- 社労士合格に必要な勉強時間はどのくらい?
- 短期間で合格を目指す方法はないの?
- 効果的な社労士の勉強方法が知りたい
ここ数年、転職やスキル向上のために資格を取得する方が増加しています。
中でも、社労士(社会保険労務士)は労働法や社会保険に精通したプロフェッショナルとして、人気のある国家資格です。
この記事を閲覧している方も、社労士を取得したいと考えている方が大半でしょう。
しかし、仕事と資格の勉強を両立させるのは容易ではありません。
「社労士の勉強時間はどのくらい確保すればいいの?」
「社労士は通信講座で勉強できるの?」
今回はそんな社労士合格に必要な勉強時間や学習方法などについて詳しく解説します。
また、当サイトでは社労士のおすすめ通信講座に関する記事も掲載しているため、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
→社労士のおすすめ通信講座ランキング12選と失敗しない講座の選び方の記事はこちら
社労士合格に必要な勉強時間は?
社労士を目指すにあたり、勉強時間の確保は最優先事項と言えます。
特に社会人として働いている方は、仕事との両立が必須であるため、合格までの勉強時間を把握しておきたいでしょう。
この章では、予備校に通った場合と独学の場合に分けて、確保すべき勉強時間をご紹介します。
あくまでも受験生の平均的な勉強時間であり、数値より短時間で合格する方もいるため参考程度にご覧下さい。
また、反対に知識や経験などに応じて、ここで挙げている以上の時間がかかる可能性もありますので、その点はご了承いただけると幸いです。
予備校生の場合
社労士の予備校や通信講座を利用した場合、800~1,000時間の勉強が必要とされています。
一見、途方もない数値に思えますが、1日に換算すると150~180分の勉強時間です。
極端に言ってしまえば、土日だけの勉強でも1日8~9時間でカバーできます。
なぜ予備校生は限られた時間でも合格を目指せるのでしょうか。
それは、以下のメリットが関係しています。
- 効率的な学習プログラムがあらかじめ組まれている
- 過去の本試験から出題傾向を読み取り、対策を講じられる
- つまずいた箇所をすぐに質問できるため、無駄な時間がない
- 勉強に関する悩みを相談する相手がいる
ちなみに社労士の科目別勉強時間は以下の通りです。
科目名 | 勉強時間 |
労働基準法 | 100時間 |
労働安全衛生法 | 45時間 |
労働者災害補償保険法 | 100時間 |
雇用保険法 | 100時間 |
徴収法 | 75時間 |
健康保険法 | 150時間 |
厚生年金保険法 | 150時間 |
国民年金法 | 150時間 |
労務管理その他の労働に関する一般常識 | 65時間 |
社会保険に関する一般常識 | 65時間 |
それぞれの項目に関して必要な目安時間は変わってくるため、しっかりと計画を立てて学習する必要があるでしょう。
独学の場合
独学で社労士合格に挑む場合、最低1,000時間の勉強時間が必要です。
人によっては2倍の2,000時間以上を費やすことも珍しくありません。
例えば、仕事を続けながら独学で受験する場合、会社から帰宅後に最低3~4時間は勉強する必要があります。
なぜ独学の場合は1,000時間を超える勉強時間が必要なのでしょうか。
それは以下のデメリットが関係しています。
- 効率的な勉強ができない(不必要な知識も詰め込んでしまう)
- 出題傾向が見えてこない
- 新しい情報が手に入りづらい
- 計画通りに勉強するのが困難
社労士の学習はしたいが、時間などの面から、通学は難しいという場合には、通信講座での学習も視野に入れるといいでしょう。
社労士の通信講座を提供している資格学校はたくさんありますので、自分に合っているものを探してみてくださいね。
なお、当サイトのおすすめはコスパが良く、効率的に学習をすることができるスタディングの社労士講座です。
スタディングの講座については詳しくは公式HPをご覧ください。
他の資格との勉強時間比較
社労士合格に必要な800~1,000時間という勉強時間は、果たして膨大なのでしょうか?
