TVは自宅に置いて使うものですが、自由に持ち運べるTVが登場しました。LGエレクトロニクスの「LG StandbyME Go」は、アタッシュケースに入ったポータブル型のTVです。ピクニックに行くとき車に積んで持ち運んだり、広い家なら屋上でバーベキューをするときに使うなど、これまでのTVでは出来ない活用法があります。
StandbyME Goにはバッテリーが内蔵されているので使う場所を選びません。バッテリーの駆動時間は約3時間で、映画1本を見るのにちょうどいいくらいです。車で移動するときならポータブル式の大型バッテリーも持ち運べばより長時間使うこともできるでしょう。本体はMIL-STD-810Hに準拠したハードな仕様。見た目はアタッシュケースなのでステッカーを貼って楽しむこともできます。サイズは縦433mm、横670mm、厚さ119mmです。
本体を開けるとディスプレイが現れ、自動的に電源が入ります。ディスプレイのサイズは27インチなので家族や友人同士などグループで視聴するのに手ごろなサイズと言えます。また「癒しのテーマ」として、環境音楽とビデオを流すモードもあるので、外に持ち運ばないときに自宅でもインテリアとして使えます。
自由に持ち運べるTVとして使えるStandbyME Goですが、WebOSを搭載するスマートTVなので、Netflixなど主要な動画配信サービスもそのまま利用できます。もちろん本体にはWi-Fi機能を搭載。さらにディスプレイの向きを「横向き」「縦向き」「テーブルモード(水平)」の3パターンで使えるので、活用の幅は大きく広がります。
ディスプレイを縦向きにすれば縦動画を見るのにも便利でしょう。またスマートフォンを接続して、SNSのビデオ通話をStandbyME Goのディスプレイに表示すれば屋外でも楽しくグループ通話ができます。
路上ライブの時に自分たちのPVを流したり、その場のライブ配信画面を表示する、といった使い方もLGは提唱しています。この使い方は実用性も高そうです。
テーブルモードではStandbyME Goをエンタメ用途として使うことができます。WebOS対応のゲームが利用でき、ディスプレイを水平向きにして対戦ゲームを楽しめます。ディスプレイはタッチパネルなので指先でそのまま操作もできるのです。
またレコードプレーヤーを表示させ、音楽を流すという使い方も面白そう。スピーカーは4つ内蔵し、Dolby Atmosに対応するので音楽再生もクリア。これもStandbyME Goをインテリアとして使う活用方法です。
StandbyME Goの価格は韓国で117万ウォン(約12万8,000円)です。秋の行楽シーズンに向けて、日本でも発売してほしいものです。
さてもう1つの持ち運び可能なTVは小型のプロジェクターです。サムスンがすでに海外で発売中の円筒形のプロジェクター「The Freestyle」が、ゲーム対応となりました。新製品の「The Freestyle Gen 2 with Gaming Hub」は小型で持ち運び可能なプロジェクターに、主要ゲーム配信プラットフォームを対応させた製品です。
本体は約900gと軽量。プロジェクターの機能としては30インチから100インチまでの投影に対応。本体が自由に回転するので、三脚不要で自在な角度へ投影可能、天井に映画を映して寝ながら見ることもできます。モバイルバッテリーでも動作するほか、専用のバッテリーユニットの装着もできるため、あらゆる場所に持ち出して使えます。スマートTV機能を内蔵しているため、こちらも主要な動画配信サービスの利用が可能なのに加え、スマートフォンを接続することもできます。
そしてサムスンのゲーム配信プラットフォーム「Samsung Gaming Hub」機能を装備しています。Xbox Game Pass、NVIDIA GeForce Nowなどのゲーム配信サービスを使うことができるのです。Bluetoothのゲームコントローラーを接続できるため、好きな場所へ持ち出してどこでもゲームを楽しめるのです。
もちろんゲームをするならゲーム専用機を買ったほうがより楽しめるでしょうが、The Freestyle Gen 2 with Gaming Hubはゲーム機とプロジェクターが一体化されています。つまり「持ち運べるゲーム内蔵TV」のように使えるのです。壁やスクリーンがあればゲームをする場所は選びませんから、本格的なゲームをじっくりプレイするだけではなく、寝る前にThe Freestyle Gen 2 with Gaming Hubを寝室に持ち込んでカジュアルゲームを楽しむ、といった使い方も可能です。
価格はアメリカで799ドル(約11万6,000円)。サムスンは日本ではTVを販売していませんが、このように特徴的な製品であれば話題となって人気になるかもしれません。小型化や付加機能の追加など、TVの進化は高画質化以外の方向にも進んでいるのです。