ログハウスを建てるか悩んでいませんか?ログハウスはフィンランドなど北欧で多く見られ、日本でも観光地のコテージや、キャンプ場のグランピング施設などで活用されています。
レジャーで利用して「ログハウスに住んでみたい」「家を建てるならログハウスを建てたい」と考える人も多いでしょう。
しかし、ログハウスは通常の家と異なる特徴を持っているため、建てて後悔した事例もあります。
そこで本記事では、ログハウスの特徴や魅力、一般住宅との違いを解説し、よくある後悔事例をタイプ別に紹介します。また、ログハウスの建築を後悔しやすいかどうかのセルフチェックも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- ログハウスは北欧発祥で、日本では観光地やグランピング施設として人気ですが、その特有の建築特性や維持管理の手間から後悔するケースもあるでしょう。
- 建築にはハンドヒューン工法とマシンカット工法があり、それぞれにコストやメンテナンスの差が存在。
- ログハウスの魅力は天然木のぬくもりやデザイン性にありますが、遮音性や温度調整といった難しい点については検討が必要です。
ハウスメーカーポジションマップ
【費用】が関係した後悔事例3選
ここからはログハウスを建てて後悔した事例をタイプ別に紹介します。まずは費用面で後悔したケースを見てみましょう。
注文住宅より高くついた
一般的な住宅と比べ、ログハウスを建てるほうが費用が高くなってしまう事例もあります。
ログハウスは壁や床だけでなく、天井なども含めてすべてを天然木でつくります。丈夫で質の良い木を使用しようとすると、どうしても建材費が高くなりやすいのが特徴です。
特に海外の木材を使用する場合には、木材自体の価格に加えて運送費や為替レートなどの影響も受けます。
最近では、円安や輸送燃料コストの高騰などにより、ログハウスの建築費用も値上がりの影響を受けています。
施工方法やデザインの見直し、工法をマシンカットにするといった工夫で費用を抑えやすくなります。必要な材料がセットになったログハウスキットの活用も手です。
メンテナンス費用がかかる
ログハウスは建てて住み始めてからのメンテナンスにもお金がかかります。ログハウスについて「思ったよりもメンテナンスが大変だった」という声も見られました。
特に外壁のメンテナンスは、かなり頻繁におこなわなければなりません。一般的な住宅の場合、外壁塗装は10年に1度ほどの頻度でおこなう場合が多いですが、ログハウスは築2~3年・その後5~10年ごとに塗り替えが必要になります。
つくりや建材の種類にもよりますが、次のメンテナンスも必要です。
- 外壁塗装
- ヤニ除去
- セトリング対策
- コーキング
- 凍結対策
ログハウスは、適切に手入れをしていれば長く住み続けられます。しかし、メンテナンスに手間や費用がかかる点はデメリットでしょう。
自分でメンテナンスできる範囲は取り組み、難しい作業は業者に依頼すると費用を抑えやすくなります。設計段階からメンテナンスしやすさを考慮した間取りにするのもよいでしょう。
薪ストーブの維持が大変
ログハウスが人気のある理由として、薪ストーブを導入しやすいことが挙げられます。実際に多くの人が導入していますが、薪ストーブの維持費が高くなりやすい点を後悔している声も見られました。
薪ストーブは家じゅうが暖かくなるだけでなく、炎の明かりや音にはリラックス効果があります。一方で、薪代や煙突掃除費用などがかかり続ける点はデメリットです。
環境によっては薪を集めたり割ったり、運んだりする手間がかかることもあるでしょう。さらに火を利用するので近隣への気遣いも必要です。
ログハウスを建てても薪ストーブの導入が必須なわけではありません。メンテナンスに労力やお金をかけたくない人は、イミテーションの薪ストーブや、他の暖房器具の導入を検討してもよいでしょう。
【工法・素材】が関係した後悔事例3選
続いて、ログハウスの工法や素材について後悔したケースを紹介します。工法や素材はログハウスの特徴的な部分ですが、実際に住み始めてわかるデメリットもいくつかあるようです。詳しく見てみましょう。
気密性が低い
