- 「基本情報技術者試験は過去問だけで十分?」
- 「何年分の過去問を用意すればいい?」
- 「午後試験の解説が丁寧な過去問を知りたい!」
基本情報技術者はITエンジニアにとって登竜門的立ち位置の国家資格です。
基本情報技術者試験に合格するには、ITにまつわる幅広い知識が必要となります。
幅広い分野を学習するうえで、テキストでのインプットはもちろん、過去問でのアウトプットが重要です。
この記事では、基本情報技術者試験の過去問を有効利用する方法と、試験の概要も紹介しています。
さらに当サイトでは、基本情報技術者の通信講座について紹介している記事もあるため、ぜひこちらも併せてお読みください。
→基本情報技術者の通信講座の記事はこちら
基本情報技術者ってどんな資格?
基本情報技術者は、ITエンジニアに必要とされる基本的な知識やスキルを証明する国家資格です。
- 企業経営・社会システムが抱える課題に対して、情報技術を活用した戦略立案に参加
- システムの設計・開発を行う
- 既存製品を組み合せ、業務を最適化することで、信頼性・生産性の高いシステムを構築
- 安定的な運用サービスの手助け
技術力はもちろんですが、ITエンジニアとして活躍するにはクライアントの悩みを理解し、それを実現する力が必要です。
そのため技術力だけでなく、経営やマネジメントについての知識も問われます。
ITエンジニアとして必須な非常に幅広い分野の基礎となる知識が詰め込まれた資格です。
基本情報技術者の過去問活用法
基本情報技術者試験は午前試験と午後試験の2部制で行われます。
2021年より採用されている「CBT方式」により、午前・午後試験を別日に分割して受験可能となりました。
そのため、午前・午後という名称は試験を受けられる時間を指定したものではないため、注意しましょう。
基本情報技術者試験の勉強で、過去問は非常に大切な存在です。
試験範囲が広いため、テキストでのインプットだけでなく、早めにアウトプットの練習をはじめましょう。
午前・午後試験それぞれで過去問の活用法や効率的な勉強法が異なります。
常に「自分は今午前・午後のどちらを勉強しているか」意識するようにしましょう。
午前試験勉強での過去問活用方法
基本情報技術者の午前試験は、全80問のうち約40%が過去問と同じ問題で出題される傾向があります。
100点満点中60点以上の得点が合格ラインで、1問あたりの配点は一律1.25点なので、過去問対策をしっかり行えば、約50点分を得点できる計算です。
一般的に午後試験の難易度が高いと言われているため、午前試験は確実に、かつ早急に対策をとる必要があります。
効率的な学習のために、過去問は次のように活用しましょう。
- テキストで全体的な知識をインプット
- 過去問を試験と同じ環境で解く
- 間違えた問題・迷った問題をピックアップ
- スマホなどで写真を撮って隙間時間に復習
試験内容は、毎回ほぼ固定の問題数で出題されます。
- テクノロジ系:50問(問1~50)
- マネジメント系:10問(問51~60)
- ストラテジ系:20問(問61~80)
テクノロジ系が全体の約60%を占めており、中でもセキュリティ関連の問題が多い傾向です。
インプットの際は、テクノロジ系を中心に学習しましょう。
試験本番では、150分の制限時間中にPC画面上で問題を見ながら解きます。
試験方式に慣れることも重要なので、普段の学習から試験本番を意識しましょう。
間違えた問題を中心に、解答中迷った問題や自分の中に落とし込めていない問題をピックアップし、スマホで写真を撮っておくと電車移動中などにも復習ができます。
まとまった勉強時間を取れる日は午後試験対策に力を入れたほうが効率的なので、午前試験は隙間時間を積極的に活用しましょう。
また、スマホなら、楽天モバイルのキャンペーンを活用すると、お得に契約することもできます。
最新機種で綺麗な写真を撮れば、参考書などを見返すこともできるでしょう。
午後試験勉強の活用方法
午後試験も午前試験と同じく、100点満点中60点の得点が合格ラインです。
配点は次の表を参考にしてください。
問題番号 | 出題分野 | 選択有無 | 配点 | |
出題数 | 解答数 | |||
問1 | 情報セキュリティ | – | 必須問題 | 20点 |
問2~問4 | ソフトウェア・ハードウェア データベース ネットワーク ソフトウェア統計 |
3問 | 2問 | 各15点 |
問5 | プロジェクトマネジメント サービスマネジメント システム戦略 経営戦略・企業と法務 |
1問 | ||
問6 | データ構造とアルゴリズム | – | 必須問題 | 25点 |
問7~問11 | プログラム言語問題(C/Java/Python/アセンブラ/表計算) | 5問 | 1問 | 25点 |
11問 | 5問 | 100点 |
午後試験では、午前試験と異なり過去問と同じ問題は出題されません。
しかし、全体的な傾向や問題形式に慣れるために、過去問の活用は必須です。
午後試験は、幅広い範囲の知識と共に問題の読解力も必要とされるため、できるだけ多くの問題に触れ、読解力向上を目指しましょう。
おすすめの勉強方法は午前試験と同じく、まずは試験と同じ形式(150分・PCで問題のPDFを表示)で問題を解くことです。
その後、解説やテキストの該当ページをゆっくり読み、内容を自分の中に落とし込みましょう。
午前試験対策では隙間時間を活用した学習方法をおすすめしましたが、午後試験対策では、可能な限りまとまった時間を取り、1問1問に対する理解度を高めることが重要です。
何年分の過去問が必要?
