ソニーの最新スマートフォン「Xperia 5 V」が2023年9月1日に発表されました。日本以外にもアジアやヨーロッパ各国で販売される予定です。海外モデルはおサイフ機能を搭載していない等、日本モデルとの差もいくつかあります。また一部の国ではSIMカードの仕様が異なっています。今回は香港で行われた発表会で香港モデルのXperia 5 Vを試してみました。

  • 香港版のXperia 5 Vをテスト

日本モデルと海外モデルは外観上の大きな違いはありません。本体サイズも質量も同等です。内部的には通信部分の対応バンドが若干異なります。現時点では日本ではキャリアモデルしかありませんが、海外ではSIMフリーモデルが販売されています。ちなみに香港での価格は256GBモデルが7,499香港ドル(約14万2,000円)。日本で今後SIMフリーモデルが出るときの価格の参考になるかもしれません。

  • 外観は日本モデルと変わらない

  • 背面も同様、カラバリも3色だ

香港モデルの大きな違いはSIMカードの構成です。日本モデルはnano SIMカード+eSIMという組み合わせですが、香港モデルはデュアルnano SIMカードとなります。SIMカードトレイを引き出すと、裏側に小さく「SIM2」の表記が見えます。

  • SIMカードは物理SIM 2枚を利用できる

プリインストールアプリはAndroid標準とソニーの独自アプリ程度。Amazonアプリが入っているのは香港版だからかもしれません。設定画面を開くとSIMカードを2枚装着できることがこちらからもわかります。

  • ホーム画面とプリインストールアプリ。SIM設定ではデュアルSIMカード対応がわかる

Xperia 5 Vは前モデルと比べるとメインカメラ性能を上位モデルに準じたものにしており、ミドルハイレンジながらも強力なカメラ性能を誇ります。イメージセンサーも上位の「Xperia 1 V」同様の2層トランジスタ画素積層型である「Exmor T for mobile」を採用しました。センサーサイズが大型化したことで暗所撮影に強くなっているのが特徴です。今やどのスマートフォンを使っても晴天下では十分美しい写真が撮影できます。これからは暗所撮影性能が各スマートフォンの差別化要素の1つになっていくでしょう。

また新たに搭載された「Video Creator」は1分以内でVlogが出来ると謳われています。Xperia 5 Vではカメラ系アプリが縦撮影にも対応し、ユーザーインターフェースも本体を縦に持つと90度回転してくれます。縦撮影した動画クリップ数本を選んで仕上がり秒数を設定するだけで効果的なショート動画を作ってくれるので、動画撮影が今まで以上に楽しくなると感じました。

  • Vlogというよりもショートムービーを手軽に作ってくれる「Video Creator」

他にもボケ撮影は一眼レフのようになめらかな写真を撮ることができます。実際に人物を撮影してみましたが背景はきれいにボケてくれ不自然さもありません。Xperia 5 Vは望遠カメラを搭載していないのですが、メインの4,800万画素24mmカメラは1倍またはデジタル2倍で風景撮影や人物撮影に適しているのです。

  • 実際にXperia 5 Vで撮影。美しくボケてくれる

  • 同じ場所でボケ無し撮影。写真のイメージは大きく変わる

ちなみに香港でのXperia 1 V 256GB版の価格は9,699香港ドル(約18万3,000円)。両者の差は約4万円です。日常的なスナップ撮影が多いのならばXperia 5 Vでもいいかもしれません。ただ個人的には両者にもう少し価格差をつけてほしかったとも思うところです。

  • Xperia 5 VとXperia 1 V

香港の発表会では室内でしか撮影テストができなかったものの、前出の撮影例のようにボケはよく決まりますし、室内のやや暗い場所でも自然な明るさで撮影することができます。機会があればXperia 1 Vとの室内や暗所撮影の性能差も比べてみたいところです。

  • 室内で撮影も苦にならない

  • ボケも確実に決まるので印象的な写真が撮りやすい

  • 逆光気味でも人物の描写は問題ない

なお望遠が無いといいましたが、デジタルで最大6倍(144mm/センサーを1,200万画素相当にクロップする。前述のデジタル2倍はセンサーをフルに使用できるズーム機能)まで望遠撮影ができます。超広角(16mm)と比べると十分な倍率ですし、6倍程度ならば画質もそれほど劣化しません。SNSでシェアする程度なら6倍も十分使えそうです。

  • 超広角で撮影

  • 6倍望遠だとここまで寄れる

「デジタルカメラのカメラ思想をそのままスマートフォンに搭載」これがXperiaシリーズ上位モデルの特徴です。香港のソニーストアでもXperia 1 Vに加えXperia 5 Vの事前人気は上々で、どちらを選ぶかスタッフに相談する来客の姿も多くみられました。Xperia 5 Vの登場はソニーのスマートフォンへの注目をより高めるものになりそうです。

  • Xperia人気を高める存在になる