ログハウスの気密性の低さを指摘する声もあり、「隙間風がある」「雨漏りする」などの口コミも多いです。
木は周りの環境に合わせて伸縮する性質があるため、乾燥や湿気によって木材が反ったり割れたりする恐れがあります。反りや割れの影響で隙間が生まれ、気密性が下がってしまうのです。
ログハウスは木材をそのまま壁や床として使用するため、その影響が生活に直接現れやすくなります。一般的な木材住宅に使用する反りや割れに強い建材は、ログハウスには使用が難しいことも気密性が低くなりやすい原因のひとつです。
地域特有の気候もふまえて施工できるハウスメーカーや工務店を選ぶと、季節に応じた隙間風や雨漏りへのアドバイスを受けやすくなります。
虫が発生しやすい
ログハウスは虫が寄ってきやすいデメリットもあります。虫が苦手で極力見たくない人には不向きかもしれません。
ログハウスに虫が発生しやすいのにはいくつかの理由があります。まず全体が木でできていることが挙げられ、鉄骨やコンクリートなどの家に比べると虫が寄ってきやすいです。
また、そもそも自然が多い場所に建てる場合が多いことも原因です。
ログハウスであること自体が、虫が発生しやすいすべての原因になっているわけではありませんが、ある程度の対策は必要となるでしょう。
忌避剤を撒いたり、虫が入ってくる隙間をふさいだり、家に入る前に服やカバンに虫がいないかチェックしたりするのも効果的です。
建築制限があった
ログハウスを建てたかったものの、建てられなかったケースもあります。
ログハウスは全体が木材でできているため、一部の地域の防火基準を満たさない場合があるためです。具体的には、防火地域・準防火地域に定められている地域地区には建築できない可能性があります。
防火地域・準防火地域とは、都市計画法で定められた火災対策に関する建築制限がある地域のことです。建物の建材や構造が規制されており、ほとんどのログハウスは基準を満たさず、原則建築できません。
一部のハウスメーカー・工務店では準防火構造の認定を受けている場合もあり、認定を受けたメーカーなら準防火地域でのログハウス建築が可能です。詳しくはハウスメーカーや工務店に問い合わせてみてください。
【間取り】が関係した後悔事例3選
ログハウスには間取りに関する後悔事例もあります。間取りは選択肢が多いため、ログハウスに限らず家づくりでは後悔の残りやすいポイントです。失敗事例を確認して、納得のいく間取りを実現しましょう。
間取りの自由度が低い
ログハウスは、間取りの自由度が低いデメリットがあります。
丸太材を積み重ねる構造のため強度を高めるべく、随所に丸太を十字に交差させるノッチが必要です。ノッチの場所は最低でも4ヵ所に設けなければならず、そのぶん間取りに制限がかかります。
また、壁が厚く収納スペースが取りづらい点もデメリットです。屋根も勾配がきついので屋根裏の収納もつくりづらく、シーズンオフに収納したいものが多い人には向いていないかもしれません。
ハウスメーカーによっては間取りの選択肢が多い場合もあるので、こだわりがある人は問い合わせてみるとよいでしょう。
音が響きやすい
ログハウスは、間取りの制限が多く仕切りがつくりにくいため、音が響きやすい難点もあります。
木材は吸音性が高く、外からの音はある程度遮ってくれます。しかし室内は音が反響しやすく、プライベートを保ちづらいと感じて後悔するケースもあるようです。
来客が多い家などは、声や音が気になる場合もあります。プライバシーを守りながら暮らすなら、トイレなど音を遮りたい場所に吸音材を追加するなどの工夫が必要です。
室内温度の調整がしづらい
「室内の温度管理が難しい」「空調が効くまでに時間がかかる」といった室内温度に関する後悔の意見もありました。
ログハウスは吹き抜けを設けるなど、広い空間の確保に適しています。しかし、空間が広ければ広いほど空調は効きづらくなり、むらなく涼しくしたり暖かくしたりすることが難しいです。
また、吹き抜けがあると、冬は薪ストーブで温まった空気が天井に逃げてしまうデメリットもあります。
サーキュレーターやシーリングファンを導入するなど、室内の温度が均等になるように工夫して快適に過ごしましょう。
