- 「基本情報技術者試験は過去問だけで十分?」
- 「何年分の過去問を用意すればいい?」
- 「科目Bの解説が丁寧な過去問を知りたい!」
基本情報技術者はITエンジニアにとって登竜門的立ち位置の国家資格です。
基本情報技術者試験に合格するには、ITにまつわる幅広い知識が必要となります。
幅広い分野を学習するうえで、テキストでのインプットはもちろん、過去問でのアウトプットが重要です。
この記事では、基本情報技術者試験の過去問を有効利用する方法と、試験の概要も紹介しています。
さらに当サイトでは、基本情報技術者の通信講座について紹介している記事もあるため、ぜひこちらも併せてお読みください。
→基本情報技術者におすすめの通信講座6選と失敗しない選び方の記事はこちら
基本情報技術者ってどんな資格?
基本情報技術者は、ITエンジニアに必要とされる基本的な知識やスキルを証明する国家資格です。
- 企業経営・社会システムが抱える課題に対して、情報技術を活用した戦略立案に参加
- システムの設計・開発を行う
- 既存製品を組み合せ、業務を最適化することで、信頼性・生産性の高いシステムを構築
- 安定的な運用サービスの手助け
技術力はもちろんですが、ITエンジニアとして活躍するにはクライアントの悩みを理解し、それを実現する力が必要です。
そのため技術力だけでなく、経営やマネジメントについての知識も問われます。
ITエンジニアとして必須な非常に幅広い分野の基礎となる知識が詰め込まれた資格です。
基本情報技術者の過去問活用法
基本情報技術者試験は科目Aと科目Bの2部制で行われます。
なお、科目A・科目Bを別日には受験できないため、注意しましょう。
基本情報技術者試験の勉強で、過去問は非常に大切な存在です。
試験範囲が広いため、テキストでのインプットだけでなく、早めにアウトプットの練習をはじめましょう。
科目A・科目Bそれぞれで過去問の活用法や効率的な勉強法が異なります。
常に「自分は今科目A・科目Bのどちらを勉強しているか」意識するようにしましょう。
科目A勉強での過去問活用方法
基本情報技術者の科目Aは、全60問のうち約40%が過去問と同じ問題で出題される傾向があります。
100点満点中60点以上の得点が合格ラインで、1問あたりの配点は一律1.25点なので、過去問対策をしっかり行えば、約50点分を得点できる計算です。
一般的に科目Bの難易度が高いと言われているため、科目Aは確実に、かつ早急に対策をとる必要があります。
効率的な学習のために、過去問は次のように活用しましょう。
- テキストで全体的な知識をインプット
- 過去問を試験と同じ環境で解く
- 間違えた問題・迷った問題をピックアップ
- スマホなどで写真を撮って隙間時間に復習
試験内容は、毎回ほぼ固定の問題数で出題されます。
- テクノロジ系:約41問
- マネジメント系:約7問
- ストラテジ系:約12問
テクノロジ系が全体の約70%を占めており、中でもセキュリティ関連の問題が多い傾向です。
インプットの際は、テクノロジ系を中心に学習しましょう。
試験本番では、90分の制限時間中にPC画面上で問題を見ながら解きます。
試験方式に慣れることも重要なので、普段の学習から試験本番を意識しましょう。
間違えた問題を中心に、解答中迷った問題や自分の中に落とし込めていない問題をピックアップし、スマホで写真を撮っておくと電車移動中などにも復習ができます。
まとまった勉強時間を取れる日は科目B対策に力を入れたほうが効率的なので、科目Aは隙間時間を積極的に活用しましょう。
また、スマホなら、楽天モバイルのキャンペーンを活用すると、お得に契約することもできます。
最新機種で綺麗な写真を撮れば、参考書などを見返すこともできるでしょう。
科目B勉強の活用方法
科目Bも科目Aと同じく、1,000点満点中600点の得点が合格ラインです。
配点は次の表を参考にしてください。
出題分野 | 出題数 |
情報セキュリティ | 4問 |
データ構造及びアルゴリズム | 16問 |
基本情報技術者試験の科目Bは、2023年4月の制度変更により大幅に出題形式が変更されました。
特に難易度が上がったと感じる大きな要因として、公式の過去問が存在しない点が挙げられます。
従来の試験では過去問演習が有効な対策手段でしたが、新試験ではCBT方式が導入されたため、公式サイトでの過去問公開が廃止されました。
そのため、従来のように過去問を繰り返し解いて傾向をつかむ学習方法は難しくなっています。
さらに、出題範囲も大幅に変更され、選択式だったプログラム言語の問題が廃止されました。
現在の科目Bは「アルゴリズムとプログラミング」が全体の8割を占め、残り2割が情報セキュリティ分野となっています。
そのため、過去の試験形式とは異なり、プログラミングやアルゴリズムの理解がより重要になりました。
新形式に対応するためには、疑似言語の演習を中心にアルゴリズムの理解を深めることが必須です。
また、過去の情報処理試験や応用情報技術者試験の類似問題を活用し、新たな出題形式に慣れることも有効でしょう。
何年分の過去問が必要?
