前述のように、山形カシオの新棟は「時計製品の一貫生産専用の生産棟」として誕生しました。したがって、旧工場ではムーブメント製造部門とは別の棟にあった金型製造部門や射出成型部門、塗装、印刷などの部門も製造の動線を意識して、新棟内に配置されました。
たとえば、写真はムーブメントの心臓になるローターを自動的に製造する機械。まず、射出機に磁石がセットされ、自社製造の金型がこれを囲んで溶けた樹脂を射出。金型を外すと、磁石を包み込んだ形状のローターが製造できるという具合。いわゆる「インサート成型」ですね。そして出来上がったローターが取り外され、次の磁石がセットされます。
土田氏「ローターに使う磁石は事前に検査をしますが、サイズが1mmほどしかないので、ひと目では不良品がわかりません。そこで、カメラやセンサーによる3次元形状比較で傷や割れを検出して、良品だけをラインに流すようにしています。
ムーブメントの製造ラインもそうですが、実際のラインに流す前に、できる限りの検証やシミュレーションを行うようにして、そのために必要なシステムは自社内で開発しています。こうした工夫を重ねることで、24時間無人で生産ラインを運用できるのです」
なお、金型製造と射出成型の部門では、ベゼルやバンドなどの外装部品も製造しています。




