藤氏:そうですね。私は、旅はできれば平日に行くべきだと思っています。同じ宿でも、土日や連休は料金が高く、混雑もしやすくなります。だからこそ、半年後の予定を先に入れて、平日にゆっくり休む時間を確保する。そういうライフスタイルも含めて、ご提案したいですね。
オーナーの声に見る、“体験できる投資”の価値
中島:実際のオーナー様からは、どのような声が多いですか?
安藤氏:一番多いのは「家族との絆が深まった」という声です。COCO VILLAの施設は一棟貸しのヴィラなので、ホテルのように夕食の時間が決まっているわけではありません。時計もテレビも、できるだけ置かないようにしています。小鳥のさえずりや川のせせらぎの中で、疲れを癒やし、また明日からがんばるために休みに来る。そういう感覚を持っていただいている方が多いです。
中島:特に印象的だったエピソードはありますか?
安藤氏:障がいをお持ちのお子様とともに宿泊したオーナー様から、泣きながら感謝されたことがあります。ホテルでは周囲への配慮から旅行が難しかったけれど、ヴィラであれば自宅に近い感覚で過ごせる。疲れたら寝ればいいし、食事や入浴の時間にも縛られない。COCO VILLAのおかげで家族旅行に行けるようになった、と言っていただきました。
中島:それは、単なる宿泊体験を超えた価値ですね。
安藤氏:もう一つは、思春期の娘さんがいるお父様の話も印象に残っています。娘さんがなかなか一緒に旅行に行ってくれない。でも、COCO VILLAの宿泊枠を娘さんと友人たちにプレゼントしたところ、友達の間で「別荘に泊まれるなんてすごい」となり、お父様の家庭内での存在感が上がったそうです。
中島:投資のリターンは、金銭だけでは測れませんね。家族との時間、友人との思い出、地域とのつながり。そうした価値も含めて考えると、“体験できる投資”という見方ができますね。
タイムシェアと何が違うのか
整理しておきたいのが、タイムシェア型サービスや会員権型サービスとの違いです。
一般的なタイムシェアや会員権型サービスは利用権が中心ですが、COCO VILLA Ownersは、貸別荘ブランド「COCO VILLA」の対象施設を、不動産の一部として自分名義で共同所有できるサービスです。さらに、不動産クラウドファンディングのように投資だけを目的とするのではなく、自ら宿泊して活用できる点が大きな違いといえます。
初めてこうしたサービスを見る方は、「利用権なのか、所有権なのか」「管理費はどうなるのか」「売却できるのか」といった点で不安や誤解を持ちやすいでしょう。
COCO VILLA Ownersの特徴は、不動産としての所有権を持つモデルであること、そして貸別荘収益を組み合わせることで、管理費などの別荘の維持費を賄う設計にしていることです。単独所有では手が届きにくかった別荘を、共同所有によって現実的な選択肢にするという考え方には、新しい可能性があります。
従来の不動産投資に物足りなさを感じている人、数字だけではなく体験価値も重視したい人にとって、COCO VILLA Ownersは一度知っておきたい選択肢といえるのではないでしょうか。
おわりに
COCO VILLA Ownersが提案しているのは、ただ泊まるための宿でも、ただ所有するための不動産でもありません。実際に使い、家族や友人と時間を共有しながら、実物資産としても向き合えるシェア別荘という新しい形です。
別荘は、もう一部の富裕層だけのものではない。共同所有という仕組みを通じて、自分の暮らしの中に自然や旅を取り入れる。COCO VILLA Ownersの取り組みは、“使える実物資産”というこれからの資産形成のあり方を考えるうえで、ひとつのヒントになりそうです。