難関資格と呼ばれる次の7資格と比較してみましょう。
- 簿記1級
- 司法書士
- 税理士
- 行政書士
- 中小企業診断士
- 宅地建物取引士
- ファイナンシャルプランナー1級
比較1:簿記1級
簿記1級と言えば、高度な会計知識で経営管理・経営分析をする会計のスペシャリストで、税理士を目指す土台として簿記1級を取得する方もおり、将来さまざまな分野で活躍が見込まれる資格です。
簿記1級の勉強時間は500~700時間とされています。
しかし、この数値は簿記2級を取得済みである方の平均勉強時間で、初学者は800~2,000時間の勉強が必要です。
勉強時間を比べると社労士の方に分がありますが、その理由は3つあります。
- 科目数が異なる(社労士が8種類10科目に対して、簿記1級は4科目)
- 土台の有無(簿記1級受験者は、簿記2級合格時点で土台が出来上がっている)
- 暗記量の差
ちなみに簿記1級の科目別勉強時間は以下の通りです。
科目名 | 勉強時間 |
商業簿記 | 120時間 |
会計学 | 180時間 |
工業簿記 | 120時間 |
原価計算 | 180時間 |
簿記1級は通信講座での学習もおすすめです。
簿記2級、3級と比較してもかなり難易度が高い講座となりますので、通信講座での学習も視野に入れるといいでしょう。
比較2:司法書士
司法書士は、不動産登記や商業登記など登記制度に関するエキスパートで、試験合格後は司法書士事務所や法律事務所、一般企業で力を発揮する方が目立つ傾向です。
司法書士試験の合格率は5%を切るほどで、一般的に社労士よりも難易度が上とされています。
司法書士の勉強時間は3,000時間以上といわれ、1日3時間の勉強時間を確保したとしても、合格まで3年近くかかる計算です。
司法書士合格のためになぜ3,000時間を超える勉強時間が必要なのか、その理由は次の3つがあります。
- 民法・不動産登記法を始めとする全11科目を学習しなければならない
- 記述対策に時間を費やす必要がある
ちなみに司法書士の科目別勉強時間は以下の通りです。
科目名 | 勉強時間 |
民法 | 720時間 |
不動産登記法 | 513時間 |
不動産登記法(記述) | 375時間 |
商法(会社法) | 288時間 |
商業登記法 | 258時間 |
商業登記法(記述) | 375時間 |
民事訴訟法 | 162時間 |
民事執行法 | 33時間 |
民事保全法 | 33時間 |
司法書士法 | 33時間 |
憲法 | 96時間 |
刑法 | 96時間 |
供託法 | 96時間 |
比較3:税理士
税理士は税務の専門家と呼ばれ、8士業の1つに名を連ねています。
税理士の就職先は、税理士事務所や税務署、官公省庁など多岐にわたるため、一般市民と接する機会の多い職業です。
税理士の勉強時間は平均3,000時間で、仮に1年で合格を目指す場合には、1日あたり9時間の勉強時間を確保する必要があるため、仕事との両立は不可能に近いでしょう。
そのため、税理士合格者の大半は3~4年での合格を目標としています。
税理士試験の唯一の救いは「科目合格制度」です。
税理士試験の合格には、必須科目(2科目)・選択必須科目(最低1科目)・選択科目(1~2科目)の5科目で及第点を取得しなければなりません。
しかし、科目合格制度の下では、1つでも及第点を超える科目があった場合、その科目は一生に渡って合格扱いになります。
つまり、毎年1科目ずつ確実に合格すれば、5年間で税理士になれるわけです。
ちなみに税理士の科目別勉強時間は以下のようになっています。
科目名 | 勉強時間 |
簿記論 | 500時間 |
財務諸表論 | 500時間 |
所得税法 | 700時間 |
法人税法 | 600時間 |
相続税法 | 500時間 |
消費税法 | 300時間 |
酒税法 | 200時間 |
国税徴収法 | 150時間 |
住民税 | 200時間 |
事業税 | 250時間 |
固定資産税 | 250時間 |
比較4:行政書士
行政書士は行政手続きを専門とする法律家で、3つの独占業務が主な仕事内容です。