ログハウスで後悔しないためのポイント
ログハウスには、費用面や工法・構造面、間取りなどにさまざまな欠点があります。この章では、ログハウスづくりで後悔を残さないポイントを解説します。
自分が優先したいことを明確にする
まずは自分の家づくりのイメージや希望を明確にしましょう。
ログハウスでの暮らしはおしゃれで写真映えしますが、憧れだけで建てるには配慮すべきデメリットが多いです。建てることを決心する前に、自分の価値観やライフスタイルを具体的にイメージし、それがログハウスに向いているか判断しましょう。
また、ともに暮らす家族の希望を聞き取っておくことも大切です。家族で新しい生活について話し合う時間を設けましょう。
事前の下調べを怠らない
家づくりでは事前の下準備をおこなうことが肝心です。特にログハウスは構造や建材が特殊なので、どのようなデメリットがあるかよく調べておく必要があります。
ログハウスに限らず、家を建てるなら次のポイントに着目して情報収集をおこないましょう。
- ハウスメーカーの実績・施工事例
- ハウスメーカーのサポートやサービス
- 土地の建築条件(建築制限、建ぺい率・容積率など)
- 土地の周辺情報(交通アクセス、災害経歴、ライフラインなど)
デザイン性など見た目に気を取られがちですが、家づくりは住み続けることを考えて慎重におこなう必要があります。ハウスメーカーや工務店を選ぶ際は、複数のメーカーで見積もりやカタログ請求をして比較することもおすすめです。
費用のシミュレーションをおこなう
ログハウスは費用面で後悔することも多いので、事前に入念な費用のシミュレーションをおこなっておくと安心です。購入・建築費用はもちろん、維持・メンテナンスにかかる費用も含めてシミュレーションしましょう。
また、住宅ローンの借り入れ可能額も確認が必要です。ローンは収入状況や貯蓄状況など、さまざまな情報から審査されます。良い土地はすぐに売れてしまうので、土地を探す前に資金繰りの方法を考えておいたほうがスムーズです。
【セルフチェック】ログハウスで後悔しやすい人とは
ここまでの解説を踏まえて、ログハウスづくりで後悔が残りやすい人の特徴をまとめました。次の特徴のうち、いくつあてはまるかセルフチェックしてみてください。
- 下調べや事前準備は面倒に感じる
- 希望を叶えるためには後先考えずに行動してしまいがち
- たとえ家族の声でも周りの生活音や声が気になる
- 業者や営業の人とコミュニケーションを取るのは苦手
- 便利な家電や設備を導入してスマートに生活したい
- 家づくりにあたって費用や予算面の不安が大きい
- 家具の組立や工具の扱いが得意ではない・好きではない
- ものの傷や汚れが気になる
- 虫を触ったり見たりすることが苦手
- 壊れたものは修理するよりも新しいものを買いたい
- 生活感のあるものは収納スペースに片づけてすっきり暮らしたい
- やらなければならない家事を減らして効率的に生活したい
上記の特徴に2~3点以上あてはまる人は、ログハウスづくりで後悔する可能性があります。
ハウスメーカーや工務店に相談し、憧れの暮らしや希望条件を家族で話し合いながら、他の選択肢も視野に入れて家づくりを進めてみてください。
後悔よりも満足が勝つ!ログハウスがおすすめの人
次のような人はログハウスを建てても後悔を残さず、デメリットも含めて楽しみながら暮らしていける可能性が高いです。
- アウトドアライフを求める人
- 家の経年や傷も味として楽しめる人
- DIYが好き・得意な人
- オーガニックな暮らしにこだわりたい人
- なんでも手間暇かけて育てることが好きな人
ログハウスは自然豊かな環境に建てることが多いので、家の中でも外でも自然を感じることができます。キャンプやアウトドアが好きな人は、趣味の知識を活かしながらログハウスでの暮らしを楽しめるでしょう。
また、ログハウスは経年による木の風合いの変化を感じられる家です。木材についた傷や汚れも、風合いや思い出として大切にできる人なら、メンテナンスも苦にせず続けていけるでしょう。
ログハウスとは