何年分の過去問が必要かは、その人の習熟度によっても異なるため、断言はできません。
基本的に、自分が満足いくまでトライアンドエラーを続けることがおすすめです。
あくまで目安ですが、実務経験があれば午前試験5~10年分、午後試験は問題形式に慣れるため4~5年分で傾向の把握から試験形式への慣れが出てきます。
初学者の場合は、午前試験10~15年分、午後試験は10年分程度解くと傾向をつかめるでしょう。
上記でも説明しましたが、ただ解くだけではなく、一つひとつの問題に対して理解を深めることが大切です。
午前試験は量を重視し、間違えた問題を中心に復習、午後試験は質を重視し、読解のコツや出題傾向を感覚としてつかみましょう。
初学者の場合でも、丁寧に復習できる問題量を良い気すると効率が上がります。
参考書は必要?
ここまで、基本情報技術者の試験勉強では過去問が重要だとお伝えしてきましたが、参考書ももちろん大切です。
IT用語は似たようなアルファベットの羅列が多く、慣れていても迷う瞬間があります。
そのため、実務経験のある方も初学者の方も、全体を把握できる参考書が1冊用意しましょう。
参考書を選ぶ際、イラストや図で視覚的に理解を深められるものがおすすめです。
合格に必要な勉強時間は?
合格に必要な学習時間も、既存の知識量によってさまざまですが、今回は通信講座で示されている標準学習期間を参考に考察しました。
基本情報技術者通信講座の標準学習期間を参考に考えると、初学者の方で約200~300時間、実務経験のある方で50~100時間程度です。
初学者向けの多くの通信講座では、1日2時間の学習時間を確保した場合3~6カ月の標準学習期間を設けています。
1日2時間、3~4カ月で約200時間となります。
一方、経験者の場合は1日2時間の学習で1~2カ月程度の場合が多く、約50~100時間の学習時間を確保しています。
特に午後試験対策はまとまった学習時間が必要なため、できるだけゆとりをもって学習をはじめましょう。
基本情報技術者は独学でも合格できる?
基本情報技術者の試験は、経験者の場合独学でも十分合格が可能です。
日常的にIT用語に触れている場合は、特に午前試験の内容について大きなアドバンテージを得られます。
一方、初学者の場合は独学での受験はおすすめできません。
初めてIT知識に触れる場合「ITパスポート」という基礎知識試験から学習を始めてみましょう。
ITパスポートの勉強がスムーズにできた場合は、基本情報技術者の勉強も独学で進められる可能性があります。
無機質なアルファベットの羅列や、広義の単語などの理解に時間がかかり、学習への意欲低下を避けるため、ITパスポートの勉強をクッションとして挟むと良いでしょう。
基本情報技術者の試験概要
基本情報技術者の試験内容や合格率など、基本的な事項を見ていきましょう。
試験日 |
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合格ライン |
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合格率 |
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試験方式 |
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試験受付期間 |
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※合格ライン・合格率は令和4年試験の結果
基本情報技術者の試験は形式上、午前試験と午後試験に分かれています。
ただし2020年より試験形式がCBT方式になった影響で、1日で受験する必要がなくなったため午前・午後という名称のみ残っています。
これは、2020年より続く新型コロナウイルス感染症対策でCBT方式の導入が決まったためです。
試験運営元のIPAより引き続きCBT方式で試験が行う予定であるとされていますが、少し先の受験を考えている場合は、試験方式もしっかり確認しましょう。
CBT方式とは?