行政書士の就職先は、法務事務所や弁護士事務所といった士業事務所で、中には個人事務所を構える方もいます。
そんな行政書士の勉強時間は500~800時間です。
予備校や通信講座で開講される行政書士講座には、半年で合格を目指すカリキュラムも存在し、比較的短期間での取得を目指せる資格と言えます。
社労士と行政書士の難易度は横並びですが、勉強時間に着目すると、社労士に軍配が上がるようです。
ちなみに行政書士の科目別勉強時間は以下の通りです。
科目名 | 勉強時間 |
行政法 | 150~250時間 |
民法 | 200~300時間 |
基礎法学 | 50~150時間 |
商法・会社法 | 100~150時間 |
一般知識 | 100~150時間 |
※社労士と行政書士の難易度比較については、こちらの記事を参考にして下さい。
→社労士の難易度はどのくらい?合格率や他資格との比較を用いて解説!の記事はこちら
比較5:中小企業診断士
中小企業診断士は、ビジネスパーソンが新たに取得したい資格第1位の人気職業です。
中小企業診断士を取得すると、経営資源の適切な配分やマネジメント力などが身に付くため、社内で重要な仕事を任されたり、評価が上がったりと将来に期待できます。
そんな中小企業診断士の勉強時間は800~1,000時間です。
勉強時間を比較すると社労士と同程度ですが、実は合格率や試験科目など他にも似ている部分が目立ちます。
「社労士と中小企業診断士のどっちを取得した方が良いか?」という悩みを耳にしますが、ダブルライセンスの可能性に目を向けるのも得策でしょう。
いずれも企業経営を支える仕事で、相性がとても良い資格です。
ちなみに中小企業診断士の科目別勉強時間は以下の通りとなっています。
科目名 | 勉強時間 |
財務・会計 | 200時間 |
企業経営理論 | 150時間 |
経済学・経済政策 | 130時間 |
運営管理 | 130時間 |
経営法務 | 70時間 |
経営情報システム | 70時間 |
中小企業経営・政策 | 50時間 |
事例1~3 | 100時間 |
事例4 | 100時間 |
中小企業診断士の通信講座はこちらの記事をご覧ください。
→【中小企業診断士】おすすめの通信講座ランキング5選の記事はこちら
比較6:宅地建物取引士
宅地建物取引士は、不動産取引の専門家として、不動産売買や賃貸物件あっせんに関する説明を顧客に行うのが仕事です。
宅地建物取引士の試験は、毎年20万人を超える受験生が集まり、社労士の3万人と比較すると人気の高さが伺えます。
そんな宅地建物取引士の勉強時間は300~400時間とされていますが、ある程度土台が構築されている方は100時間で合格する場合もあるなどさまざまです。
初学者でも比較的短時間で合格を目指せる点が、人気資格の理由と言えるでしょう。
ちなみに宅地建物取引士の科目別勉強時間は以下の通りです。
科目名 | 勉強時間 |
宅建業法 | 120時間 |
民法など | 100時間 |
法令上の制限 | 40時間 |
税・その他 | 30時間 |
比較7:ファイナンシャルプランナー1級
ファイナンシャルプランナー(FP)は、お金の専門家として、税金・保険・年金に関する相談を受け、解決策を提案する仕事です。
FP1級は、行政書士や宅地建物取引士の有資格者がさらなるスキルアップを求め受験するケースが目立ち、2級以下とは一線を画す資格とされています。
合格率は10%前後ですが、1年に2回受験機会があるため、学習プランが立てやすい資格と言えるでしょう。
そんなFP1級の勉強時間は600時間です。
しかし、FP2級を取得した上での数字で、初学者の方は1,000時間を超える学習時間が必要でしょう。
ちなみにFP1級の科目別勉強時間は以下の通りです。
科目名 | 勉強時間 |
ライフプランニング | 50時間 |
リスク管理 | 50時間 |
金融資産運用 | 100時間 |
タックスプランニング | 200時間 |
不動産 | 100時間 |
相続・事業承継 | 100時間 |
短期間で合格を目指すコツ
思い立ったが吉日の言葉通り、社労士受験に向けた勉強を開始する時期は人それぞれです。
