住宅を購入する際には、多くの人が住宅ローンを組みます。しかし、住宅ローンを組む機会は一生のうちでそれほど多くないため、初めて利用する場合は分からないことも多く、不安になる方もいるのではないでしょうか。
これから住宅ローンを利用するのであれば、すでに住宅ローンを利用している方々の具体的な借り入れ金額や年収、頭金や借り入れ期間など気になることが多々あるでしょう。今回は、住宅ローンを利用する際に気になるポイントを8つに絞り、それぞれの平均を紹介していきます。
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希望通りの住宅ローンを組むためには、すでに住宅ローンを利用している人たちが、どのような状況で住宅ローンを組んでいるのかを把握しておくことが大切です。ここでは、住宅ローンに関して重要な8つのポイントに関する平均をお伝えするので、今後住宅ローンを組む際の参考にしてください。
住宅の種類別ローンを利用した世帯年収の平均
住宅ローンを利用した世帯年収の平均は、購入した住宅の種類によっても異なりますが、500万〜800万円前後です。住宅の種類別の平均年収は以下を参考にしてください。
住宅の種類 | 平均年収 |
注文住宅 | 744万円 |
分譲戸建住宅 | 688万円 |
分譲マンション | 798万円 |
中古戸建て | 720万円 |
中古マンション | 694万円 |
ご覧のように分譲マンションの平均年収が最も高く、続いて注文住宅、中古戸建て住宅の順で高くなっています。
住宅の種類別ローン借入額の平均
実際に住宅ローンを利用して借り入れる金額も、住宅の種類によって異なります。住宅の種類別の住宅ローン借入額の平均は以下の通りです。
住宅の種類 | 平均借入金額 |
注文住宅 | 3,361万円 |
分譲戸建住宅 | 2,830万円 |
分譲マンション | 2,702万円 |
中古戸建て | 1,575万円 |
中古マンション | 1,551万円 |
購入する住宅の種類にもよりますが、おおよそ1,500万~3,000万円程度の借り入れを行う方が多いようです。
住宅の種類別ローン頭金の平均
一般的に住宅ローンを組む際は頭金を用意します。一定額の頭金を用意すれば全体の借入額が減るため、毎月の返済の負担も減らすことが可能です。
多くの場合、住宅ローンの頭金は購入額の10~20%程度です。以下の表では、住宅ローンの頭金の平均金額を住宅の種類別にまとめました。
住宅の種類 | 平均頭金 |
注文住宅 | 622万円 |
分譲戸建住宅 | 282万円 |
分譲マンション | 736万円 |
中古戸建て | 209万円 |
中古マンション | 352万円 |
更に住宅ローンの頭金の詳細を以下のサイトで紹介していますので、併せて押さえておきましょう。
住宅ローンを初めて利用する平均年齢
住宅ローンを初めて利用する人の年齢で最も多いのは、30代だといわれています。以下で、住宅の種類別の住宅購入時の平均年齢を紹介します。
住宅の種類 | 平均年齢 |
注文住宅 | 39.5才 |
分譲戸建住宅 | 37.4才 |
分譲マンション | 39.5才 |
中古戸建て | 42.9才 |
中古マンション | 44.2才 |
住宅ローンを初めて利用する年齢は、30代後半~40代半ばが最も多いのですが、住み替えなどで再度住宅ローンを組む人がいることから平均年齢は多少上がり、利用者の全体の平均は40代以上です。
住宅ローンの借入期間の平均
住宅ローンの平均借入期間ですが、注文住宅の場合は33年程度、中古マンションの場合は25年程度です。初めて住宅ローンを利用する年代が、30代後半~40代半ばであることを考慮すると、住宅ローンを完済する年齢の平均は60〜70代前後になります。
住宅ローンの金利の平均
新規借り換えの住宅ローンの金利については、2021年3月の段階で「変動金利」の平均が0.380%程度、「固定金利」が0.34〜0.499%程度、「フラット35」が0.590%です。
現在、金融市場における長期金利が上昇傾向にあることを考慮すると、今後住宅ローンの固定金利も上昇することが予想されます。ただし変動金利に関しては、コロナ禍における日銀の政策金利の動向から見ても、上昇する可能性は低いでしょう。
金利の種類別ローンの平均返済負担率