CBT方式とは「Computer Based Testing」の略称で、ペーパー試験ではなく、PC上で行う試験方式です。
プロメトリック株式会社の申し込みページから、自分で試験会場や試験日程を選びます。
試験会場には個別ブースにそれぞれPCが配置されており、会場側から指定されたブースにて試験を受けます。
現状、出題形式は試験問題を単純にPDF化したようなイメージです。
このCBT方式はSPI試験などでも活用されているため、就職活動や大学授業の一環で触れた経験があるかもしれません。
試験方式がCBT方式になったことによる、メリット・デメリットについても確認しておきましょう。
メリット |
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デメリット |
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デメリット部分は、日々の学習から意識しておきましょう。
普段の試験勉強中にPC画面上でテキストや問題を見ることに慣れておくと、試験当日の負担を減らせます。
申し込み方法
基本情報技術者試験の申し込みは、受付期間中に入金後、プロメトリック株式会社のページにアクセスし、試験会場の予約を取る必要があります。
その際、受ける時間帯にかかわらず必ず午前試験→午後試験の順番で申し込みましょう。
CBT方式を導入する前の名残で、試験名が午前・午後試験となっていますが、それぞれ時間の指定はありません。
受験の順番さえ守れば、日が分かれてしまっても問題ないため、自分の都合に合わせて日程を選びましょう。
また、申込可能な試験日は申込日を1日目として60日目の試験日までです。
午前・午後を分けられるため、申し込んだタイミングと試験可能な期間に注意しましょう。
合格率
基本情報技術者の合格ラインは午前・午後ともに60点以上と定まっています。
幅広い分野を網羅的に学習し、苦手を減らす勉強法を心掛けましょう。
合格率の推移は下記の通りです。
実施 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2017年春期 | 48,875人 | 10,975人 | 22.5% |
2017年秋期 | 56,377人 | 12,313人 | 21.8% |
2018年春期 | 51,377人 | 14,829人 | 28.9% |
2018年秋期 | 60,004人 | 13,723人 | 22.9% |
2019年春期 | 54,686人 | 12,155人 | 22.2% |
2019年秋期 | 66,870人 | 19,069人 | 28.5% |
2020年春期 | 中止 | ||
2020年秋期 | 52,993人 | 25,499人 | 48.1% |
2021年春期 | 32,549人 | 13,544人 | 41.6% |
2021年秋期 | 52,831人 | 21,667人 | 41.0% |
2022年春期 | 37,574人 | 14,399人 | 38.3% |
2022年秋期 | 45,618人 | 15,919人 | 34.8% |
2020年春期試験は新型コロナウイルス感染症対策のため中止となっています。
その後CBT方式が導入されてから、もともと20%前後だった合格率が40%超えとなりました。
2020年春期に受験をできなかったため、2020年春期に受験を考えていた方の学習期間が単純に延びたことや、記念受験が減った結果と考えられ、現時点では試験難易度が下がったとは判断できません。
また、CBT方式の導入により午前試験の免除を受けていない場合でも分割受験が可能になり、試験への集中力が向上した可能性もあります。
合格ラインは変化していないため、合格率の上昇に惑わされず、苦手分野を確実につぶしていきましょう。
基本情報技術者の過去問:まとめ
今回は基本情報技術者試験の試験概要や過去問・勉強方法をご紹介しました。
ITの進歩が著しい中、エンジニアに対して高い技術力を求められるようになっています。
2019年度までは20%前後の合格率で、2020年度以降40%前後の合格率が見られますが、新型コロナウイルス感染症からの影響もあり、単純に試験難易度が下がったとは考えづらい状況です。
合格率に惑わされず、確実に解答できる問題を増やしましょう。
幅広い問題に対して「苦手分野」を減らすことで、合格を狙えます。
今回の記事の内容を参考に、試験対策を徹底し基本情報技術者試験合格を目指しましょう。
さらに当サイトでは、基本情報技術者の通信講座について紹介している記事もあるため、ぜひこちらも参考にしてください。
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