余裕を持って1年間勉強する方も居れば、試験まで半年の時点から勉強を開始する方もいるでしょう。
ここで疑問に感じるのが、「たった半年で難関資格に合格できるのか」です。
結論から申し上げると、半年でも合格できます。
しかし、勉強時間が1年間ある方と同じ勉強方法で合格できるほど、社労士試験は甘くありません。
短期間で合格を目指すには、コツが必要になります。
- 満点を狙わない
- スキマ時間を有効に使う
- 横断的学習をする
それでは、1つずつ見ていきましょう。
コツ1:満点を狙わない
試験を受ける以上、満点を狙って勉強する方もいるでしょうが、社労士試験においては満点を狙うことは非効率的なためおすすめしません。
なぜなら、社労士試験の合格基準は7割とされ、過去問を通じて8割の正答率を保持できれば充分だからです。
さらに、社労士試験の1割は難問奇問が出題されるため、満点を取ろうと難問に時間を割くことは愚策と言えます。
つまり、半年など限られた時間の中では、いかに基本問題を完璧に処理するかが重要であり、細かい知識を切り捨てる勇気も必要です。
コツ2:スキマ時間を有効に使う
短期間で合格を目指す場合、スキマ時間を有効に使えるかが勝負です。
ここでのスキマ時間は、通勤で利用するバスや電車の中、会社の昼休みだけでなく、トイレやお風呂時間なども含まれます。
あらかじめ、バスの中では労働基準法、電車の中では国民年金法を勉強するなど仕分けておくと便利です。
近年、IT技術の発展により、スマホ1台あれば映像授業や問題集が視聴可能になりました。
予備校によっては、1項目が10~15分で学習できる配慮までされています。
最近の受験生は、電車やバスの中で参考書とノートを広げる必要がないため、スキマ時間をフルに活用するチャンスを得たと言っても過言ではありません。
コツ3:横断的学習をする
社労士の勉強中に「あれ?これ先の内容と似ているな」と感じたこともあるでしょう。
実は、社労士の8割方は社会保険の仕組みを勉強しています。
「労働基準法を終わらせて、労働安全衛生法を始めよう」というのは、時間的余裕がある方の勉強法です。
短期間で合格を目指す方は、社会保険の基本構造を覚えてしまってから、足りない箇所を補う横断的学習が適しています。
例えば、社会保険の基本構造をまとめると以下のとおりです。
- 適用事業所(強制適用、任意適用の要件など)
- 被保険者(強制加入、任意加入、取得と喪失の要件・時期など)
- 給付の通則(支給期間、支払期月、未支給の取扱など)
- 保険給付(支給要件、支給額、停止、失権)
- 給付制限(絶対的給付制限、相対的給付制限、停止、差止)
- 保険料(徴収期間、保険料額、納期限、延滞金、滞納処分など)
- 時効(起算日、期間など)
- 不服申立て(対象処分、審査機関、請求期間、訴訟との関係)
※社労士「合格への架け橋」参照
社労士合格に効果的な勉強法
社労士の勉強中に、自分の勉強法は間違っていないだろうかと不安になる方もいるでしょう。
社労士合格に近づける賢い勉強法があれば、当然知りたいところです。
しかし「こうすれば合格間違いなし」といった勉強法は残念ながらありません。
そこでこの章では、社労士合格に効果的とされる勉強法を3つご紹介します。
すでに実践されている方は、自信を持って勉強に励んで下さい。
暗記と理解の融合
社労士試験に大切なのは「暗記」と「理解」のどちらでしょうか。
しばし、論争になる問題ですが、大半の方はどちらも必要であると答えています。
例えば、社労士の試験範囲すべてを暗記するのは、一部の方を除けばおよそ不可能です。
そこで重要なのが背景を理解する作業で、暗記できない部分を効率的にインプットできます。
明らかに条令の一部に間違いがある場合は、暗記で対処し、言い回しを変えた問題は背景理解でカバーすると正答率が安定するためおすすめです。
- テキストの音読
→音読は視覚に加え、聴覚を必要とするため記憶の定着に効果がある - キーワードの書き出し
→重要語句を中心にメモを残すと、条令文の全体像が掴める - 語呂合わせ