住宅ローンを組む際には、返済負担率を考慮することが重要です。返済負担率とは、年収における住宅ローンの返済額の割合をいいます。返済負担率が一定の数値を超えると返済自体が負担になり、貸し倒れのリスクがあることから金融機関が融資を渋る可能性が高まります。
平均返済負担率の基準は年収ごとに異なります。以下、それぞれの年収における平均返済負担率の基準について紹介します。
年収 | 平均返済負担率の基準 |
100万円以上〜300万円未満 | 20%以下 |
300万円以上〜450万円未満 | 30%以下 |
450万円以上〜600万円未満 | 35%以下 |
600万円以上〜 | 40%以下 |
基本的に、年収が多くなるほど平均返済負担率は高くなる傾向があります。年収が600万円以上の場合の平均返済負担率は40%以下になることから、仮に年収が1,000万円の方であれば、住宅ローンの年間の返済額は最低でも400万円になります。
住宅の種類別ローンの平均返済額
住宅ローンの返済額は、住宅の種類によっても異なります。住宅ローンを組むのであれば、自らの住宅の種類における月々の平均返済額と年間の平均返済額を、しっかりと押さえておくことが重要です。
以下で、住宅の種類に応じた住宅ローンの平均返済額について、年間と月に分けて紹介します。
住宅の種類 | 平均返済額(年間) | 平均返済額(月々) |
注文住宅 | 116.5万円 | 9.7万円 |
分譲戸建住宅 | 116.7万円 | 9.7万円 |
分譲マンション | 130.9万円 | 10.9万円 |
中古戸建て | 115.3万円 | 9.6万円 |
中古マンション | 104.3万円 | 8.7万円 |
上記の表からも分かる通り、最も平均返済額が高いのが分譲マンションで、最も低いのは中古マンションです。
自身に合った住宅ローンの組み方
住宅ローンを利用する際は、収入など自分の状況に合ったローンの組み方をすることが大切です。住宅ローンごとにかかる費用や返済方法、金利などが異なるため、それぞれの住宅ローンの特徴を把握した上で住宅ローンを組むように心がけましょう。
ここでは自分自身に合った住宅ローンの組み方を、ポイントを押さえながら解説していきます。
利用してみたい金利の種類を選ぶ
住宅ローンの金利には、以下の3つのタイプがあります。
- 変動金利
- 固定期間選択型
- 全期間固定金利
それぞれの金利には、以下のメリットやデメリットがあります。
金利のタイプ | メリット | デメリット |
変動金利 | 金利は低め | 金利が上昇するリスクあり |
固定期間選択型 | 一定期間金利を固定できる | 金利が上昇するリスクあり |
全期間固定金利 | 全期間金利を固定できる | 金利は高め |
住宅ローンの中には、特定の金利のタイプしか利用できないケースもあるので注意が必要です。自身の返済計画を考慮しながら、最適な金利タイプを選択しましょう。
住宅ローンの種類について詳細を知りたい人は、以下のサイトもおすすめです。
返済方法の種類を選ぶ
住宅ローンは、主に「元利均等返済」と「元金均等返済」の2つの返済方法があります。それぞれの返済方法の内容や特徴を一覧で紹介します。
返済方法 | 内容 | 特徴 |
元利均等返済 | 毎月の返済金額が一定 | ・借り入れ当初は利息の割合が高く、徐々に元金の割合が高くなる ・金融機関の取り扱いが多く、一般的 |
元金均等返済 | 毎月の返済金額における元金返済額が一定 | ・借り入れ当初の返済額は高いが、徐々に返済額が低くなる ・取り扱っている金融機関が少ない |
誰が住宅ローンの債務者になるのかを決める
住宅ローンを組む際は、誰を債務者にするのかを決める必要があります。単独で債務者を立てる場合と夫婦二人で債務者になる場合があり、それぞれのケースの違いを把握しておくことが重要です。
夫婦の一方が単独で債務者になる場合は、一般的には働いている方が債務者となり、共働きの場合は借入金額を考慮して、収入の多い方が債務者になります。夫婦二人で債務者になるケースには、ペアローンや連帯債務、連帯保証など3つのパターンがあります。
夫婦で組むローン形態 | 中身 |
ペアローン | 夫婦それぞれが別のローンを組む方法 |
連帯債務 | 夫婦の収入を合算して1つのローンを組む方法 |
連帯保証 | 夫婦の一方がローンを組み、他方は保証人になる方法 |
上記の表の中にもある、連帯債務について更に詳しく知りたい人は、以下のサイトもおすすめです。
住宅ローンの諸費用を比較