何年分の過去問が必要かは、その人の習熟度によっても異なるため、断言はできません。
基本的に、自分が満足いくまでトライアンドエラーを続けることがおすすめです。
あくまで目安ですが、実務経験があれば科目A5~10年分で傾向の把握から試験形式への慣れが出てきます。
初学者の場合は、科目A10~15年分程度解くと傾向をつかめるでしょう。
上記でも説明しましたが、ただ解くだけではなく、一つひとつの問題に対して理解を深めることが大切です。
科目Aは量を重視し、間違えた問題を中心に復習しましょう。
初学者の場合でも、丁寧に復習できる問題量を良い気すると効率が上がります。
科目Bはアルゴリズムの勉強が重要
科目Bはアルゴリズムに関する問題が多く、十分な対策が必要です。
しかし、過去問が公開されていないため、従来の試験のように過去問演習だけで対策を進めることができません。
そのため、まず活用すべきなのがIPA(情報処理推進機構)が公開している「令和5年度の試験問題」と「科目Bのサンプル問題」です。
どちらも公式サイトで無料公開されており、実際の出題形式に最も近い問題として練習できます。
また、アルゴリズムやプログラミングの基礎を強化するために、過去の応用情報技術者試験や類似する情報処理試験の問題を解くのも効果的です。
問題演習を通じて、疑似言語の理解を深め、問題の読解力を向上させましょう。
参考書は必要?
ここまで、基本情報技術者の試験勉強では過去問が重要だとお伝えしてきましたが、参考書ももちろん大切です。
IT用語は似たようなアルファベットの羅列が多く、慣れていても迷う瞬間があります。
そのため、実務経験のある方も初学者の方も、全体を把握できる参考書が1冊用意しましょう。
参考書を選ぶ際、イラストや図で視覚的に理解を深められるものがおすすめです。
合格に必要な勉強時間は?
合格に必要な学習時間も、既存の知識量によってさまざまですが、今回は通信講座で示されている標準学習期間を参考に考察しました。
基本情報技術者通信講座の標準学習期間を参考に考えると、初学者の方で約200~300時間、実務経験のある方で50~100時間程度です。
初学者向けの多くの通信講座では、1日2時間の学習時間を確保した場合3~6カ月の標準学習期間を設けています。
1日2時間、3~4カ月で約200時間となります。
一方、経験者の場合は1日2時間の学習で1~2カ月程度の場合が多く、約50~100時間の学習時間を確保しています。
特に科目B対策はまとまった学習時間が必要なため、できるだけゆとりをもって学習をはじめましょう。
基本情報技術者は独学でも合格できる?
基本情報技術者の試験は、経験者の場合独学でも十分合格が可能です。
日常的にIT用語に触れている場合は、特に科目Aの内容について大きなアドバンテージを得られます。
一方、初学者の場合は独学での受験はおすすめできません。
初めてIT知識に触れる場合「ITパスポート」という基礎知識試験から学習を始めてみましょう。
ITパスポートの勉強がスムーズにできた場合は、基本情報技術者の勉強も独学で進められる可能性があります。
無機質なアルファベットの羅列や、広義の単語などの理解に時間がかかり、学習への意欲低下を避けるため、ITパスポートの勉強をクッションとして挟むと良いでしょう。
基本情報技術者の試験概要
基本情報技術者の試験内容や合格率など、基本的な事項を見ていきましょう。
試験日 |
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合格ライン |
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合格率 |
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試験方式 |
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※合格ライン・合格率はCBTに移行後の結果
基本情報技術者の試験は形式上、科目Aと科目Bに分かれています。
次に、試験方式について紹介します。
CBT方式とは?