→あくまで最終手段として、どうしても忘れてしまう用語にのみ適用する
社労士の勉強は、暗記と理解のほかに「反復」が重要とされています。
次の段落では、反復の重要性を解説します。
何度でも繰り返し学習する
瞬間記憶能力をお持ちの方は別として、人間は忘れる生き物です。
では、どうやって試験本番まで記憶に留めておくのかと言えば「反復学習」しかありません。
社労士の試験範囲は膨大で、半年前に勉強した用語が頭から抜けることも珍しくないです。
泥臭いやり方ですが、テキストを読んでから問題を解く、この繰り返しこそが合格への近道でしょう。
解答速度を意識する
試験範囲の大半を覚えたところで、時間内にアウトプットしなければ意味がありません。
1問ずつ丁寧に解答するのは大切ですが、時間切れになっては努力が水の泡です。
正答率が100%でも、解答率が60%では不合格になってしまいます。
ちなみに社労士試験で1問にかけられる時間は以下の通りです。
- 選択式……40問を80分(1問あたり2分)
- 択一式……70問を210分(1問あたり3分)
解答速度を上げるためには、過去問を反復したり、模擬試験を多用したりすると効果が期待できます。
社労士試験は記述式問題が出題されないものの、計算問題がいくつか出題されるため、解答速度を上げる努力が必要です。
社労士合格に適した学習スケジュール
受験生は、社労士試験の出題科目すべてを勉強するわけですが、やみくもに手を付けていては合格が遠のきます。
実は、社労士合格のために適した勉強順番が存在し、数多くの受験生がこの方法で合格を掴み取りました。
この章では、勉強期間を1年間とし、何月にどの科目を勉強すべきかを解説します。
- 最初は労働基準法から始める
- 基礎科目→応用科目の順番で勉強する
- 社会保険に関する一般常識は最後に勉強する
9月:準備段階
9月は社労士試験に向けた準備段階です。
この時期は以下の目標を達成しましょう。
- 教材・講座選び
→各予備校のサンプル教材や無料体験講座を検討して、自分に合った講座を選ぶこと - 社労士試験の入門書やガイドブックを読む
→入門書を読み込むことで、本格的なテキストに取り掛かる下準備になる - 試験問題の解き直し(前回受験者のみ)
→自分の弱点が把握でき、学習スケジュール作成に役立つ
10月:労働基準法と労働安全衛生法
10月に入ると、本格的な勉強のスタートです。
セオリー通り、労働基準法から始めて、労働安全衛生法まで勉強しましょう。
- 労働基準法について
→労働基準法は範囲が膨大ですが、毎年出題される箇所が決まっています。
具体的に言えば「総則・労働契約・賃金・労働時間・年次有給休暇・就業規則」の6項目です。
頻出用語を意識したり、規定の内容を正確に理解したりして土台を作りましょう。 - 労働安全衛生法について
→労働安全衛生法は専門用語が目立ち、暗記がメインです。
択一式に関しては時間をかけるべき科目ではありませんが、選択式では重要な科目となります。
そのため、普段の勉強から選択式で出題されることを想定しておきましょう。
11月:労働者災害補償保険法と雇用保険法
11月は労働者災害補償保険法と雇用保険法を勉強する時期です。
特に労働者災害補償保険法は試験の得点源となる科目で、満点を目指す気持ちで臨みましょう。
- 労働者災害補償保険法について
→この科目に関しては、頻出分野を押さえることが大切です。
「保険給付・適用関係・時効・通勤災害」の4項目は、過去問や予想問題集で必ずチェックしておきましょう。
また、徴収法との横断的学習も効果を発揮します。 - 雇用保険法について
→雇用保険法の要は「失業等給付」で、基本手当については確実に習得しておきましょう。
とにかく類似用語が目立ち、高年齢と付く用語だけでも「高年齢雇用継続給付・高年齢再就職給付金・高年齢求職者給付金」など数種類存在するため、注意が必要です。
労働者災害補償保険法と同じく、徴収法との横断的学習も効果を発揮します。
12月:徴収法と労務管理その他の労働に関する一般常識
12月は「徴収法」と「労務管理その他の労働に関する一般常識(労一)」を勉強する時期です。