まずはログハウスの基本的な情報から解説します。この章では、ログハウスの定義・特徴、魅力、デメリットのほか、建築費用の相場などをまとめました。ログハウスづくりの検討に役立ててください。
ログハウスの特徴
ログハウスとは丸太を積み上げてつくる家のことで、ログとは丸太(LOG)を意味します。一般的な住宅でも丸太を柱や梁として使用することがありますが、ログハウスは丸太をそのまま壁として利用する点が特徴的です。
日本では和製英語のログハウスと呼ばれることが一般的ですが、海外ではログキャビンやログホームと呼ばれることが多いです。ログハウスのデザインのアイデアを調べる際は、そういったキーワードで調べてみるのもよいでしょう。
また、ログハウスの工法は2種類あります。
- ハンドヒューン工法
- マシンカット工法
ハンドヒューン工法はハンドと名が入っているように人の手で木材加工する工法で、木の丸い形や削り跡がそのまま残ったデザインが特徴です。
一方、マシンカット工法は工場で木材加工をして建てられるため、機能性が高く住み心地がよい近代的なログハウスがつくれます。
ログハウスのメリット・デメリット
ログハウスは、一般的な住宅と比べて特徴的なデザインで人気がありますが、デメリットもあります。メリット・デメリットを次の表にまとめました。
ログハウスのメリット | ログハウスのデメリット |
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木ならではの質感や温かみを活かしたデザインで、心身ともに健康的に過ごせるメリットがあります。一方で立地条件や導入設備など、ログハウスにするために諦めなければならない点もあるかもしれません。
ログハウスの価格・坪単価
ログハウスの価格は、設計や建築を依頼するハウスメーカーや工務店によって異なります。坪単価(1坪あたりの建築費用)でいうと、おおよそ45万~80万円程度が相場です。
ログハウスではない一般的な住宅を作るときの坪単価は、編集部のおこなったアンケートによるとローコストメーカーは44万円から、ハイコストメーカーでは90万円から115万円とわかりました。つまり、ローコストメーカーとハイコストメーカーの、中間くらいの価格帯といえます。
ログハウスが高くなる要因
ログハウスの価格が高くなる要因は、次のとおりです。
- 設計や建築を依頼するハウスメーカー
- 工法(ハンドヒューンorマシンカット)
- 木材・建材の種類
- 選ぶ設備のグレード
- 追加するオプション工事
例えば工法でいうと、工場でおこなうマシンカットよりも、手作業で人件費がかかりやすいハンドヒューンのほうが高くなります。
ログハウスに対応したハウスメーカーの1つがBESSの家です。概要や後悔事例を知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみてください。
ログハウスについてよくある質問
最後に、ログハウスについてよくある質問に答えました。ログハウスを建てるかの検討に役立ててください。
まとめ
ログハウスは個性的で木の温かみが感じられるデザインや、薪ストーブが導入しやすいことなど魅力の多い家です。しかしメンテナンスが大変、コストがかかる、建てられる土地が限られる、音が響きやすく温度管理が難しいなど、考慮すべきデメリットも少なくありません。
ログハウスは向き・不向きがあるので、今回紹介した後悔事例やチェックポイントを参考に、自分や家族の暮らしに合っているか見極めが必要です。他の工法の家と比較しながら、ライフスタイルに合った家づくりをしましょう。
その他の住宅メーカー、工務店の後悔したケースに関する記事
※「マイナビニュース不動産査定」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/
・https://www.rosenka.nta.go.jp/
・https://www.retpc.jp/chosa/reins/
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet
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