CBT方式とは「Computer Based Testing」の略称で、ペーパー試験ではなく、PC上で行う試験方式です。
プロメトリック株式会社の申し込みページから、自分で試験会場や試験日程を選びます。
試験会場には個別ブースにそれぞれPCが配置されており、会場側から指定されたブースにて試験を受けます。
現状、出題形式は試験問題を単純にPDF化したようなイメージです。
このCBT方式はSPI試験などでも活用されているため、就職活動や大学授業の一環で触れた経験があるかもしれません。
試験方式がCBT方式になったことによる、メリット・デメリットについても確認しておきましょう。
メリット |
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デメリット |
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デメリット部分は、日々の学習から意識しておきましょう。
普段の試験勉強中にPC画面上でテキストや問題を見ることに慣れておくと、試験当日の負担を減らせます。
申し込み方法
基本情報技術者試験の申し込みは、CBT-Solutions(シー・ビー・ティ・ソリューションズ)の受験者ポータルサイトから行います。
インターネット環境があれば、パソコンやスマートフォンなどの端末からいつでも手続き可能です。
利用者ID(マイページアカウント)の登録
受験を申し込むには、まず利用者ID(マイページアカウント)の作成が必要です。
利用者IDは個人を識別するためのもので、試験の申し込み・試験結果の確認・受験票のダウンロードなどに使用されます。
また、試験会場や受験日時の変更、領収書の発行なども利用者通じて行えるため、事前に登録を済ませておきましょう。
試験の詳細を選択
利用者IDとパスワードを登録したら、マイページにログインし、試験会場・試験日時・受験料の支払い方法を選択します。
試験日は申し込み日から3カ月後までの範囲で選択可能ですが、会場によって実施日や開始時間が異なるため、希望に合う日程を早めに確保しましょう。
再受験のルール(リテイクポリシー)
試験に不合格だった場合、同じ試験区分の再受験は前回の試験終了時刻から30日以上空ける必要があります。
ただし、試験を欠席した場合は30日ルールは適用されません。
次回の受験をスムーズに進めるため、リテイクポリシーを理解して計画的に申し込みを行いましょう。
合格率
基本情報技術者の合格ラインは科目A・科目Bともに60点以上と定まっています。
幅広い分野を網羅的に学習し、苦手を減らす勉強法を心掛けましょう。
合格率の推移は下記の通りです。
実施 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2021年春期 | 32,549人 | 13,544人 | 41.6% |
2021年秋期 | 52,831人 | 21,667人 | 41.0% |
2022年春期 | 37,574人 | 14,399人 | 38.3% |
2022年秋期 | 45,618人 | 15,919人 | 34.8% |
2023年度 | 121,611人 | 57,278人 | 47.1% |
CBT方式が導入されてから、もともと20%前後だった合格率が40%超えとなりました。
合格ラインは変化していないため、合格率の上昇に惑わされず、苦手分野を確実につぶしていきましょう。
基本情報技術者の過去問:まとめ
今回は基本情報技術者試験の試験概要や過去問・勉強方法をご紹介しました。
ITの進歩が著しい中、エンジニアに対して高い技術力を求められるようになっています。
2019年度までは20%前後の合格率で、2020年度以降40%前後の合格率が見られますが、単純に試験難易度が下がったとは考えづらい状況です。
合格率に惑わされず、確実に解答できる問題を増やしましょう。
幅広い問題に対して「苦手分野」を減らすことで、合格を狙えます。
今回の記事の内容を参考に、試験対策を徹底し基本情報技術者試験合格を目指しましょう。
さらに当サイトでは、基本情報技術者の通信講座について紹介している記事もあるため、ぜひこちらも参考にしてください。
→基本情報技術者におすすめの通信講座6選と失敗しない選び方の記事はこちら