特に労一は、社労士試験の中で最難関と呼ばれる科目で、苦手科目にすると辛いでしょう。
- 徴収法について
→徴収法では「〇%」や「〇日以内」など数字を扱った問題が頻出されます。
数字を正確に暗記することはもちろん、計算問題に備えて手を動かすのも重要です。
注意点は、頭でシミュレートするだけで終わらないことです。
どんなに簡単な計算であっても、紙の上で計算するように心がけましょう。 - 労一について
→労一は毎年足切りにあう方が続出する科目です。
労一は、択一式・選択式どちらも気を緩めることができず、基本から知識を深めていく以外、方法がありません。
「法令を理解すること」「労務関連用語を押さえること」「白書・統計対策をすること」の3つを忘れずに勉強しましょう。
1~2月:健康保険法と国民年金法
年を明けた1~2月は、健康保険法と国民年金法の勉強をする時期です。
特に健康保険法は得点源となる科目で、完璧に近い状態にしておきましょう。
- 健康保険法について
→過去問の言い回しを換えた問題が本試験に出題されるため、過去問対策が重要になります。
また「総則・被保険者・保険給付・費用の負担」の4キーワードは習得必須です。
しかし、本則以外からの出題があるため、講座利用が必要不可欠な部分もあります。 - 国民年金法について
→国民年金法は次に解説する厚生年金保険法の土台となるため、非常に重要です。
頻出事項である「老齢基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金・被保険者・届出等・第1号被保険者に対する独自給付・保険料・保険料免除・基金」に関しては習得必須でしょう。
2~3月:厚生年金保険法と社会保険に関する一般常識
2~3月は厚生年金保険法と社会保険に関する一般常識(社一)の勉強をする時期です。
セオリー通り、社一は一番最後に勉強します。
- 厚生年金保険法について
→厚生年金保険法は常に国民年金法との違いを意識して勉強しましょう。
国民年金法との類似点・相違点をまとめて勉強すると効率的です。
頻出項目である「老齢厚生年金・障害厚生年金・遺族厚生年金・被保険者・保険料・届出・通則・基金」は習得必須です。 - 社一について
→社一に関しては、広く浅くを心掛けて基準点クリアを目指しましょう。
頻出項目である「国民健康保険法・介護保険法・児童手当法・社労士法・社会保障制度の歴史・確定給付・確定拠出」は習得必須です。
4月:厚生年金保険法と国民年金法の復習
テキストを一周読破した4月は、厚生年金保険法と国民年金法の復習をする時期です。
この2科目は、膨大な出題範囲と複雑な給付制度のせいで、1回で全体像を捉えることが難しく、4月の早い段階で見直しておきましょう。
5月GW:社会保険科目の復習
5月GWは社会保険科目の復習時期です。
社会保険科目とは「社一・健康保険法・厚生年金保険法・国民年金法」の4科目を指します。
ここでも、2種類の年金法が入っていますが、それほど理解するのが難しい科目と言えるでしょう。
5月GW明け~7月末:総復習・直前対策
5月GWを明けてからは、いよいよ総復習の時期です。
過去問を中心にこなし、誤った箇所をテキストで復習する形になります。
過去問に関しては、後で選び方を説明しますが、最低10年以上の過去問が掲載されたものを購入しましょう。
最終的に、1つの過去問題集を5~6回繰り返し解けば、ある程度の自信が付きます。
ちなみに、模擬試験については最低1回は受けて下さい。
試験会場の緊張感を味わう意味で非常に重要です。
8月:弱点克服
本試験直前の8月は、苦手な分野の復習に時間を割きましょう。
法改正の情報だけは常にチェックしておいて下さい。
社労士過去問の使い方
社労士試験に合格するためには、過去問題集の活用は必須です。
受験生の大半は、テキストと同時に過去問題集を購入しているでしょう。
しかし、購入した過去問題集を有効に活用できる方は少数派だとされています。
例えば、本試験直前にもかかわらず、折り目ひとつない綺麗な状態になっている方は要注意です。