住宅ローンを利用すると、毎月の返済以外に金融機関に支払う手数料や税金、保険料なども発生します。具体的な費用は以下の通りです。
- 住宅ローン事務手数料
- 保証料
- 火災保険料
- 団体信用生命保険料
- 印紙税
- 不動産取得税
- 登録免許税
- 固定資産税
- 仲介手数料
金融機関ごとに設定されている金額が異なるので、住宅ローンを組む際はこれらの諸費用も考慮に入れることをおすすめします。
加入する団信の内容をチェック
諸費用の中にある団体信用生命保険(団信)の内容は、事前にしっかりと確認することが大切です。団信とは返済期間中に、仮に住宅ローンの債務者が死亡するか高度障害になった際に、返済が免除される保険です。
金融機関によって、団信の対象になる病気や具体的な負担額も異なるので、複数の金融機関の団信の中身を検討するように心がけましょう。
金融機関が提示している条件は最低限クリア
住宅ローンを申し込むにあたり、最低限金融機関が設定している条件をクリアする必要があります。申し込みの条件の具体的な中身としては、申し込み時の年齢や職業、年収や完済時の年齢などが挙げられます。
金融機関ごとに設定されている条件の中身は異なるので、まずは各金融機関の公式サイトで確認することをおすすめします。
返済可能な額で住宅ローンの申し込み
住宅ローンを申し込む際は、返済が可能な額かどうかをしっかりと考慮して申し込みすることが大切です。借入額を決めるポイントとして、返済比率が重要になります。返済比率とは年収に対する年間の返済額の割合で、審査の際に金融機関が重視するポイントです。
フラット35の返済比率の基準は、年収400万円未満は30%以下、年収400万円以上は35%以下です。あまりに返済比率が高いと審査に通らない可能性があるため、返済額は慎重に決めるようにしましょう。
住宅ローンを組む際の返済比率について詳細を知りたい人は、以下のサイトもおすすめです。
住宅ローンの審査を通りやすくするコツ
住宅ローンはただ杓子定規に申請するのではなく、いくつかポイントを押さえた上で申請することで審査に通りやすくなります。ここでは、住宅ローンの審査を通りやすくするためのコツを3つ紹介します。
購入する住宅のため頭金の用意
住宅を購入する際は、一定額の頭金を用意すると住宅ローンの審査に通りやすくなります。頭金を用意しなくても住宅ローンを組むことは可能ですが、その分トータルの借入額や毎月の返済額は増えることになり、負担が大きくなるので注意が必要です。
一般的には、住宅の金額の10〜11%程度を頭金として用意するケースが多いようです。もし4,000万円の物件を購入するのであれば、頭金は400〜440万円程度用意することをおすすめします。
返済比率を低くする
フラット35の返済比率の例からも分かりますが、年収に占める年間の返済額が少ないほど住宅ローンの審査に通りやすくなります。目安として返済比率を20%程度に抑えるのがおすすめです。
返済比率を低くする手段として、安い物件を購入する方法があります。年収は簡単には上がらないことから、返済比率を念頭に置いた上で購入する物件を探しても良いでしょう。
支払い中の借金は完済
住宅ローンの審査では、現在支払い中の借金の有無や残債、毎月の支払い金額なども考慮されます。住宅ローンを申請する前に借金を完済をしておけば、審査に通りやすくなるだけでなく、住宅ローンの返済に充てられるお金を捻出しやすくなるのでおすすめです。
住宅ローンの審査が不安な人はフラット35
大手メガバンクを始め、さまざまな金融機関が住宅ローンを取り扱っており、どのサービスを申し込めば良いのか分からずに悩む方も多いでしょう。住宅ローン審査に不安がある場合は、フラット35の利用がおすすめです。
ここからはフラット35の具体的な中身や、住宅ローンを組むメリット・デメリットについて解説していきます。
フラット35とは何か
フラット35とは、公的機関である「住宅金融支援機構」と民間金融機関が提携して行う住宅ローンサービスで、住宅を購入する際やリフォーム、借り換えなどにも利用が可能です。
フラット35の最大の特徴は、借入期間中はずっと返済金利が固定されている点です。借入の際に、返済終了に至るまでの借入金利と返済額が確定するため、将来的な金利上昇を懸念することなく安心して借りることができます。
フラット35で住宅ローンを組むメリットデメリット
以下でフラット35で住宅ローンを組むメリットとデメリットを、表を用いて紹介します。
住宅ローンの種類 | メリット | デメリット |