この章では、社労士合格に向けた正しい過去問題集の活用法を解説します。
常にテキストと併用する
過去問題集はテキストを一周してから取り掛かるものとは限りません。
社労士の勉強においては、過去問題集もテキストの一部です。
まず、社労士受験の場合、テキスト1周だけで半年が過ぎてしまいます。
この時点で、過去問題集を活用しないと、自分が本当に理解できたかも不確かなまま、別の科目に移行する形になりかねません。
初めから正答しようと考えずに、間違った箇所をテキストと照らし合わせて勉強する形が理想的です。
そのためには、テキストと過去問題集は常に併用して勉強しましょう。
出題傾向を読み取る
過去問題集を自分の現状を知るために活用するのは1つの手です。
「総合で何点取れたかな」とか「本番なら労一で足切りだな」とか確認材料としては持ってこいでしょう。
しかし、それだけでは過去問題集を活用できたとは言えません。
あらゆる問題を解き、出題傾向を読み取ることが重要です。
「この解法パターンは毎年出題されている」「2年に1回はこの条例が出題されている」などを見抜ければ、本試験の問題を予想できます。
予備校に通っている方は、講義内で頻出ポイントを教えてもらう機会もありますが、自分の肌で感じることが大切です。
社労士過去問の選び方
書店に出向くと、さまざまな出版社から社労士の過去問題集が発売されています。
皆さんは、掲載されている問題が同じという理由から、何も考えずに選んでいませんか?
実は、過去問題集の中にも「使える問題集」と「使いづらい問題集」があります。
この章では、使える過去問題集の選び方を3つご紹介します。
最終的に選ぶのは皆さんですが、ぜひ参考にして下さい。
選び方1:過去10年分以上が収録されている
過去問をひたすら解けば合格できるかと言えば、そうではありませんが、最低10年分の過去問は解いておくべきです。
最近の過去問題集は10年分以上が収録されたものばかりで、探すのに苦労はしないでしょう。
では、なぜ10年分の過去問を解く必要があるのか、その理由は2つあります。
- 科目ごとの出題傾向や論点を知ることができる
- 勉強内容に優先順位をつけられる
社労士の勉強において、効率の良さは最重要項目です。
テキストだけでなく、過去問においても効率性を重視しましょう。
選び方2:問題と解説が対になっている
過去問題集の構造は、見開きで左に問題、右に解説が掲載された形が理想的です。
もし問題と解説が別の冊子に収録されている場合、該当の問題と解答を照らし合わせるのに余計な手間がかかってしまいます。
最近の過去問は、解答が横目で見えないように工夫もされているため安心です。
また、解答欄にチェックポイントや重要語句などのアイコンがあると尚いいでしょう。
選び方3:分野別に整理されている
書店に並ぶ過去問題集は、分野別と年代別の2種類に分かれています。
もし、あなたが社労士に合格したいなら、迷わずに分野別の過去問題集を選んで下さい。
その理由は以下の3つです。
- 知識を効率的に定着させられる
- 出題傾向の把握に時間がかからない
- 自分の苦手分野が一目でわかる
過去問の内容を数ページ確認するだけなら、店員から注意は受けないでしょう。
1年間付き合う書籍だからこそ、慎重に選ぶことが大切です。
社労士の勉強時間:まとめ
今回は社労士の勉強時間について、他資格と比較しながら解説しました。
それでは内容を軽くおさらいします。
- 社労士合格に必要な勉強時間は、800~1,000時間とされ、独学で挑む場合は最低1,000時間
- 必要な勉強時間を比較すると、司法書士>社労士>行政書士の順になる
- 短期間で合格を目指す場合、満点を狙わないなど3つのコツが鍵となる
- 社労士の合格に効果的な学習スケジュールが存在する
社労士試験は年に1回だけ実施されるため、適切な学習スケジュールを組んで、悔いのないよう挑みましょう。
社労士の学習をする際には、社労士の通信講座の利用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
なお、当サイトのおすすめはスタディングの社労士講座です。