フラット35 | ・金利が固定 ・保証人が不要 ・保証料がかからない ・団体信用生命保険の加入は任意 ・繰上返済の手数料がかからない |
・変動金利よりも金利は高め ・物件の検査が必要 ・金利が下がっても返済額は変わらない ・団体信用生命保険の加入は別途費用がかかる |
フラット35は独立行政法人の「住宅金融支援機構」と民間金融機関が提携して提供する公的なサービスです。一般的な民間の金融機関よりも間口が広く、安心して利用できます。
フラット35で住宅ローンを利用する手順
フラット35で住宅ローンを利用する具体的な手順は以下の通りです。
- 利用する金融機関と商品タイプを選択
- 事前審査を受ける
- 借入の本申し込み、団信の申し込みを行う
- 借入の契約、火災保険への加入を行う
- 資金を受け取る
- 入居する
事前審査は結果が出るまで3日ほど、資金の受け取りは借入契約から1週間ほどです。
住宅ローンの返済で気になる疑問
住宅ローンは長期的な返済が必要になるケースが多い事から、初めて住宅ローンを利用する方の中には「果たして毎月きちんと返済できるのか」と、不安に思う方もいるのではないでしょうか。ここでは、住宅ローンの返済で気になる疑問についてQ&A形式で紹介していきます。
返済中に金利が上昇したときの対策はあるのか
変動金利で住宅ローンを申し込んだ場合は、返済期間中に金利が上昇した際の対策が気になるところでしょう。
その際は、変動金利から固定金利へ借り換えができます。借り換えを行うことにより、現在借りている住宅ローンを一括返済して、現在の金利より低い金利の住宅ローンを返済することになります。その結果、ローンの返済額を金利差分だけ減らすことが可能です。
なお借り換えを行う場合は、銀行への手数料や登記費用、印紙代や司法書士に支払う報酬などで、合計20万円程度の費用が必要になります。その結果、ローンの返済額を減らすことはできても、全体の支払いは多くなる可能性があるので注意が必要です。
住宅ローンを滞納するとどうなるのか
期日までに住宅ローンの支払いができずに滞納すると、せっかく購入した自宅を手放さなければならなくなります。
滞納してから競売にかけられるまでの流れは以下の通りです。
- 金融機関から延滞通知
- 金融機関から督促状の送付
- 金融機関から催告状の送付
- 金融機関から期限の利益喪失の通知
- 競売申し立て
延滞通知から1カ月ほどで督促状が届き、3カ月以上延滞すると期限の利益喪失の通知が届きます。6カ月以上延滞が続くと、金融機関は裁判所に競売申し立ての手続きを行います。もし返済が困難な場合は、滞納する前に金融機関に相談して返済方法を変更することをおすすめします。
住宅ローンで節税はできるか
住宅ローンを利用する際は、多くの方が住宅ローン控除制度を活用します。住宅ローン控除制度とは税制の特例制度の1つで、この特例を利用すれば、年末残高の一定割合に相当する金額が所得税や住民税から控除されます。
住宅ローン控除制度を利用することで、最大40万円が控除され節税対策が可能です。なお住宅ローン控除制度を利用するためには確定申告が必要になるため、早めに手続きを行い必要な書類を準備しておきましょう。
まとめ
住宅ローンに関する重要なポイントを主に8つに絞り、購入物件のタイプ別で契約者の年収や用意しておくと良い頭金、借入時の年齢や返済額などを紹介しました。ただし、住宅ローンの利用者の平均値になるため、数字に当てはまらないからと言って住宅ローンの申し込みをあきらめる必要はありません。住宅ローンの組み方や審査に通りやすくなるコツを参考にすると、自身に合った方法で住宅ローン申し込み方法が見つかるはずです。
住宅の購入は、一生に一度あるかないかの大きな買い物です。一度に借り入れる金額も大きくなることから、住宅を購入する際は今回の記事を参考にして、上手に自分に合った住宅ローンの利用をおすすめします。
※「マイナビニュース不動産査定」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/
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・https://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet
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